神に預けよ。

・・・「ミナの譬」に学ぶ終末に備える人生・・・

               東京聖書読者会 2010.6.6 高橋照男

 

@ミナの譬の元の姿は律法学者批判。ルカはそれを同時代人への忠告に編集

  ルカ11:52-54 ルカ 18:8

Aミナの譬の始めと最後にある終末再臨思想の編集句。第三番目の僕が主眼
  ルカ1911-27 ルカ 19:12-26 ルカ 19:27 

B悪い僕への忠告その一。主の再臨を待望しない不信仰で遊び人の態度

  ルカ1914-15 ルカ 12:42-47 Tテサ4:14 Tコリ15:33

C悪い僕への忠告その二。神の働きを信じないで福音の宝を隠しておく態度

  ルカ19:20-23 マタ25:24-25 マコ 4:26-29 マタ13:33 マコ9:22-23

D悪い僕への忠告その三。神を恐れる恐れがなく、最後の審判を信じない態度

  ルカ 19:25,27 マタ 25:30 マタ 22:11-13 ルカ12:19-20 マタ3:9

E持たぬ人は、持っているものまでも取り上げられるとは何か。不信者の運命  

  ルカ19:24-26 マタ25:28-29 マタ21:37-41 マコ4:24-25 Uテモ3:5-7

F信者への忠告。この世の人の金儲けの熱心さに見習って、天に真の宝を積め

  ルカ16:8-13 マタ 25:11-13 

G天に宝を積むとは復活の希望に生きる事。その結果が財産放棄と人を赦す事

  ルカ19:7-8 マタ18:23-35 使 24:15-16 ロマ5:2

Hどうしても実を結べなかった悪い僕の救い。キリストが執り成して下さる

  ルカ13:6-9 Uペテ3:8-9 ヨナ 4:11

 

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@ミナの譬の元の姿は律法学者批判。ルカはそれを同時代人への忠告に編集   

  ルカ11:52-53 ルカ 18:8

塚本訳ルカ 11:52-54

11:52 ああ禍だ、君たち律法学者!君たちは(神の国の)知識の鍵を取り上げて、自分も入らず、また入ろうとする者の邪魔をするからだ。」

11:53 イエスがそこを出てゆかれると、聖書学者とパリサイ人とは(イエスに対して)ひどく敵意をいだき、いろいろな質問をあびせ始めた。

 

塚本訳ルカ 18:8

18:8 わたしは言う、間もなく彼らのために仕返しをされるであろう。しかし人の子(わたし)が来るときに、はたして地上に信仰(をもつ人)が見当るだろうか!

 

Aミナの譬の始めと最後にある終末再臨思想の編集句。第三番目の僕が主眼
  ルカ1911-27 ルカ 19:12-26 ルカ 19:27 
塚本訳 ルカ 19:11  (編集句としての額縁)

19:11 人々がこれを聞いているとき、さらに一つの譬を話された。それはイエスが(いよいよ)エルサレムに近づかれたので、今にも神の国が現われるように人々が考えたからである

塚本訳 ルカ 19:12-26 (ミナの譬の本体)省略

塚本訳 ルカ 19:27  (編集句としての額縁)

 19:27 ところで、わたしを王に戴くことを好まなかったあの敵どもをここに引っ張ってきて、わたしの見ている前で斬り殺してしまえ。』」

 

B悪い僕への忠告その一。主の再臨を待望しない不信仰で遊び人の態度

  ルカ1914-15 ルカ 12:42-47 Tテサ4:14 Tコリ15:33

塚本訳 ルカ 19:14-15

19:14 ところが国民は彼を憎んでいたので、あとから使者をやって、『われわれはこの人を王に戴きたくない』と言わせた。

19:15 さて、その人は王の位を授かって帰ってくると、だれがどんな風に商売をしたか知ろうとして、金を渡しておいた僕たちを呼ばせた。

 

塚本訳ルカ 12:42-47

12:42 主が言われた、「(旅行に出かける)主人が一人の番頭を(えらんで)召使たちの上に立て、時間時間にきまった食事を与えさせることにした場合に、いったいどんな番頭が忠実で賢いのであろうか。

12:43 それは主人がかえって来たとき、言いつけられたとおりにしているところを見られる僕で、その僕こそ幸いである。

12:44 本当にあなた達に言う、主人は彼に全財産を管理させるに違いない。

12:45 しかしその僕が、主人のかえりはおそい、と心の中で考えて、下男や下女をなぐったり、飲んだり食ったり酔っぱらったりし始めていると、予期せぬ日、思いもよらぬ時間に、その僕の主人がかえってきて、僕を八つ裂きにし、不信者と同じ目にあわせるにちがいない。

12:46 予期せぬ日、思いもよらぬ時間に、その僕の主人がかえってきて、僕を八つ裂きにし、不信者と同じ目にあわせるにちがいない。

12:47 主人の心を知っていながら用意せず、あるいは主人の心に従って行動しなかった僕は、(鞭で)打たれることが多い。

 

塚本訳Tテサ4:14

4:14 私達が信ずるようにもしイエスが死んで復活し給うたならば、神はイエスによって眠った者をも同様にイエスと共に連れ来たり給うであろうから。

 

塚本訳Tコリ15:33

15:33 迷わされてはならない。(復活の信仰のない人との交際に注意せよ。)悪い交際は良い習慣をこわす。(と詩人も言っている。)

 

C悪い僕への忠告その二。神の働きを信じないで福音の宝を隠しておく態度

  ルカ19:20-23 マタ25:24-25 マコ 4:26-29 マタ13:33 マコ9:22-23

塚本訳 ルカ 19:20-23

19:20 またほかの者が来て言った、『御主人、これがあなたの一ミナです。風呂敷に包んでしまっておきました

19:21 あなたは預けないものを取り立て、まかないものを刈り取られる厳しい方だから、恐ろしかったのです。』

19:22 彼に言う、『悪い僕よ、あなたのその言葉で罰してやろう。このわたしが、預けないものを取り立て、まかないものを刈り取る厳しい人間だと知っていたのか。

19:23 ではなぜわたしの金を銀行に預けなかったか。そうすればかえって来たとき、利子をつけて受け取ることができたのに。』

 

塚本訳 マタ 25:24-27

25:24 最後に一タラントあずかっていた者も進み出て言った、『御主人、あなたは(種を)まかない所で刈り取り、(金を)まき散らさない所で集める、きつい方と知っていたので、

25:25 (商売をするのが)恐ろしく、行って、あなたのタラントを地の中に隠しておきました。そら、お返しします。

25:26 主人が答えた、『怠け者の、悪い僕よ、わたしがまかない所で刈り取り、まき散らさない所で集めることを知っていたのか。

25:27 それなら、わたしの金を銀行に入れておくべきであった。そうすればかえって来たとき、(元金に)利子をつけてもどしてもらえたのに

 

塚本訳マコ 4:26-29

4:26 また言われた、「神の国はこんなものだ。──ある人が地に種を蒔き、

4:27 夜昼、寝起きしていると、種は芽生えて育ってゆくが、本人はその訳を(すら)知らない。

4:28 (すなわち)地はひとりでに実を結ぶので、初めに茎、次に穂、次に穂の中に熟しきった粒ができる

4:29 実が熟すると、すぐに『鎌を入れる。刈入れ時が来たのである。』」

 

塚本訳 マタ 13:33

13:33 またほかの譬を彼らに語られた、「天の国はパン種に似ている。女がそれを三サトン(二斗)の粉の中に混ぜたところ、ついに全体が発酵した。

 

塚本訳マコ 9:22-23

9:22 霊はこの子を殺そうとして、幾たびか、火の中、水の中に投げ込みました。それでも、もしなんとかお出来になるなら、わたしども(親子)を不憫と思って、お助けください。」

9:23 イエスは言われた、「もしお出来になるなら(と言うの)か。信ずる者にはなんでも出来る。」

 

D悪い僕への忠告その三。神を恐れる恐れがなく、最後の審判を信じない態度

  ルカ 19:25,27 マタ 25:30 マタ 22:11-13 ルカ12:19-20 マタ3:9

口語訳 ルカ 19:25

19:25 彼らは言った、『ご主人様、あの人は既に十ミナを持っています』。

 

塚本訳ルカ 19:27

19:27 ところで、わたしを王に戴くことを好まなかったあの敵どもをここに引っ張ってきて、わたしの見ている前で斬り殺してしまえ。』」

 

塚本訳 マタ 25:30

25:30 さあ、この役に立たない僕を外の真暗闇に放り出せ。そこでわめき、歯ぎしりするであろう。』

 

塚本訳ルカ 12:19-20

12:19 それからわたしの魂に言おう。──おい魂、お前には長年分の財産が沢山しまってある。(もう大丈夫。)さあ休んで、食べて、飲んで、楽しみなさい、と。

12:20 しかし神はその人に、『愚か者、今夜お前の魂は取り上げられるのだ。するとお前が準備したものは、だれのものになるのか』と言われた。

 

塚本訳マタ 3:9

3:9 『われわれの先祖はアブラハムである(から大丈夫だ)』などと考えてはならない。わたしは言う、神はそこらの石ころからでも、アブラハムの子供を造ることがお出来になるのだ。

 

E持たぬ人は、持っているものまでも取り上げられるとは何か。不信者の運命 

  ルカ19:24-26 マタ25:28-29 マタ21:37-41 マコ4:24-25 Uテモ3:5-7

塚本訳 ルカ 19:24-26

19:24 それからそばに立っていた人たちに言った、『その一ミナをその男から取り上げて、十ミナを持っている者に渡しなさい。

19:25 ナシ

19:26 わたしは言う、だれでも持っている人は(さらに)与えられるが、持たぬ人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。

 

塚本訳 マタ 25:28-29

25:28 では、その一タラントをその男から取り上げて。十タラント持っている者に渡しなさい。

25:29 だれでも持っている人は(さらに)与えられてあり余るが、持たぬ人は、持っているものまでも取り上げられるのである。

 

塚本訳 マタ 21:37-41

21:37 最後に『わたしの独り息子なら恐れ入るにちがいない』と言って、その息子を使いにやった。

21:38 すると小作人たちはこの息子を見て、『これは相続人だ。さあ、殺して、その財産を取ってしまおう』と互に言いながら、

21:39 つかまえて葡萄畑の外に放り出した上、殺してしまった(と言う話。)

21:40 それで(尋ねるが、)葡萄畑の持ち主が来たら、この小作人たちをどうするだろうか。」

21:41 人々が答える、「そのひどい奴どもをひどい目にあわせて殺し、葡萄畑は、収穫の時ごとにそれを納めるほかの小作人に貸すにちがいない。」

 

塚本訳 マコ 4:24-25

4:24 また彼らに言われた、「(わたしから)聞くことに気をつけよ。(わたしの言葉を)量る量りで、あなた達も(神に)量られる。そして(よく聞く人は持っている上になお)つけたして与えられる。

4:25 持っている人には(さらに)与えられ、持たぬ人は、持っているものまで取り上げられるのである。」

 

塚本訳 Uテモ3:5-7

3:5 彼らは敬虔を装うが(真面目な生活をしようとせず、)その(乱れた生活によってかえって敬虔の)能力を否定している。彼らを離れよ。

3:6 その中には(人の)家に潜り込んで、女どもを口車に乗せる者がある──様々な慾に引かれて罪を重ね、

3:7 (罪に悩んで)いつも学んでいるが、決して(救いの)真理の知識に達することの出来ない女どもを!

 

F信者への忠告。この世の人の金儲けの熱心さに見習って、天に真の宝を積め

  ルカ16:8-12 マタ 25:11-13 

塚本訳 ルカ 16:8-12

16:8 すると主人はこの不埒な番頭の利巧な遣り口を褒めた(という話)。この世の人は自分たちの仲間のことにかけては、光の子(が神の国のことに利口である)よりも利巧である。

16:9 それでわたしもあなた達に言う、あなた達も(この番頭に見習い、今のうちにこの世の)不正な富を利用して、(天に)友人[神]をつくっておけ。そうすれば富がなくなる時、その友人が永遠の住居に迎えてくださるであろう。

16:10 ごく小さなことに忠実な者は、大きなことにも忠実である。ごく小さなことに不忠実な者は、大きなことにも不忠実である。

16:11 だから、もし(この世の)不正な富に忠実でなかったならば、だれが(天の)まことの富をあなた達にまかせようか。

16:12 もし他人のもの[この世のこと]に忠実でなかったならば、だれがあなた達のもの[天のもの]をあなた達に与えようか。

 

塚本訳マタ 25:11-13

25:11 あとでほかの(愚かな)乙女たちも来て、『御主人さま、御主人さま、あけてください』と言った。

25:12 しかし主人は、『アーメン、わたしは言う。わたしはあなた達を知らない』と答えた(という話)

25:13 だから(たえず)目を覚ましておれ。あなた達は(人の子が来る)その日も時間も知らないのだから。

 

G天に宝を積むとは復活の希望に生きる事。その結果が財産放棄と人を赦す事

  ルカ19:7-8 マタ18:23-35 使 24:15-16 ロマ5:2

塚本訳 ルカ 19:7-9

19:7 皆がこれを見て、イエスは(税金取りのような)罪人の所に入りこんで宿を取った、と言ってぶつぶつ呟いた。

19:8 しかしザアカイは進み出て主に言った、「主よ、わたしは(誓って)財産の半分を貧乏な人たちに施します。人からゆすり取ったものは四倍にして返します。」

 

塚本訳 マタ 18:23-35

18:23 だから天の国は、王が家来たちとの貸し借りを清算しようとするのに似ている。

18:24 清算を始めると、(王に対し)一万タラント[三百億円]の借りのある家来がつれて来られた。

18:25 返すことができないので、主人は(その家来に、)自分も妻も子も持ち物も全部売って返すように命じた。

18:26 家来はひれ伏して、しきりに願った、『しばらく待ってください。全部お返ししますから。』

18:27 そこで主人は気の毒に思って、身柄をゆるした上、借金にまで棒を引いてやった。

18:28 ところがその家来は出ていって、自分に百デナリ[五万円]を借りているひとりの同僚に出合うと、これをつかまえ、喉頚をしめて、『借りているものを返せ』と言った。

18:29 同僚はひれ伏して、『ちょっと待ってくれ。返すから』と頼んだ。

18:30 しかし承知せず、(裁判官につれて)行って、負債を返すまで牢に入れた。

18:31 その人の同僚たちはこの出来事を見て非常に悲しみ、行って、出来事の一部始終を主人に報告した。

18:32 すると主人はその家来を呼び出して言う、『不埒な家来、あなたが頼んだから、わたしはあの負債に全部、棒を引いてやったのだ。

18:33 だからあなたもわたしに情をかけてもらったように、同僚に情をかけてやるべきではなかったのか。』

18:34 そこで主人は怒って、負債を全部返すまでその男を獄吏に引き渡した、(という話。)

18:35 わたしの天の父上も、もしあなた達ひとりびとりが心から兄弟を赦さないならば、同じようにあなた達になさるであろう。」

 

塚本訳 使  24:15-16

24:15 (また)この人たち自身もいだいている(復活の希望、)正しい人と正しくない人との復活が来ようとしているという希望を、神に対して持っているのであります。

24:16 それでわたし自身も(裁きの日の近いことを思って、)神と人とに対しやましくない良心を持つように、絶えず努力しているのであります。

 

塚本訳 ロマ 5:2

5:2 そうだ、キリストにより、信仰で、わたし達はいまいるこの恩恵の状態に入ることができ、また(最後の日に)神の(子になることを信じて、その)栄光にあずかる希望を誇っているのである。

 

Hどうしても実を結べなかった悪い僕の救い。キリストが執り成して下さる

  ルカ13:6-9 Uペテ3:8-9 ヨナ 4:11

塚本訳 ルカ 13:6-9

13:6 そこでこの譬を話された、「ある人が葡萄畑に一本の無花果の木を植えておいた。(ある日)実をさがしに来たが、見つからないので、

13:7 葡萄畑の作男に言った、『もう三年この方、この無花果の木に実をさがしに来ているのに、まだ実がならない。切ってくれ。(ならないばかりか、)なんで土地までくたびれさせることがあろう。』

13:8 答えて言う、『ご主人、今年もう一年だけ勘弁してやってください。今度は回りを掘って、肥料をやってみますから。

13:9 それで来年実を結べばよし、それでもだめなら、切ってください。』」

 

塚本訳 Uペテ3:8-9

3:8 愛する者よ、『主の前では』一日が千年の如く、『千年』が一『日の如く』である、この一つの事を忘れるな。

3:9 主は或る人達が遅いと考えているように約束を果たし給うのが遅いのでは(決して)ない。ただ何人の亡びることをも欲せず、凡ての者が悔い改めに到ることを欲して、君達に対し寛大であり給うのである。

 

口語訳 ヨナ 4:11

4:11 ましてわたしは十二万あまりの、右左をわきまえない人々と、あまたの家畜とのいるこの大きな町ニネベを、惜しまないでいられようか」。

 

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