181006-2                       ΙΧΘΥΣ イクスス()    

イエ(イエス)、クリス(キリスト)、セ()、ヒュ()、ソ(救い主)

聖書で聖書を読む 

手なえ―― (ルカ6:6−11)

・・・幸福(さいはひ)なるかな、悲しむ者。その人は慰められん。・・・

 

2018年10月7日 東京聖書読者会 高橋照男

 

塚本訳 ルカ 6:6-11

6:6 またほかの安息日に、@礼拝堂に入って教えられた。するとそこに一人の人がいて、右手がなえていた。

6:7 聖書学者とパリサイ人たちが、イエスは安息日になおされるかどうかと、ひそかに様子をうかがっていた。訴え出る口実を見つけるためであった。

6:8 イエスは彼らの考えを知って、手のなえた男にA「立って真中(まんなか)に出てこい」と言われると、立ち上がって出てきた。

6:9 イエスが彼らに言われた、「尋ねるが、安息日には、善いことをするのと悪いことをするのと、命を救うのと、滅ぼすのと、どちらが正しいだろうか。」

6:10 そして一同を見まわして、その人に言われた、「手をのばせ。」その通りにすると、手が直った。

6:11 彼らはB狂わんばかりに怒って、イエスをどうしょうかと話し合った。

 

 

 

 

●旧約時代の礼拝堂・・・シナゴーグ(会堂)で行われていたこと

@礼拝堂・・・福音伝道の基地

@−1)塚本訳 ルカ 4:17-20

4:17 (係の者から)イザヤの預言書が手渡されその巻物をお開けになると、こう書いた所が出てきた。──

4:18 『主の御霊がわたしの上にある、油を注いで(聖別して)くださったからである。主は貧しい人に福音を伝えるためにわたしを遣わされた。囚人に赦免を、盲人に視力の回復を告げ、』『押えつけられている者に自由をあたえ、』

4:19 『主の恵みの年(の来たこと)を告げさせるために。』

4:20 イエスは(読み終ると、)聖書を巻き、係の者に返して坐られた。礼拝堂にいる者の目が皆彼にそそがれた。
4:21 イエスは、「(今)あなた達が聞いたこの
聖書の言葉は、今日(ここで)成就した」と言って話を始められた


@−2)塚本訳 マタ 4:23

4:23 それからガリラヤ中を回りながら、その礼拝堂で教え御国の福音を説き、また人々の中のありとあらゆる病気や煩いをなおされた。

 

@−3)塚本訳 ルカ 8:49

8:49 イエスがまだ話しておられるところに、礼拝堂監督の家からひとりの人が来て(監督に)言った、「お嬢さんはもうなくなりました。先生にこれ以上御迷惑をかけられないように。」


@−4)塚本訳 使  13:15

13:15 律法と預言書との朗読がすんだ後、礼拝堂監督たちは二人に言わせた、「兄弟の方々、人々へ何か奨励の言葉をお持ちの方は、話してください。

 

●新約時代の礼拝概念の変化・・・シナゴーグ(会堂)は福音の基地

@−5)塚本訳 ヨハ 4:24-26

4:24 神は霊である。だから礼拝者も霊と真理とをもって礼拝せねばならない

4:25 女が言う、「キリストと言われる救世主(メシヤ)が来ることは知っています。救世主(キリスト)が来れば、わたし達に何もかも知らせてくださるでしょう。」

4:26 イエスは言われる、「あなたと話しているわたしが、それだ


@−6)塚本訳 マタ 18:20

18:20 二人、三人、わたしの名によって集まっている所には、わたしがいつもその真中にいるのだから。」


@−7)塚本訳 ロマ 12:1

12:1 (このように、神は偉大な計画によって人類を一人のこらず救おうとしておられるのであって、救いは確かである。)だから、兄弟たちよ、わたしは神のこの慈悲を指してあなた達に勧める。あなた達の体を(感謝のしるしとして神に)捧げよ。この生きた聖なる犠牲こそ、神のお気に入るものであり、(霊なる神を拝むにふさわしい、)あなた達の霊的な礼拝である。(あなた達の礼拝は動物を供えるような不合理なものでなく、全心全霊をささげる合理的な礼拝でなければならならない)


@−8)塚本訳 Tペテ2:5

2:5 そして君達自身も(主と同じく)活きた石として建てられて、霊の家となれ。これは君達が聖い祭司として、イエス・キリストによって神の御意に適(かな)霊の供物(そなえもの)を献げるためである。


@−9)塚本訳 エペ 4:12

4:12 これは(キリストに対する)奉仕の務めを果たし得るよう聖徒達を準備し、かくしてキリストの体(なる教会)が建て上げられんためである。                                                     

@−7)塚本訳 コロ 1:24

1:24 今私は君達のために苦しむことを喜びとし、またキリスト・イエスの体なる教会のために私の体でキリストの患難の不足を補っている。



A「立って真中(まんなか)に出てこい」・・・神の招きの呼びかけ

●(生まれつきの不幸で神も人も人生も呪っている人に)                             A−1)塚本訳 ヨハ 9:1-3                      9:1 イエスは通りがかりに、生まれつきの盲人を見られた。(中略)                               9:7 言われた、「行って、シロアム池で洗いなさい。」(シロアムは訳すると「遣わされた者」。)そこで盲人は行って、洗って、見えるようになって、かえって行った。

A−2)塚本訳 マタ 20:30-34
20:32
イエスは立ち止まって、二人を呼んで言われた、「何をしてもらいたいのか。」
20:33
彼がこたえる、「主よ、目があくといい。」
20:34
イエスが不憫に思ってその目にさわられると、すぐ見えるようになって、イエスについて行った。                

●(長患いで悩んでいる人に)                        
A−3)塚本訳 ヨハ 5:5-9
5:5
するとそこに
三十八年病気の人がいた。
5:6
イエスはその人が横になっているのを見、すでに長い間わずらっていることを知ると、
「直りたいか」とたずねられた。(中略)
5:8
イエスが言われる、
「起きて担架をかついて、歩きなさい。」
5:9
するとその人はすぐ直って、担架をかついで歩きまわった。あいにくその日は安息日であった。                 

A−4)塚本訳 ルカ 13:11-13
13:11
その時、そこに
十八年も病気の霊につかれている女がいた。体が曲っていて、真直ぐに伸ばすことが出来なかった。
13:12
イエスは女を見て呼びよせ、「女の人、病気は直っている」と言って
13:13
手をのせられると、女はたちどころに体がまっすぐに伸びて、神を讃美した。

●(肉親の死で悲しんでいる人に)                A−5)塚本訳 ルカ 7:13-15
7:13
主は母を見て不憫に思い、
「そんなに泣くでない」と言って、
7:14
近寄って棺に手をかけ──担いでいる者は立ち止まった──「若者よ、あなたに言う、起きよ!」と言われた。
7:15
すると
死人が起き上がって物を言い出した。イエスは『彼を母に渡された。』

A−6)塚本訳 ルカ 8:52-55                    8:52 (集まった)人々が皆泣いて、女の子のために悲しんでいた。イエスが言われた、「泣くな。死んだのではない、眠っているのだ。
8:53
人々は死んだことを知っているので、あざ笑っていた。
8:54
しかしイエスは女の子の手を取り、声をあげて
「子よ、起きなさい!」と呼ばれると、
8:55 霊がもどって、即座に女の子は立ち上がった。イエスは(何か)食べさせるように言いつけられた。

●(不治の病で絶望している人に。癩病、精神病)         
A−7)塚本訳 マタ 8:1-3
8:1
イエスが山を下りてこられると、多くの群衆がついて来た。
8:2
すると一人の
癩病人が近寄ってきて、しきりに願って言った、「主よ、(清めてください。)お心さえあれば、お清めになれるのだから。」
8:3
イエスは手をのばしてその人にさわり、「よろしい、清まれ」と言われると、たちまち癩病が清まった。              

A−8)塚本訳 マコ 7:25-29                    7:25 汚れた霊につかれた小さい娘を持つ一人の女が、すぐイエスのことを聞きつけ、来て足下にひれ伏した。(中略)                         7:29 イエスは言われた、「それほど言うなら、よろしい、帰りなさい。悪鬼はもう娘から出ていった。」

A−9)塚本訳 Uコリ7:10                     7:10 なぜなら、神の御心に沿った悲しみは、(人を)救いに入れる悔いのない悔改めをもたらすけれども、この世(的)の悲しみは、(絶望と)死をもたらすからである。

●(体が不自由で困り抜いている人に)              A−10)塚本訳 マコ 2:9-12                     2:9 この
中風の者に、あなたの罪は赦された、と言うのと、起きて担架をかついで歩け、と言うのと、どちらがたやすい(と思う)か。(中略)                            2:11 あなたに命令する、起きて担架をかついで、家に帰りなさい。」2:12 すると彼は起き上がり、すぐ担架をかついで、皆の見ている前を出ていった。皆が呆気にとられ、「こんなことはかって見たことがない」と言って、神を讃美した。

A−11)塚本訳 マコ 7:31-35
7:32
人々が
(つんぼ)で舌のまわらぬ人をつれて来て、手をのせて(直して)ほしいと願う。
7:33
イエスはその人をただ一人、群衆の中から連れ出して、指をその両耳にさしこみ、次に(指に)唾をしてその舌にさわり、
7:34
天を仰いで溜息をつき、その人に
「エパタ!」[すなわち「開け!」]と言われる。
7:35 すると耳があき、すぐ舌のもつれが解けて、普通に物が言えるようになった。                         

●(人生に失敗して、引け目を感じている人に)                  A−12)塚本訳 ルカ 19:5-10
19:5
イエスはその場所に来られると、ザアカイを見上げて言われた、「ザアカイ、急いで下りておいで。きょうはあなたの家に泊まることになっているから。」                     19:6 ザアカイは急いで下りてきて、喜んでお迎えした。(中略)             
19:9
イエスが(人々に)言われた、「救いは(きょう、)この家に入った。
(人でなしのように言われる)この人も、やはり(あなた達と同じ)アブラハムの末だから。                 19:10 人の子(わたし)は『滅びうせた者をさがして』救うために来たのである。」                         

A−13)塚本訳 ヨハ 8:4-11                    8:4 イエスに言う、「先生、この女は姦淫の現場を押えられたのです8:5 モーセは律法で、このような女を石で打ち殺すように命じていますが、あなたはなんと言われますか。」(中略)          8:10 イエスは身を起こして女に言われた、「女の人、あの人たちはどこにいるのか。だれもあなたを罰しなかったのか。」          8:11 「主よ、だれも」と女がこたえた。イエスが言われた、「わたしも罰しない。おかえり。今からはもう罪を犯さないように。」】    

A−14)塚本訳 ルカ 7:37-49                    7:37 すると、その町に一人の
罪の女がいた。イエスがパリサイ人の家で食卓についておられることを知ると、香油のはいった石膏の壷を持ってきて、                         7:38 泣きながら後ろからイエスの足下に進み寄り、しばし涙で御足をぬらしていたが、やがて髪の毛でそれをふき、御足に接吻して香油を塗った。(中略)                       7:48 そしてその女に言われた、「あなたの罪は赦されている。」  7:49 同席の者が(憤慨して)ひそかに考えた、「罪さえ赦す(という)この人はいったい何人だろう。」                                    

A−15)塚本訳 ルカ 23:41-43                    23:41
おれ達は自分でしたことの報いを受けるのだから当り前だが、このお方は何一つ、道にはずれたことをなさらなかったのだ。」       23:42 それから(イエスに)言った、「イエス様、こんどあなたのお国と共にお出でになる時には、どうかわたしのことを思い出してください。                           23:43 「イエスが言われた、「アーメン、わたしは言う、(その時を待たずとも、)あなたはきょう、わたしと一しょに極楽(パラダイス)にはいることができる。」                      


B狂わんばかりに怒って、・・・イエスが殺されるようになった理由                             

●イエスの勢力を恐れた
B−1)塚本訳 マコ 11:18                 11:18 大祭司連と聖書学者たちはこれを聞いて、どうしてイエスを殺そうかと(その手段を)考えていた。民衆が皆その教えに感心しきっていたので、イエス(の勢力)を恐れたのである。            

B−2)塚本訳 マタ 27:18                 27:18 ピラトは人々が妬みからイエスを引き渡したことを知っていたのである。

B−3)塚本訳 ヨハ 11:47-48                 11:47 そこで大祭司連とパリサイ人は最高法院を召集して言った、「
どうすればよいだろう、あの男はたくさん徴[奇蹟]をしているのだが。11:48 もしこのまま放っておけば、皆があれを信じ(て王に祭り上げ)るであろう。すると騒動が起り、ローマ人が来て、われわれから(エルサレムの)都も国民も、取ってしまうにちがいない。」

●自分を神の子とする許しがたい意識を持っていた
B−4)塚本訳 マコ 14:63-64                14:64 諸君は(今、おのれを神の子とする許しがたい)冒涜を聞かれた。(この者の処分について)御意見を承(うけたまわ)りたい。」満場一致で、死罪を相当とすると決定した。               

B−5)塚本訳 ヨハ 5:18                  5:18 このためユダヤ人は、いよいよイエスを殺そうと思った。安息日を破るばかりでなく、神を自分の父と言って、自分を神と等しくされたからである。                        

●地上の王を期待した期待外れの逆恨み

B−6)塚本訳 ヨハ 12:5-8

12:5 なぜこの香油を三百デナリ(十五万円)に売って、貧乏な人に施さないのだろうか。」(中略)

12:7 イエスは言われた、「構わずに、わたしの埋葬の日のためにそうさせておきなさい。

12:8 貧乏な人はいつもあなた達と一しょにいるが、わたしはいつも一しょにいるわけではないのだから。」

B−7)塚本訳 ヨハ 13:26-27

13:26 イエスが(彼に)答えられる、「わたしが一きれのパンをひたして渡すその人が、それだ。」それからパンを(汁に)ひたし、イスカリオテのシモンの子ユダに渡される。

13:27 ユダがそのパンを受け取(って食べ)ると、その時、悪魔がユダに入った。そこでイエスがユダに言われる、「しようとしていることをさっさとしたがよかろう。


B−8)塚本訳 マタ 27:21-23

27:21 総督は彼らに言った、「二人のうち、どちらを赦してもらいたいのか。」「バラバを!」と彼らが言った。

27:22 ピラトが言う、「では、救世主と言われるイエスをどうしようか。」みんなが、「十字架につけるのだ」と言う

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