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ルカ福音書

天使、羊飼に現われる (ルカ2:8−20)

・・・神は福音を信じ易くしてくださる。福音はそれ自身の力で伝わる。・・・

 

2016年51日 東京聖書読者会 高橋照男

 

塚本訳 ルカ 2:8

2:8 (その晩、)数人の羊飼がそのあたりで、野宿をしながら群の夜番をしていた。

●羊飼いは身分の低い労働者。しかも夜業で野宿をしていた。神は無名の人を選ぶ。●福音は無名人を通して福音それ自身の力で伝わった。

 

G−1)塚本訳 Tコリ1:29

1:28 また世の身分の低いもの、軽蔑されているもの、(いや、あっても)無い(ように思われている)ものを神はお選びになった、ある(と思われている)ものを無にするためである。

 

G−2)塚本訳 Tコリ1:19

1:19 (聖書に)こう書いてあるではないか、『知恵者の知恵をわたしは滅ぼし、賢い者の賢さをわたしは無にする』と。

 

G−3)塚本訳 ピリ 3:7-8

3:7 しかし(前には)自分に得であ(ると思っ)たこれらの特権も、キリストのために(かえって)損と思うようになってしまった

3:8 否、ただにそれ(らの特権)ばかりでなく、わが主キリスト・イエス(を知る)の知識が(余りにも尊く)優れているために、本当は(今は)一切合切のものを損だと思っている。(実際)彼のために何もかも損してしまったのだが、(そんなものは皆)塵芥 くそ・・塚本遺稿、別冊第三および新教出版社版)と思っている。これはキリスト・イエスを自分の有とし、

 

G−4)塚本訳 マタ 26:13

26:13 アーメン、わたしは言う、世界中どこでも(今後)この福音の説かれる所では、この婦人のしたことも、その記念のために一しょに語りつたえられるであろう。

 

塚本訳 ルカ 2:9

2:9 すると(突然)一人の主の使が(現われて)彼らに近づき、主の栄光が彼らのまわりを照らしたので、羊飼たちはすっかりおびえてしまった。

●神からの良い知らせはこの世的に立派な人間にではなく無名の人間に突然天から来る。だから人はその意外性に「恐れ」が臨む。。

 

H−1)塚本訳 マタ 1:20

1:20 しかし(なおも)そのことを思案していると、主の使いが夢でヨセフに現われて言った、「ダビデの末なるヨセフよ、心配せずにあなたの妻マリヤを(家に)迎えよ。胎内にやどっている者は、聖霊によるのである。

 

塚本訳 ルカ 2:10

2:10 天使が言った、「こわがることはない。いまわたしは、(イスラエルの)民全体への大きな喜びのおとずれを、あなた達に伝えるのだから。

●信仰は人間の知識や信念ではなく。神による外側からの働きかけによる。

 

I−1)塚本訳 ルカ 1:30

1:30 天使が言った、「マリヤよ、恐れることはない。神からお恵みをいただいたのだから。

 

塚本訳 ルカ 2:11

2:11 実は今夜ダビデの町に、あなた達のために一人の救い主がお生まれになった。このお方が(かねて預言されていた)救世主なる主である。

●「あなた達のために」の一句に福音がこもる。待望のキリスト。この世的救いではなく、霊魂の救い。これが人間にとっての真の救い。

 

J−1)塚本訳 使  13:23

13:23 このダビデの子孫から、神は約束によりイエスを救い主としてイスラエルに来させられたが、

 

塚本訳 ルカ 2:12

2:12 あなた達はみどり児が産着にくるまれて飼葉桶に寝ているのを見る。それが(救世主の)目印である。」

●救世主の目印は低いところにある。だから世の人はこれを見いだせない。

 

K−1)塚本訳 マタ 13:55-57

13:55 これはあの大工の息子ではないか。母はマリヤで、兄弟はヤコブとヨセフとシモンとユダではないか。

13:56 女兄弟たちは、みんなわたし達の所に住んでいるではないか。するとこの人は、こんなことを皆どこから覚えてきたのだろう。」

13:57 こうして人々はイエスにつまずいた。しかしイエスは彼らに言われた、「預言者が尊敬されないのは、その郷里と家族のところだけである。」

 

塚本訳 ルカ 2:13

2:13 するとたちまち、おびただしい天使の群がその天使のところにあらわれて、神を讃美して言った、──

●おびただしい天使の群れが「神を賛美」(たたえる・・・前田訳)した。神の力と正しさの証明は天使の大合唱。無名人たちの合唱は同質性の一致の喜び。

 

L−1)塚本訳 マタ 26:51-53

26:51 すると、見よ、イエスと一しょにいた一人の人が手をのばして剣を抜き、大祭司の下男に切りかかって片耳をそぎ落してしまった。

26:52 その時イエスが言われる、「剣を鞘におさめよ。剣による者は皆、剣によって滅びる。

26:53 それとも、父上にお願いして十二軍団以上の天使を今すぐ送っていただくことが、わたしに出来ないと思うのか。

 

L−2)塚本訳 マタ 26:64

26:64 イエスは(はじめて口を開いて)彼に言われる、「(そう言われるなら)御意見にまかせる。だが、わたしは言う、あなた方は今後『人の子(わたし)が』『大能の(神の)右に坐り、』『天の雲に乗って来るのを』見るであろう。」

L−3)塚本訳 黙  5:11
5:11
また私は見た。そして、玉座と活物と長老との周囲に、
多くの天使の声を聞いた。その数は千々万々であって、

 

塚本訳 ルカ 2:14

2:14 いと高き所にては神に栄光、地上にては(いまや)平安、御心にかなう人々にあり!

●地上の平和はまず罪の赦しによる「平安の心」による。今やその時が来た。地上の平和で魂の渇きは止まない。「平安」は御心にかなう人に与えられる。

 

M−1)塚本訳 ルカ 1:76-79

1:76 お前、幼児よ、お前はいと高きお方の預言者と呼ばれる。『主の』先駆けをして『その道を用意し、』

1:77 罪の赦しによる救いを民に知らせるのだから。

1:78 これは(みな)われらの神の(深き)憐れみの御心によるのである。またその憐れみによって、高き所よりの光がわたし達を訪れ、

1:79 『暗やみと死の陰とに住まう人々を照らし、』われらの足を『平和の道』へと導くであろう。

 

M−2)塚本訳 コロ 1:20

1:20 その十字架の血によって平和を作り、彼によって地上のものも天上のものも、万物を(悉く)彼によって御自分と和睦させようと決心し給うたからである。

 

M−3)塚本訳 ロマ 5:1

5:1 だから、わたし達は信仰のゆえに義とされたのであるから、わたし達の主イエス・キリストによって、いま神と平和ができた。

 

M−4)塚本訳 マタ 10:13-14

10:13 もしその家が(その祈りをうけるのに)ふさわしければ、あなた達の(祈った)平安はかならずその家に臨み、もしふさわしくなければ、その平安はあなた達にもどってくる。(そしてあなた達のものとなるのである。)

10:14 しかし人があなた達を歓迎せず、あなた達の言葉に耳をかたむけないなら、(すぐ)その家なり町なりを(出てゆけ。そして)出てゆくとき、(縁を切った証拠に)足の埃を払いおとせ。

 

M−5)塚本訳 ルカ 12:51

12:51 あなた達は、地上に平和をもたらすためにわたしが来たと思うのか。そうではない、わたしは言う、平和どころか、内輪割れ以外の何ものでもない

 

M−6)塚本訳 エペ 6:12

6:12 私達の戦いは(この世の)血肉に対するものでなく、「権威」に対するもの、「権力」に対するもの、この暗の世界の主権者(なる悪魔)に対するもの、天上における悪霊(の軍勢)に対するものであるからである。

 

塚本訳 ルカ 2:15

2:15 天使たちが彼らをはなれて天に去ると、羊飼たちは互に言った、「さあ、ベツレヘムに行って、主が知らせてくださった出来事を見てこよう。」

●天使は目的を達すると去った。イエスは人間がご自分の復活に接するとすぐ姿を消したのと似ている。

 

N−1)塚本訳 ルカ 24:31-32

24:31 (その時)二人の目が開けて、その方とはっきりわかった。すると(また)その姿が見えなくなった。

24:32 二人は語り合うのであった、「(そう言えば、)道々わたし達に話をされたり、聖書を説き明かされたりした時に、胸の中が熱くなったではないか」と。

 

塚本訳 ルカ 2:16

2:16 そして急いで行って、マリヤとヨセフと、飼葉桶に寝ているみどり児とをさがし出した。

●本当に尊いものは世の人には知られない。「まさか」と思うところにある。

 

O−1)塚本訳 ピリ 2:6-8

2:6 彼は(先には)神の姿であり給うたが、神と等しくあることを棄て難いことと思わず、

2:7 かえって自分を空しうして人と同じ形になり、奴隷の姿を取り給うたのである。そして人の様で現れた彼は、

2:8 自ら謙り、死に至るまで、(然り、)十字架の死に至るまで(父なる神に)従順であり給うた。

 

O−2)塚本訳 ルカ 16:15

16:15 そこで彼らに言われた、「あなた達は人の前では信心深そうな顔をしているが、神はあなた達の心を見抜いておられる。人の中で尊ばれるものは、神の前では嫌われるものである。

 

O−3)塚本訳 マタ 7: 14

7:14 命にいたる門はなんと狭く、道は細く、それを見つける者の少ないことであろう!

 

塚本訳 ルカ 2:17

2:17 彼らはそれを見ると、幼児について(天使に)告げられたことを(人々)に知らせた。

●神の不思議を告げられた人は、理屈抜きにそれを人に知らせようと行動する。

 

P−1)塚本訳 マタ 28:8-10

28:8 女たちは恐ろしいが、また嬉しくてたまらず、(中には入らずに)急いで墓を立ち去り、弟子たちに知らせるために走っていった

 

塚本訳 ルカ 2:18

2:18 聞く者は皆羊飼たちの話を不思議に思った。

●信仰に生きる者には「不思議」がつきもの。有体的復活を信じる人は「不思議人間」。それは神が釣り上げる小数の残りの者。

 

Q−1)塚本訳 ルカ 5:25-26

5:25 すると彼は即座に人々の目の前で立ち上がり、床をかついで、神を讃美しながら家にかえって行った。

5:26 皆が感動して神を讃美し、恐れに満たされて、「きょうは不思議なことを見た」と言った。

 

塚本訳 ルカ 2:19

2:19 しかしマリヤはこのことを皆胸にひめて、一人でじっと考えていた。

●信仰の篤い人はこの世の出来事の背後には常に「神の業」を感じる。

 

R−1)塚本訳 ヘブ 11:3

11:3 まず、)信仰によって、わたし達はこの世界が神の言葉で造られたことを知る。すなわち、見えるものは、現われぬものからできているのである。

 

R−2)塚本訳 ルカ 2:49-51

2:49 彼らに答えられた、「なぜおさがしになったのです。わたしが(天の)お父さまの家に居るのは当り前でしょう。御存知なかったのですか。」

2:50 両親にはこう言われた言葉(の意味)がわからなかった。

2:51 それからイエスは一しょに(エルサレムから)下ってナザレに帰り、両親につかえられた。母(マリヤ)はこのことを皆胸に秘めていた。

 

塚本訳 ルカ 2:20

2:20 羊飼たちは、聞いたり見たりしたことがことごとく(天使の)話のとおりであったので、神を崇め、讃美しながら引き返した。

●神を信じるのに徴や証拠を求めるのは、自分の大脳皮質を信じるからである。しかし神は信じ易いようにすいに証拠を見せて下さる。人は体験して信じる。

 

S−1)塚本訳 ヨハ 4:48-53

4:48 イエスは言われた、「あなた達は徴[奇蹟]と不思議なことを見なければ、決して信じない。

 

S−2)塚本訳 ルカ 16:30-31

16:30 彼が言った、『いいえ、父アブラハムよ、もしだれかが死人の中から行ってやれば、きっと悔改めます。』

16:31 しかしアブラハムは答えた、『モーセと預言書との教えに従わないようでは、たとえ死人の中から生き返る者があっても、その言うことを聞かないであろう。』

 

S−3)塚本訳 ヨハ 11:43-46

11:43 こう言ったのち、大声で、「ラザロ、出て来い」と叫ばれた

11:44 死人が手足を包帯で巻かれたまま、(墓から)出てきた。顔は手拭で包まれていた。イエスは「解いてやって(家に)帰らせなさい」と人々に言われた。

11:45 すると、マリヤの所に来てイエスのされたことを見たユダヤ人のうち、多くの者は彼を信じた。

11:46 しかし中には(彼を信ぜず、)パリサイ人の所に行って、イエスのされたことをあれこれと報告した者もすこしあった。

 

S−4)塚本訳 ヨハ 3:3

3:3 イエスが答えて言われた、「アーメン、アーメン、わたしは言う、(徴を見て信じたのではいけない。)人は新しく生まれなおさなければ、神の国にはいることは出来ない。

 

S−5)塚本訳 ヨハ 4:52-53

4:52 そこで僕たちに良くなった時間をたずねると、「きのう午後一時に熱が取れた」とこたえた。

4:53 父は、それが「息子さんはなおった」とイエスが言われた時間であることを知り、彼はもちろん、全家族が信じた。

 

S−7)塚本訳 ヨハ 20:8-9

20:8 すると先に墓に着いたもう一人の弟子も入ってきて、見て、信じた。

20:9 イエスは死人の中から復活されねばならないという聖書の言葉が、(この時まで)まだ彼らにわかっていなかったのである。

 

S−8)塚本訳 ヨハ 20:27-28

20:27 それから(すぐ)トマスに言われる、「指をここに持ってきて、わたしの手(の釘の跡)をよく見てごらん。手を持ってきて、わたしの脇腹に差し込んでみなさい。不信仰をやめて、信ずる者らしくしなさい。」

20:28 トマスがイエスに答えて言った、「わたしの主よ!わたしの神よ!」

 

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