「泣くな。死んだのではない。眠っているのだ。」

・・・「孤独とどう向き合うか」・・・


東京聖書読者会 2014.11.23 高橋照男

@独り息子に先立たれた母の悲しみ                塚本訳 ルカ 7:11-17
7:11
そのあとで、ナインという町に行かれた。弟子たちおよび多くの群衆も一しょに行った。                           7:12 町の門の近くに来られると、ちょうど、ある
独り息子が死んで、(棺が)舁き出されるところであった。母は寡婦であった。町の人が大勢その母に付添っていた。                             7:13 主は母を見て不憫に思い、「そんなに泣くでない」と言って、
7:14
近寄って棺に手をかけ──担いでいる者は立ち止まった──
若者よ、あなたに言う、起きよ!」と言われた。                  7:15 すると死人が起き上がって物を言い出した。イエスは『彼を母に渡された。
7:16 皆が
恐れをいだいて、「大預言者がわたし達の間にあらわれた」とか、「神はその民を心にかけてくださった」とか言って、神を讃美した。       7:17 イエスについてのこの(二つの)言葉は、ユダヤ(人の国)全体とその周囲いたる所に広まった。

12節。肉親の死の嘆き悲しみ。                    @−1)口語訳 創  23:2
23:2
サラはカナンの地のキリアテ・アルバすなわちヘブロンで死んだ。アブラハムは中にはいってサラのために悲しみ泣いた。

@−2)口語訳 Uサム18:33
18:33 王はひじょうに悲しみ、門の上のへやに上って泣いた。彼は行きながらこのように言った「わが子アブサロムよ。わが子、わが子アブサロムよ。ああ、わたしが代って死ねばよかったのに。アブサロム、わが子よ、わが子よ」

●12節。特に子供を失った時の母親の嘆きは大きい。

@−3)塚本訳 マタ 2:18
2:18 『声がラマに聞えた、──(ラケルの)』はげしい『わめきと、なげきの声である。ラケルはその子らのために泣くばかりで、慰められようとしない、子らがもういないので。』

                                                     ●13節。「そんなに泣くでない」という言葉には、イエスの「復活と永遠の命」の裏付けがあった。                         @−4)文語訳 マタ 5:4                           5:4 幸福なるかな、悲しむ者。その人は慰められん。

@−5)塚本訳 ヨハ20:15a                         20:15a イエスが言われる、「女の人、なぜ泣くのか。だれをさがしているのか。」

@−6)塚本訳 ヨハ 14:27                         14:27 (今別れにのぞんで)平安をあなた達にのこしておく。わたしの平安をあなた達に与える。わたしが与える平安は、この世の人が『平安あれ』といのるような(言葉だけの)ものではない。(だから)心騒がせるな、気を落すな。

@−7)塚本訳 ヨハ 16:33                         16:33 これらのことを話したのは、あなた達がわたしに(しっかり)結びついていて、平安を保つことができるためである。この世ではあなた達に苦しみがある。しかし安心していなさい。わたしがすでに世に勝っている。」

14節。復活の時には個別の名前で呼び出される。神に認知症なし。            @−8)塚本訳 ヨハ 11:43-44                       11:43 こう言ったのち、大声で、「ラザロ、出て来い」と叫ばれた。     11:44 死人が手足を包帯で巻かれたまま、(墓から)出てきた。顔は手拭で包まれていた。イエスは「解いてやって(家に)帰らせなさい」と人々に言われた。

@−9)塚本訳 黙  3:5                           3:5 (しかし)勝利者は(誰でも皆、)このように白い着物を着せられるであろう。そして私はその名を決して生命(いのち)の書から消さず、また、私の父の前とその御使い達の前でその名を告白するであろう。

15節。来世では会いたい人に「また会える」ことは神の子キリストの約束。@−10) 塚本訳 ヨハ 162-24                                       16:22 だから、(同じく)あなた達にも今は悲しみがあるが、わたしはもう一度あなた達に会うのだから、(その時)あなた達の心は喜ぶであろう。そしてあなた達からその喜びを奪う者はだれもない。             16:23 その時には、(もはや)何事もわたしに尋ねる必要はない。アーメン、アーメン、わたしは言う、(その時)あなた達が父上に何かお願いすれば、わたしの名でそれをかなえてくださるであろう。             16:24 いままであなた達は何一つわたしの名で(父上に)お願いしなかった。(わたしがまだ父上の所に行かなかったからである。しかし今は)お願いせよ、そうすれば戴ける。あなた達の喜びが完全なものとなるためである。

@−11)塚本訳 ヨハ 15:7                          15:7 もしあなた達がわたしに留まっており、わたしの言葉があなた達に留まっておれば、なんでもほしいものを願いなさい。かならずかなえられる。

@−12塚本訳 マタ 28:5-7                         28:5 天使は女たちに言った、「恐れることはない。あなた達は十字架につけられたイエスをさがしているようだが、                 28:6 ここにはおられない。かねがね言われたとおり、もう復活されたのだから。来て、お体が置いてあった場所を見なさい。               28:7 それから急いで行って弟子たちに、『イエスは死人の中から復活された。あなた達より先にガリラヤに行かれる。そこでお目にかかれる』と言いなさい。これを言いにわたしは来たのだ。」

@−13)塚本訳 ヨハ 11:21-26                       11:21 マルタがイエスに言った、「主よ、あなたがここにいてくださったら、わたしの兄弟は死ななかったでしょうに。               11:22 しかしあなたがお願いになることなら、神様は何でもかなえてくださることを、わたしは今でも知っています。」                11:23 イエスは言われる、「あなたの兄弟は生き返る。」         11:24 マルタが言う、「最後の日の復活の時に生き返ることは、知っています。」11:25 イエスがマルタに言われた、「わたしが復活だ、命だ。(だから)私を信じている者は、死んでも生きている。                11:26 また、だれでも生きている私を信じている者は、永遠に死なない。このことが信じられるか。」                    

16節。「死人の復活」は人間の信仰や希望に産物ではなく異常なことだったので、皆が「恐れ」を抱いた。復活の信仰にはまず神を恐れる姿勢が必要。      @−14)塚本訳 マタ 28:4-10                        28:4 見張りをしていた者たちは恐ろしさのあまり震え上がって、死人のようになった。                              

@−15)塚本訳 ルカ 16:31                         16:31 しかしアブラハムは答えた、『モーセと預言書との教えに従わないようでは、たとえ死人の中から生き返る者があっても、その言うことを聞かないであろう。』

16節。神は「死人を甦らせる力」がある。キリストが死人を復活させたことで皆が恐れを抱いた。                        @−15)口語訳 T列 17:23-24                       17:23 エリヤはその子供を取って屋上のへやから家の中につれて降り、その母にわたして言った、「ごらんなさい。あなたの子は生きかえりました」。   17:24 女はエリヤに言った、「今わたしはあなたが神の人であることと、あなたの口にある主の言葉が真実であることを知りました」。

@−17))口語訳 U列 4:36-37                                                     4:36 エリシャはただちにゲハジを呼んで、「あのシュネムの女を呼べ」と言ったので、彼女を呼んだ。彼女がはいってくるとエリシャは言った、「あなたの子供をつれて行きなさい」。                      4:37 彼女ははいってきて、エリシャの足もとに伏し、地に身をかがめた。そしてその子供を取りあげて出ていった。

@−18)塚本訳 ヨハ 5:21
5:21
それは、
父上が(心のままに)死人を生き返らせて命を与えられるように、子も自分の欲する者に命を与えるからである。

@−19)塚本訳 ヨハ 5:25
5:25
アーメン、アーメン、わたしは言う、
死人が(一人のこらず)神の子(わたし)の声を聞く時が来る、いや、今もう来ている。しかし(ただ聞くばかりでなく、ほんとうに)聞き従う者(だけ)が生きる。

@−20)塚本訳 ルカ 7:22-23                                                 7:22 答えられた、「行って、(今ここで)見たこと聞いたことをヨハネに報告しなさい。──『盲人は見えるようになり、』足なえは歩きまわり、癩病人は清まり、聾は聞き、死人は生きかえり、『貧しい人は福音を聞かされている』と。                                7:23 わたしにつまずかぬ者は幸いである。」

@−21  塚本訳 ルカ 5:26
5:26
皆が感動して神を讃美し、
恐れに満たされて、「きょうは不思議なことを見た」と言った。

17節。神がキリストを復活させたことで、我々の復活にも希望が湧いた。@−22)文語訳 ヨハ 11:25-26                    11:25 イエス言ひ給ふ『我は復活なり、生命なり、我を信ずる者は死ぬとも生きん。                               11:26 凡そ生きて我を信ずる者は、永遠に死なざるべし。汝これを信ずるか』                         

@−23)塚本訳 Tコリ15:12-14                       15:12 ところで、キリストが死人の中から復活しておられることが(こんなに)説かれ、(また信じられ)ているのに、死人の復活はないと主張する者があなた達の中にあるのは、いったいどうしてか。              15:13 しかし死人の復活がないのなら、キリストも復活しておられないわけである。                               15:14 キリストが復活しておられないならば、わたし達の説教はそれこそ根拠がない。あなた達の信仰も根拠がない。

Aヤイロの娘の場合                          塚本訳 ルカ 8:40-42,49-55
8:40
イエスが(カペナウムに)帰ってこられると、群衆は喜んで迎えた。皆待っていたのである。                         8:41 するとそこに名をヤイロという人が来た。この人は礼拝堂の役人であった。イエスの足もとにひれ伏し、家に来ていただきたいと願った。
8:42
十二歳ばかりの一人娘があって、それが
死にかけていたのである。(ヤイロの家に)行かれる途中、群衆はイエスを押しつぶしそうであった。     8:43 -48省略                                                   8:49 イエスがまだ話しておられるところに、礼拝堂監督の家からひとりの人が来て(監督に)言った、「お嬢さんはもうなくなりました。先生にこれ以上御迷惑をかけられないように。」                     8:50 イエスは聞いて監督に言葉をかけられた、「こわがることはない。ただ信ぜよ。そうすれば助かる。」                      8:51 家に着かれると、ペテロとヨハネとヤコブと、女の子の父と母とのほかには、だれも一しょに中に入ることを許されなかった。
8:52
(集まった)人々が皆泣いて、女の子のために悲しんでいた。イエスが言われた、
「泣くな。死んだのではない、眠っているのだ。」          8:53 人々は死んだことを知っているので、あざ笑っていた。       8:54 しかしイエスは女の子の手を取り、声をあげて「子よ、起きなさい!」と呼ばれると、                            8:55 霊がもどって、即座に女の子は立ち上がった。イエスは(何か)食べさせるように言いつけられた。                                                     

49節。「死人は生き返らない」というのがこの世の法律の基本。      A−1)塚本訳 ヨハ 11:39
11:39
「石をのけなさい」とイエスが言われる。死んだ人の姉妹のマルタが言う、「
主よ、もう臭くなっています。四日目ですから。

A−2)塚本訳 Tコリ7:39
7:39
妻は夫が生きている間は、(夫に)束縛されている。しかしもし
夫が眠ったなら、望みの人と結婚することは自由である。ただ主にあって(信者とだけ)すべきである。

52節。「死は眠り」。しかし死んではいない。神の秘儀として起こされる。                    A−3)塚本訳 ヨハ 11:11-15
11:11
こう話して、またそのあとで言われる、「
わたし達の友人ラザロが眠った。目をさましに行ってやろう
11:12
弟子たちが言った、「主よ、眠ったなら(きっと)助かりましょう。(眠る病人はなおると言います。起さない方がよいでしょう。)」
11:13
イエスはラザロが死んだことを言われたのに、弟子たちは安眠していることを言われるものと思ったのである。
11:14
そこでイエスが今度ははっきり言われた、「ラザロは死んだのだ。
11:15
わたしがそこにいなかったことを、あなた達のために喜ぶ。あなた達の信仰を強めることができるからだ。さあ、ラザロの所に行こう。

●55節。「生きる」とは神により霊の命を吹き込まれて、保ち続けられること。「死ぬ」とは神によりその霊が引き取られること。「召される」と言う                            A−4)新共同 創  2:7                           2:7 主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。

A−5)口語訳 エゼ 37:5-6                         37:5 主なる神はこれらの骨にこう言われる、見よ、わたしはあなたがたのうちに息を入れて、あなたがたを生かす。                  37:6 わたしはあなたがたの上に筋を与え、肉を生じさせ、皮でおおい、あなたがたのうちに息を与えて生かす。そこであなたがたはわたしが主であることを悟る」。

A−6)口語訳 ヨブ 1:20-21                        1:20 このときヨブは起き上がり、上着を裂き、頭をそり、地に伏して拝し、  1:21 そして言った、/「わたしは裸で母の胎を出た。また裸でかしこに帰ろう。主が与え、主が取られたのだ。主のみ名はほむべきかな」。

A−7)塚本訳 ヨハ ヨハ 20:21-23                 20:21 すると主はかさねて言われた、「平安あれ。父上がわたしを遣わされたように、わたしも(全権を授けて)あなた達を遣わす。」          20:22 こう言いながら彼らに息を吹きかけて、言われる、「聖霊を受けよ。  20:23 人の罪は、あなた達が赦してやれば赦されて消え、赦してやらねば赦されずに残る。」

Bサマリヤの女との問答                   塚本訳 ヨハ 4:10
4:10
イエスは答えられた、「もし
神の(賜わる最上の)賜物が何であるか、『飲ませてくれないか』と(今)あなたに言っている者がだれであるかがあなたにわかっていたら、あなたの方からその人に頼み、その人があなたに清水[命の水]を与えたであろうに。」

B−1)塚本訳 ルカ 11:13
11:13
してみると、あなた達は悪い人間でありながらも、自分の子に善い物をやることを知っている。まして天の父上が、求める者に
聖霊(という善いもの)を下さらないことがあるだろうか。」                    

塚本訳 ヨハ 4:13-14                        4:13 イエスは答えられた「この(井戸の)水を飲む者はだれでもまた渇くが、4:14 わたしが与える水を飲む者は永遠に渇かない。そればかりでなく、わたしが与える水は、その人の中で(たえず)湧き出る水の泉となって、永遠の命に至らせるであろう。」

B−2)塚本訳 黙  7:16
7:16
彼らは最早飢えず、最早
渇かず、太陽も如何(どん)な暑さも(最早)彼らを襲わないであろう。                            

塚本訳 ヨハ 4:15-18                        4:15 女が言う、「主よ、その水を下さい。(二度と)渇くことがないように、またここに汲みに来なくてもよいように。」               4:16 イエスが言われる、「行って、あなたの夫をここに呼んで来なさい。」  4:17 女が答えた、「わたしには夫はありません。」イエスが言われる、「『わたしには夫はありません』と言うのは、もっともだ。           4:18 五人の夫とは別れ、今のは、あなたの夫ではないのだから。あなたの言ったことは本当だ。」

●18節。永遠の命を頂くためには罪の赦しが必要。神が清めてくださる。  B−3)塚本訳 ヨハ 6:34-35
6:34
彼らが言った、「主よ、(もしそうなら、)いつもそのパンを戴かせてください。」
6:35
イエスが言われた、「わたしが命のパンである。
わたしの所に来る者は決して飢えない。わたしを信ずる者は決して二度と渇かない          

塚本訳 ヨハ 4:21                          4:21 イエスが言われる、「女の人、わたし(の言葉)を信じなさい。(間もなく)あなた達が、この山でもエルサレムでもなく(どこででも、)父上を礼拝する時が来る。

●21節。キリストに同居していただくことがこの世の幸福に勝る霊の喜び。

B−4)塚本訳 ヨハ 14:23

14:23 イエスは答えられた、「わたしを愛する者は、わたしの言葉を守る。するとわたしの父上はその人を愛され、わたし達は(父上もわたしも)、その人のところに行って、同居するであろう。

 

B−5)塚本訳 ロマ 8:11

8:11 しかしイエスを死人の中から復活させたお方の御霊があなた達の中に住んでおられるなら、キリスト・イエスを死人の中から復活させたそのお方は、あなた達の中に住んでおられるその御霊によって、あなた達の死ぬべき体をも生かしてくださるであろう。

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