さかなのえ ΙΧΘΥΣ

聖書で聖書を読む 

割礼と初詣(ルカ2:21−39)

・・・シメオンの預言とアンナの感謝・・・

 

2016年6月5日 東京聖書読者会 高橋照男

塚本訳 ルカ 2:21

2:21 八日過ぎて割礼の日が来ると、人々は、胎内に宿る前に天使からつけられたイエスという名を、幼児につけた。

●「胎内に宿る前」に名前がつけられたといううのは、イエスの誕生は全人類救済のための神による御計画であったというルカの信仰告白。

 

21-@)塚本訳 マタ 1:20-22

1:20 しかし(なおも)そのことを思案していると、主の使いが夢でヨセフに現われて言った、「ダビデの末なるヨセフよ、心配せずにあなたの妻マリヤを(家に)迎えよ。胎内にやどっている者は、聖霊によるのである

1:21 男の子が生まれるから、その名をイエス(訳すると、神はお救いになる)とつけよ。この方がその民を罪からお救いになるのだから。」

1:22 これはみな、主が預言者(イザヤ)をもって言われた言葉が成就するためにおこったのである。──

 

塚本訳 ルカ 2:22

2:22 両親はモーセ律法による彼らの『清めの日(四十日)が過ぎる』と、幼児をつれてエルサレムに上った。

●誕生物語は、ルカの信仰告白。神の子は人の姿になってこの世に降った。

 

22−@)塚本訳 ガラ 4:4-5

4:4 しかし(定められた)時が満ちると、神はその御子を女から生まれさせ、律法の下に置いて、(この世に)お遣わしになった。

4:5 これは律法の下に(奴隷になって)いる者を贖い出して、わたし達に子たる身分を受けさせるためである。

 

塚本訳 ルカ 2:23

2:23 これは主の律法に、『はじめて生まれた男の子は皆主に聖別しなければならない』と書いてあるとおりに、これを主に捧げるため、

●「はじめてのもの」は神に捧げる。律法遵守。イエスはこの世に誕生された。

 

23−@)口語訳 出  13:12

13:12 あなたは、すべて初めに胎を開いた者、およびあなたの家畜の産むういごは、ことごとく主にささげなければならない。すなわち、それらの男性のものは主に帰せしめなければならない。

 

塚本訳 ルカ 2:24

2:24 また(母親の清めについて)主の律法に、『山鳩一番か雛鳩二羽(を捧げねばならない)』とある規定によって、犠牲を供えるためであった。

●罪の償いには死が必要であることはどんな民族にも分かる概念。ヨセフの家は貧しかったので小羊ではなく、捧げものは鳩であった。貧しき祈りであった。

 

24−@)口語訳 レビ 12:6-8

12:6 男の子または女の子についての清めの日が満ちるとき、女は燔祭のために一歳の小羊、罪祭のために家ばとのひな、あるいは山ばとを、会見の幕屋の入口の、祭司のもとに、携えてこなければならない。

12:7 祭司はこれを主の前にささげて、その女のために、あがないをしなければならない。こうして女はその出血の汚れが清まるであろう。これは男の子または女の子を産んだ女のためのおきてである。

12:8 もしその女が小羊に手の届かないときは、山ばと二羽か、家ばとのひな二羽かを取って、一つを燔祭、一つを罪祭とし、祭司はその女のために、あがないをしなければならない。こうして女は清まるであろう』」。

 

24-A)塚本訳 ロマ 4:25

4:25 このイエスこそ、わたし達の過ちのために死に引き渡され、またわたし達を義とするために復活された方である。

 

塚本訳 ルカ 2:25

2:25 さて(そのころ)エルサレムに名をシメオンという人がいた。この人は正しい、信心深い人で、イスラエルの慰め(である救世主)を待ち望み、聖霊が彼をはなれなかった。

●ルカの賛歌。救い主を待ち望む心。イスラエルの慰めとは救い主の誕生。

 

25−@)口語訳 イザ 40:1-2

40:1 あなたがたの神は言われる、「慰めよ、わが民を慰めよ、

40:2 ねんごろにエルサレムに語り、これに呼ばわれ、その服役の期は終り、そのとがはすでにゆるされ、そのもろもろの罪のために二倍の刑罰を/主の手から受けた」。

 

塚本訳 ルカ 2:26

2:26 かつ主の救世主を見ないうちは決して死なないと、かねて聖霊からお告げを受けていた。

●初代教会もルカもこのイエスこそ待ち望んでいた救世主であると信じた。

 

26−@)塚本訳 使  17:3

17:3 すなわち救世主は苦しみを受けて(十字架の上に死に、)死人の中から復活せねばならなかったこと、また、「わたしがあなた達に宣べ伝えているイエス、この人こそ救世主である」と説き明かし、論証した。

 

塚本訳 ルカ 2:27

2:27 (この日)御霊に感じて宮に行くと、ちょうど両親が、律法の仕来りどおり幼児イエスに行おうとして彼をつれて入ってきたので、

●神の国の秘密は、御霊によって人に示され、人はその御霊に導かれる。

 

27−@)塚本訳 ルカ 10:21

10:21 この時イエスは聖霊にみたされ、感激にあふれて言われた、「天地の主なるお父様、(神の国の秘密に関する)これらのことを(この世の)賢い人、知恵者に隠して、幼児(のような人たち)にあらわされたことを、讃美いたします。ほんとうに、お父様、そうなるのがあなたの御心でした。

 

塚本訳 ルカ 2:28

2:28 シメオンは幼児を両腕に抱き、こう言って神を讃美した。──

●この幼児こそ救い主だと直感したシメオンは聖霊に満たされた不思議な人。

 

28−@)塚本訳 ルカ 3:16

3:16 ヨハネがみんなに言った、「わたしは水で洗礼を授けているが、わたしよりも力のある方が(あとから)来られる。わたしはその方の靴の紐をとく値打もない者である。その方は聖霊と(裁きの)火とで洗礼をお授けになる。

 

塚本訳 ルカ 2:29

2:29 今こそ、主よ、あなたはこの僕をしてお言葉のとおり安らかに(この世に)暇乞いをさせてくださいます、

●主の約束の言葉を信じ、とりなしの祈りを捧げつつ安らかにこの世を去る。

 

29−@)塚本訳 ルカ 2:26

2:26 かつ主の救世主を見ないうちは決して死なないと、かねて聖霊からお告げを受けていた

 

29-A)塚本訳 ルカ 23:33-34

23:33 髑髏という所に着くと、(兵卒らは)そこでイエスを十字架につけた。また罪人も、一人を右に、一人を左に(十字架につけた)。

23:34 するとイエスは言われた、「お父様、あの人たちを赦してやってください、何をしているか知らずにいるのです。」『彼らは籤を引いて、』イエスの『着物を自分たちで分けた。』

 

29-B)塚本訳 ルカ 23:46-47

23:46 その時イエスは大声をあげて言われた、「お父様、『わたしの霊をあなたにおあずけします。』」こう言われるとともに、息が絶えた。

23:47 百卒長はこの出来事を見て、「この方はほんとうに正しい人であった」と言って神を讃美した。

 

29-C)塚本訳 使  7:59-60

7:59 ステパノは打ち殺されながら、イエスの名を呼んで、「主イエス様、わたしの霊をお受けください」と祈り

7:60 それからひざまずいて、大声で叫んだ、「主よ、どうぞこの罪をこの人たちに負わせないでください!」こう言って、彼は眠りについた。

 

29-D)塚本訳 黙  14:13

14:13 また私は天から声が(こう)言うのを聞いた、「書け、『今から後主にあって死ぬる死人は幸福である。』」御霊も言い給う、「然り、彼らはその労苦を休息む(ことが出来る)であろう。その(為した)業が彼らに随いて行くのであるから!」と。

 

塚本訳 ルカ 2:30

2:30 わたしの目が『もうあなたの救いを拝見しました』からです。

●救いを五感で感じられるのは恩恵。神の子は人の姿をとってこの世に降った。

 

30−@)塚本訳 マタ 13:16-17

13:16 だが、あなた達の目は見、耳は聞くから幸いである

13:17 アーメン、わたしは言う、多くの預言者と義人とは、あなた達が(いま)見ているものを見たい見たいと思ったが見られず、あなた達が(いま)聞いているものを聞きたい聞きたいと思ったが、聞かれなかったのである。

 

塚本訳 ルカ 2:31

2:31 この救いこそ、あなたが『全人類の(ため、その)目の前で』用意されたもの、

●救いは神に用意されたもの。目に見えるもの。有体的復活は歴史内のこと

 

塚本訳 Tコリ15:3-5

15:3 まえにわたしが(福音の)一番大切な事としてあなた達に伝えたのは、わたし自身(エルサレム集会から)受けついだのであるが、キリストが聖書(の預言)どおりにわたし達の罪のために死なれたこと、

15:4 葬られたこと、聖書どおりに三日目に復活しておられること、

15:5 またケパに、それから十二人(の弟子)に、御自分を現わされたことである。

 

塚本訳 ルカ 2:32

2:32 『異教人には啓示を、』あなたの民『イスラエルには栄光をあたえる』『光』であります。

●キリストは「世の光」。

 

32−@)塚本訳 使  26:23

26:23 すなわち、救世主は死なねばならないこと、彼は死人の中から最初に復活して、(イスラエルの)民にも異教人にも光を伝えねばならないことを…」

 

塚本訳 ルカ 2:33

2:33 幼児のことをこのように言うのを父と母とが不思議に思っていると、

●信仰の世界には「不思議」がつきもの。救いは意外なことを通して起こる。

 

33−@)塚本訳 マタ 21:42

21:42 イエスは彼らに言われた、「あなた達は聖書で(この句を)まだ読んだことがないのか。──『大工たちが(役に立たぬと)捨てた石、それが隅の土台石になった。これは主のなされたことで、われわれの目には不思議である。』

 

塚本訳 ルカ 2:34

2:34 シメオンは両親を祝福し、母マリヤに言った、「驚きなさるなよ、この幼児はイスラエルの多くの人を、(この方に対する態度によって)倒されたり立たせたりする、また、一つの目印となって(この世の烈しい)反対をうける、使命を負わされているのです。──

●祝福と同時に苦難の預言。キリスト信者は「この世的幸福」や日本人が求める「儒教的幸福」や「家庭の幸福」は得られなくてよい。それが宿命。

 

34-@)塚本訳 マタ 10:34-37

10:34 地上に平和をもたらすためにわたしが来た、などと考えてはならない。平和ではない、剣を、(戦いを)もたらすために来たのである。

10:35 わたしは子を『その父と、娘を母と、嫁を姑と』仲違いさせるために来たのだから。

10:36 家族が自分の敵となろう。』

 

34-A)塚本訳 ルカ 9:22-23

9:22 そして、「人の子(わたし)は多くの苦しみをうけ、長老、大祭司連、聖書学者たちから排斥され、殺され、そして三日目に復活せねばならない。(神はこうお決めになっている)」と言われた。

9:23 それから今度は皆に話された、「だれでも、わたしについて来ようと思う者は、(まず)己れをすてて、毎日自分の十字架を負い、それからわたしに従え。

 

34-B)塚本訳 使  14:22

14:22 (道々主の)弟子たちの心を力づけ、いつまでも信仰に留まっているように、「神の国に入るには、わたし達は多くの苦難を通らねばならない」といましめた。

 

34-C)塚本訳 ピリ 1:29

1:29 君達はキリストのために──ただ彼を信ずるばかりでなく、また彼のために苦しむことをも恵まれたからである。

 

塚本訳 ルカ 2:35

2:35 (母人よ、)あなたも劔で胸を刺しつらぬかれ(る苦しみをせ)ねばなりますまい。──これは多くの人の心の(隠れた)考えを外に出させるためなのです。」

●ルカの信仰。キリスト信者は肉なるものとの分離の悲劇がある。最大の悩みは肉親との亀裂。「多くの人の心の(隠れた)考え」とはこの世の一般常識

 

35-@)塚本訳 マタ 12:48-49

12:48 しかしイエスはそのことを知らせた者に、「わたしの母とはだれのことだ、わたしの兄弟とはだれのことだ」と答えて、

12:49 弟子たちの上に手をのばして言われた、「ここにいるのが、わたしの母、わたしの兄弟だ。

 

35-A)塚本訳 マコ 3:21

3:21 身内の者たちが(イエスの様子を)聞いて(ナザレからカペナウムへ)取りおさえに出てきた。「気が狂っている」と思ったのである。

 

35-B)塚本訳 マタ 10:21-22

10:21 また兄弟は兄弟を、父は子を、殺すために(裁判所に)引き渡し、『子は親にさからい立って』これを殺すであろう。

10:22 あなた達はわたしの弟子であるために皆から憎まれる。しかし最後まで耐え忍ぶ者は救われる。

 

塚本訳 ルカ 2:36

2:36 また、アセル族のパヌエルの娘に、アンナという女預言者があった。非常に年を取っていて、娘時代の後、七年の結婚生活をおくり、

●神は「寡婦」に対する思い入れが多い。

 

36-@)塚本訳 ルカ 7:12-14

7:12 町の門の近くに来られると、ちょうど、ある独り息子が死んで、(棺が)舁き出されるところであった。母は寡婦(やもめ)であった。町の人が大勢その母に付添っていた。

7:13 主は母を見て不憫に思い、「そんなに泣くでない」と言って、

7:14 近寄って棺に手をかけ──担いでいる者は立ち止まった──「若者よ、あなたに言う、起きよ!」と言われた。

 

塚本訳 ルカ 2:37

2:37 (その後)八十四歳(の今日)まで寡婦ぐらしをしていた。(片時も)宮を離れず、夜も昼も断食と祈りとをもって(神に)奉仕していたが、

●ひたすら主に仕えている「幸福な寡婦(やもめ)」。安らかな老後。

 

37-@)塚本訳 Tコリ7:29-31

7:29 兄弟たちよ、わたしが言うのはこのことである。──時は迫った。(だから)今から後は、妻を持つ者は持っていない者のように、

7:30 泣いている者は泣いていない者のように、喜んでいる者は喜んでいない者のように、(物を)買う者は(何も)持っていない者のように、

7:31 (つまり、)この世と交渉のある者は交渉がない者のように、しなくてはいけない。この世の姿は(じきに)消え去るのだから。

 

37-A)塚本訳 Tコリ7:34

7:34 心が割れるのである。また独身の女と処女とは、身も霊もきよくあろうとして、主のこと(ばかり)に気をつかうが、結婚している女は、どうしたら夫に喜ばれるかと、この世のことに気をつかうのである。

 

塚本訳 ルカ 2:38

2:38 (シメオンが預言している)ちょうどその時、近寄ってきて(幼児について)神に感謝をささげ、またエルサレムの人々のあがないを待ち望むみんなの人に、この幼児のことを話した。

●世のあがないを待ち望む人は神に祝福された人

 

38-@)塚本訳 マコ 15:43

15:43 名望の高い最高法院の議員であるアリマタヤ生まれのヨセフが来て、臆することなくピラトの所に行き、イエスの体(の下げ渡し)を乞うた。彼も神の国(の来るの)を待ち望んでいた一人であった。

 

38-A)塚本訳 ルカ 24:21

24:21 ほんとうにわたし達は、この方こそイスラエル(の民)をあがなってくださる人だと望みをかけていたのに!そればかりが、かてて加えて、そのことがあってから、きょうはもう三日目になったのです。(もはや生き返られる望みもありません。)

 

塚本訳 ルカ 2:39

2:39 両親は主の律法のさだめをすべて果すと、ガリラヤの自分の町ナザレに帰った。

●イエスは両親から宗教的感化を受けた。神は父のようなものだと言った。

 

39-@)塚本訳 ルカ 2:41-42

2:41 さてイエスの両親は、過越の祭には毎年エルサレムに行った

2:42 イエスが十二歳になった時、両親は(その)祭の習わしに従って、(彼を連れて都へ)上った

 

39-A)塚本訳 マタ 5:45

5:45 あなた達が天の父上の子であることを示すためである。父上は悪人の上にも善人の上にも日をのぼらせ、正しい人にも正しくない人にも、雨をお降らしになるのだから。

 

39-B)塚本訳 マタ 5:48                        5:48 だからあなた達は、天の父上が完全であられるように『完全になれ。』

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文語訳 ヨハ 11:25-26

11:25 イエス言ひ給ふ『我は復活(よみがへり)なり、生命(いのち)なり、我を信ずる者は死ぬとも生きん。

11:26 凡そ生きて我を信ずる者は、永遠(とこしへ)に死なざるべし。汝これを信ずるか

●復活とは、神に「起こされる」こと。終わりの日に無から有を生みだす神に、霊の体で有体的に復活させられる。その希望の安らぎは信ずる事で得られる。

 

25-26-@) 塚本訳 ルカ 7:14-15

7:14 近寄って棺に手をかけ──担いでいる者は立ち止まった──「若者よ、あなたに言う、起きよ!」と言われた。

7:15 すると死人が起き上がって物を言い出した。イエスは『彼を母に渡された。』

 

25-26-A)塚本訳 ヨハ 11:43-44

11:43 こう言ったのち、大声で、「ラザロ、出て来い」と叫ばれた

 

25-26-B) 塚本訳 ロマ 8:11

8:11 しかしイエスを死人の中から復活させたお方の御霊があなた達の中に住んでおられるなら、キリスト・イエスを死人の中から復活させたそのお方は、あなた達の中に住んでおられるその御霊によって、あなた達の死ぬべき体をも生かしてくださるであろう。

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