聖書で聖書を読む
災害と苦難の聖書的意味
2016年5月29日 東京聖書読者会 高橋照男
@楽園からの追放・・・創世記の著者により表現された人間の罪の本質
A神の怒りとしての災害・・・人類の絶滅計画
B永遠の命を失った人間の嘆き悲しみ・・・短い人生の淋しさ
C神の子の受難による罪の赦し・・・新しく開かれた救いの道
D肉体と霊魂の滅亡(永遠の死)からの救い・・・復活と永遠の命
E信者が負わされる十字架の苦しみ・・・宿命の生涯
F震災をどう考えるか・・・罪に気づき震われない国を求めるようになるため
G死は「永遠の命の喜び」への門・・・有体的復活を信じて十字架にすがれ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
@楽園からの追放・・・創世記の著者により表現された人間の罪の本質
@−1)口語訳 創 1:31
1:31 神が造ったすべての物を見られたところ、それは、はなはだ良かった。夕となり、また朝となった。第六日である。
@−2)口語訳 創 3:17
3:17 更に人に言われた、「あなたが妻の言葉を聞いて、食べるなと、わたしが命じた木から取って食べたので、/地はあなたのためにのろわれ、/あなたは一生、苦しんで地から食物を取る。
@−3)口語訳 創 3:22-23
3:22 主なる神は言われた、「見よ、人はわれわれのひとりのようになり、善悪を知るものとなった。彼は手を伸べ、命の木からも取って食べ、永久に生きるかも知れない」。
3:23 そこで主なる神は彼をエデンの園から追い出して、人が造られたその土を耕させられた。
A神の怒りとしての災害・・・人類の絶滅計画
A−1)新共同 創 6:5-7
6:5 主は、地上に人の悪が増し、常に悪いことばかりを心に思い計っているのを御覧になって、
6:6 地上に人を造ったことを後悔し、心を痛められた。
6:7 主は言われた。「わたしは人を創造したが、これを地上からぬぐい去ろう。人だけでなく、家畜も這うものも空の鳥も。わたしはこれらを造ったことを後悔する。」
A−2)新共同 創 6:17
6:17 見よ、わたしは地上に洪水をもたらし、命の霊をもつ、すべて肉なるものを天の下から滅ぼす。地上のすべてのものは息絶える。
B永遠の命を失った人間の嘆き悲しみ・・・短い人生の淋しさ
B−1)新共同 詩 90:10
90:10 人生の年月は七十年程のものです。健やかな人が八十年を数えても/得るところは労苦と災いにすぎません。瞬く間に時は過ぎ、わたしたちは飛び去ります。
B−2)新共同 詩 90:15
90:15 あなたがわたしたちを苦しめられた日々と/苦難に遭わされた年月を思って/わたしたちに喜びを返してください。
B−3)口語訳 詩 90:7-9
90:7 われらはあなたの怒りによって消えうせ、あなたの憤りによって滅び去るのです。
90:8 あなたはわれらの不義をみ前におき、われらの隠れた罪をみ顔の光のなかにおかれました。
90:9 われらのすべての日は、あなたの怒りによって過ぎ去り、われらの年の尽きるのは、ひと息のようです。
B−4)新共同 伝 1:2-3
1:2 コヘレトは言う。なんという空しさ/なんという空しさ、すべては空しい。
1:3 太陽の下、人は労苦するが/すべての労苦も何になろう。
B−5)口語訳 伝 3:2
3:2 生るるに時があり、死ぬるに時があり、植えるに時があり、植えたものを抜くに時があり、
B−6)新共同 伝 12:1
12:1 青春の日々にこそ、お前の創造主に心を留めよ。苦しみの日々が来ないうちに。「年を重ねることに喜びはない」と/言う年齢にならないうちに。
C神の子の受難による罪の赦し・・・新しく開かれた救いの道
C−1)塚本訳 ルカ 22:42
22:42 言われた、「お父様、お心ならば、どうかこの杯をわたしに差さないでください。しかし、わたしの願いでなく、お心が成りますように!」
C−2)塚本訳 ヨハ 12:24
12:24 アーメン、アーメン、わたしは言う、一粒の麦は、地に落ちて死なねば、いつまでもただの一粒である。しかし死ねば、多くの実を結ぶ。(だからわたしは命をすてる。)
C−3)塚本訳 使 13:37-39 13:37 神が復活させられたイエスは、朽ち果てられなかった。 13:38 だから兄弟の方々、このイエスによる罪の赦しがいまあなた達に宣べ伝えられていることを、知ってください。モーセ律法では義とされることが出来なかったどんなことからでも、 13:39 信ずる者は一人のこらず、このイエスによって義とされるのです。
C−4)塚本訳 ロマ 5:8
5:8 しかしわたし達が(義人でも善人でもなく、)まだ罪人(神の敵)であったとき、キリストが私たちのために死んでくださった。このことによって、神はわたし達に対する愛をお示しになったのである。
C−5)塚本訳 ガラ 1:4
1:4 キリストはわたし達の父なる神の御心にしたがい、わたし達を悪い現在の世から救いだそうとして、わたし達の罪のために自分を与え(て十字架につけ)られたのである。
D肉体と霊魂の滅亡(永遠の死)からの救い・・・復活と永遠の命
D−1)塚本訳 黙 2:11 2:11 耳を有っている者は、御霊が(全)教会に言い給うことの何であるかを聴け。勝利者は決して第二の死、(永遠の死)に害なわれないであろう。
D−2)塚本訳 ヨハ 3:16-17
3:16 そのゆえは、神はその独り子を賜わったほどにこの世を愛されたのである。これはその独り子を信ずる者が一人も滅びず、永遠の命を持つことができるためである。
3:17 神は世を罰するためにその子を世に遣わされたのではなく、子によって世を救うためである。
D−3)塚本訳 Tヨハ4:10
4:10 わたし達が神を愛したことではなく、彼がわたし達を愛し、その子をわたし達の罪のための宥め(の供物)として遣わされたそのことに、愛があるのである。
D−4)塚本訳 ロマ 8:20-21
8:20 なぜであるか。創造物は自分から(今のような)はかない運命に屈伏したのでなく、それは屈伏させたお方([神]の御心)によるからである。(彼らはアダムの罪の責任を負わされたのである。)しかし(この屈伏には)望みがある。
8:21 創造物自身も、滅亡の奴隷になっている(現在の)状態から自由にされて、神の子供たちがうける栄光と自由とにあずかるのだから。
D−5)塚本訳 ロマ
8:38-39
8:38 なぜなら、わたしは確信している、死でも命でも、天使でも支配(天使)でも、現在起こっていることでも将来起こることでも、権力(天使)でも、
8:39 高い所のものでも低い所のものでも、その他どんな創造物でも、わたし達の主キリスト・イエスによる神の愛から、わたし達を引き離すことはできない。
D−6)塚本訳 ヨハ 8:51 8:51 アーメン、アーメン、わたしは言う、わたしの言葉を守る者は(わたしに名誉を帰する者で、決して裁かれない。だから)永遠に死なない。」
D−7)塚本訳 Tコリ15:42-44
15:42 死人の復活もこのようである。(一つの体が死んで別の体が生まれる。)死滅の姿でまかれて不滅の姿に復活する。
15:43 恥辱の姿でまかれて栄光の姿に復活する。弱さの姿でまかれて力の姿に復活する。
15:44 (神の霊を持たない)魂だけの体がまかれて霊の体が復活する。魂だけの体がある以上は霊の体もあるわけである。
E信者が負わされる十字架の苦しみ・・・宿命の生涯
E−1)塚本訳 ルカ 9:23 9:23 それから今度は皆に話された、「だれでも、わたしについて来ようと思う者は、(まず)己れをすてて、毎日自分の十字架を負い、それからわたしに従え。
E−2)塚本訳 マコ 10:29-30 10:29 イエスは言われた、「アーメン、あなた達に言う、わたしのため、また福音のために、家や兄弟や姉妹や母や父や子や畑をすてた者で、 10:30 今、この世で──迫害のうちにおいてではあるが──百倍の家と兄弟と姉妹と母と子と畑とを、また来るべき世では永遠の命を受けない者は一人もない。
E−4)塚本訳 ピリ 1:29
1:29 君達はキリストのために──ただ彼を信ずるばかりでなく、また彼のために苦しむことをも恵まれたからである。
E−5)塚本訳 ロマ 8:23
8:23 しかし(苦しんでいるのは)創造物だけではない。わたし達自身も、(神の子にされた証拠として)御霊なる初穂を持っているので、このわたし達自身も、自分(のみじめな姿)をかえりみて、呻きながら、(正式に神の)子にされること、すなわちわたし達のこの(罪の)体があがなわれ(て、朽ちることのない栄光の体にされ)ることを、待っているのである。
F震災をどう考えるか・・・罪に気づき震われない国を求めるようになるため
F−1)新共同 申 32:11-12
32:11 鷲が巣を揺り動かし/雛の上を飛びかけり/羽を広げて捕らえ/翼に乗せて運ぶように 32:12 ただ主のみ、その民を導き/外国の神は彼と共にいなかった。
F−2)塚本訳 ヘブ 12:27-28
12:27 しかし、この『もう一度』とは、造られたものとして、震われるものの変更されることを意味する。これは震われることのないものが(永遠に)のこるためである。
12:28 だからわたし達は(永遠に)揺り動かぬ国を授かったのだから、(神に)感謝しようではないか、それによって敬虔と畏怖とをもって、お気に入るように神を礼拝しようではないか。
F−3)塚本訳 ルカ 13:4-5
13:4 またシロアムの(池の)近くの櫓が倒れて(下敷になって)死んだあの十八人は、(当時)エルサレムに住んでいた(ほかの)すべての人よりも罪人だったと思うのか。
13:5 そうではない。わたしは言う、あなた達も悔改めなければ、皆同様に滅びるであろう。」
F−4)塚本訳 Tペテ4:17
4:17 審判が神の家『から始まる』時(は既に近づいているの)だから。しかしもし(審判が)まず(神の家すなわちキリストを信ずる)私達から(始まる)とすれば、神の福音に従わぬ者の最後はどうであろう!
F−5)塚本訳 マタ 24:38-39
24:38 すなわち洪水の前のあのころ、『ノアが箱船に入った』日まで、人々は飲んだり食ったり、嫁にやったり取ったりしていて、 24:39 洪水が来て一人のこらずさらってゆくまで、それに気づかなかった。人の子の来臨もこのようである。
F−6)塚本訳 Uコリ7:10
7:10 なぜなら、神の御心に沿った悲しみは、(人を)救いに入れる悔いのない悔改めをもたらすけれども、この世(的)の悲しみは、(絶望と)死をもたらすからである。
F−7)塚本訳 ロマ 8:28
8:28 そればかりではない。(わたし達の救いは次のことからも確かである。)わたし達が知っているように、神を愛する者、すなわち(神の)計画に応じて召された者には、すべてのことが救いに役立つのである。
F−8)塚本訳 Uペテ3:9
3:9 主は或る人達が遅いと考えているように約束を果たし給うのが遅いのでは(決して)ない。ただ何人の亡びることをも欲せず、凡ての者が悔い改めに到ることを欲して、君達に対し寛大であり給うのである。
G死は「永遠の命の喜び」への門・・・有体的復活を信じて十字架にすがれ
G−1)4月10日。拙HP「イエスの復活を信じられるようになった理由」をスマホで見ている方。「安らかに死にたい」と「有体的復活」を確かめに面会に来られた千葉のタさん。63才。
G−1−1)塚本訳 Tコリ15:3-5 15:3 まえにわたしが(福音の)一番大切な事としてあなた達に伝えたのは、 わたし自身(エルサレム集会から)受けついだのであるが、キリストが聖書(の預言)どおりにわたし達の罪のために死なれたこと、
15:4 葬られたこと、聖書どおりに三日目に復活しておられること、 15:5 またケパに、それから十二人(の弟子)に、御自分を現わされたことである。
G−1−2)塚本訳 ロマ 9:27
9:27 (預言者)イザヤもイスラエル人について叫んでいる。『たとえ イ スラエル[ヤコブ]の子孫の数は海の砂のように(多数)であろうとも、(信ずる小数の)残りの者(だけ)が救われる。
G−2)4月11日。臨終の際。令弟の「天国で会おう」との呼びかけに弱った拳を天井に突き上げて凱旋ポーズをとった神奈川のオさん。59才
G−2−1)文語訳 詩篇84:10
84:11 なんぢの大庭にすまふ一日は千日にもまされり われ惡の幕屋にをらんよりは
寧ろわが神のいへの門守とならんことを欲ふなり
G−3)4月23日。晩年になって全盲、難聴。寝たきりでも「ナンノコレシキ」と顔が輝いていたあきる野市のホさんの逝去。93才
G−3−1)塚本訳 ロマ 8:18
8:18 (しかもこの苦しみは恐れることはない。)なぜなら、わたしは こ う考える。今の世の苦しみは、わたし達に現われようとしている栄光(──キリストと一しょに神の国の相続人になる最後の日の大いなる光栄──)にくらべれば、言うに足りない。
G−4)4月29日。人工透析でだるくてつらい。今年持ちこたえられるか分からないので身辺整理をしている山形のハさん83才。夫人は認知症。
G−4−1)塚本訳 黙 5:4-5
5:3 しかし、天にも地にも地の下にも、誰一人(として)その巻き物を開いて、それ(に書いてあること)を見ることの出来る者が無かった。
5:4 私はさめざめと泣いた。(広いこの宇宙に、)その巻き物を開いて それを見るに相応しい者が一人も無かったのである。
5:5 すると(かの)長老の一人が私に言う、「泣くな。視よ、ユダ族の獅子、ダビデの根(である者)が(既に)勝った(から)、彼がその巻き物と七つの封印とを開く(ことが出来る。)」
G−4−2)塚本訳 ヨハ 11:25-26
11:25 イエスがマルタに言われた、「わたしが復活だ、命だ。(だから)私を信じている者は、死んでも生きている。
11:26 また、だれでも生きている私を信じている者は、永遠に死なない。このことが信じられるか。」
G−4−3)塚本訳 マタ 6:27-34
6:27 (だいいち、)あなた達のうちのだれが、心配して寿命を一寸でも 延ばすことが出来るのか。
6:28 また、なぜ着物のことを心配するのか、野の花の育つのを、よく見てごらん、苦労をせず、紡ぐこともしない。
6:29 しかし、わたしは言う、栄華を極めたソロモン(王)でさえも、この花の一つほどに着飾ってはいなかった。
6:30 きょうは花咲き、あすは炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこんなに装ってくださるからには、ましてあなた達はなおさらのことではないか。信仰の小さい人たちよ!・・・・・(中略)・・・・・
6:34 だから、あしたのことを心配するな。あしたはあしたが自分で心配する。一日の苦労はその日の分で沢山である。
G−5)5月7日。医療刑務所(八王子)の実態を初のTV報道。泣かれず惜しまれず誰にも看取られずにこの世に消えた無期懲役囚の死。神にのみ受け入れられた成功の人生に栄光あれ!。死は永遠の命の始まり。
G−5−1)塚本訳 ルカ 23:41-43
23:42 それから(イエスに)言った、「イエス様、こんどあなたのお国と共にお出でになる時には、どうかわたしのことを思い出してください。
23:43 「イエスが言われた、「アーメン、わたしは言う、(その時を待たずとも、)あなたはきょう、わたしと一しょに極楽(パラダイス)にはいることができる。
G−5−2)塚本訳 ヨハ 5:24
5:24 アーメン、アーメン、わたしは言う、わたしの言葉を聞き、わたしを遣わされた方を信ずる者は、(今すでに)永遠の命を持っていて、(最後の日に)罰を受けない。その人はもはや死から命に移っているのである。
G−5−3)塚本訳 黙 14:13a
14:13a また私は天から声が(こう)言うのを聞いた、「書け、『今から後主にあって死ぬる死人は幸福である。』」
G−5−4)塚本訳 ルカ 12:2
12:2 覆われているものであらわされないものはなく、隠れているもので(人に)知られないものはない。
G−5−5)塚本訳 Uテモ2:9
2:9 私はこの(福音の)ため罪人として縛られるまでに苦しみを受けているが、神の言は縛られてはいない。