191215-1
ΙΧΘΥΣ イクスス(魚)
イエスス(イエス)クリストス(キリスト)、セオス(神)、ヒュオス(子)、ソテル(救い主)
聖書で福音書を読む
衣(ころも)を賣りて劍(つるぎ)を買へ (ルカ22:35−38)
・・・劍とは神の言葉。義憤でなく十字架の死に向かえ・・・
2019年12月15日 東京聖書読者会 高橋照男
塚本訳 ルカ 22:35-38
22:35 それから彼らに言われた、「@(前に)財布も旅行袋も靴も持たせずに、あなた達を(伝道に)やった時、何か足りない物があったか。」彼らが答えた、「いえ、何も。」
22:36 彼らに言われた、「Aしかし今は(もうそれではいけない。)財布を持っている者は持ってゆけ。旅行袋も同様。剣(けん)を持たない者は、(もし金がなかったら、)上着を売ってでも買いなさい。
22:37 わたしは言う、B“彼は咎人の一人に数えられた”と(聖書に)書いてあること、をわたしは成就せねばならないのだから。そしてわたしの務は(いよいよこれで)果てるのだ。C(あなた達も戦いの準備をするがよい。)」
22:38 彼らが言った、「主よ、剣(けん)ならばここに二振あります。」Dイエスが(笑いながら)言われた、「それで沢山々々。」
@(前に)財布も旅行袋も靴も持たせずに、あなた達を(伝道に)やった時、
@−1)塚本訳 マタ 10:7-10・・・伝道の心得
10:7 行って、『天の国は近づいた』と説け。
10:8 病人をなおし、死人を生きかえらせ、癩病人を清め、悪鬼を追い出せ。(福音も病気もなおす力も、みな神から)ただで戴いたのだ、ただで与えよ。
10:9 (旅行に支度はいらない。)金貨も銀貨も銅貨も、帯の中に入れてゆくな。
10:10 旅行には旅行袋も、着替えの下着も、靴も、杖も(なんの用意も)いらない。働く者が食べ物をいただくのは当然だから。
Aしかし今は(もうそれではいけない。)財布を持っている者は持ってゆけ。旅行袋も同様。剣(けん)を持たない者は、(もし金がなかったら、)上着を売ってでも買いなさい。・・・2:26の各種翻訳並読。・・・戦闘開始
A−1)文語訳1917
"422236",イエス言ひ給ふ『されど今は財布ある者は之を取れ、嚢ある者も然すべし。また劍(つるぎ)なき者は衣(ころも)を賣りて劍(つるぎ)を買へ。
A−2)塚本訳1963
22:36 彼らに言われた、「しかし今は(もうそれではいけない。)財布を持っている者は持ってゆけ。旅行袋も同様。剣(けん)を持たない者は、(もし金がなかったら、)上着を売ってでも買いなさい。
A−3)岩波翻訳委員会訳1995
422236すると彼は彼らに言った、「しかし今や、財布を持っている者は〔それを〕取るがよかろう、同じように袋もだ。また、持たざる者は、自分の上着を売り払って〔でも〕剣を買うがよかろう。
A−4)フランシスコ会聖書研究所訳2011
36そこでイエスは仰せになった。「しかし今は、財布のある者はそれを持ち、袋も同様に持ちなさい。剣(つるぎ)のない者は、上着を売って買いなさい。
A−5)聖書協会共同訳2018
36イエスは彼らに言われた。「しかし今は、財布のある者はそれを持って行きなさい。袋も同様にしなさい。また、剣(つるぎ)のない者は自分の上着を売って剣(つるぎ)を買いなさい。
B“彼は咎人の一人に数えられた”
と(聖書に)書いてあること、をわたしは成就せねばならないのだから。・・・今や使命遂行の時、死の覚悟をする
B−1)新共同 イザ 53:12
53:12 それゆえ、わたしは多くの人を彼の取り分とし/彼は戦利品としておびただしい人を受ける。彼が自らをなげうち、死んで/罪人のひとりに数えられたからだ。多くの人の過ちを担い/背いた者のために執り成しをしたのは/この人であった。
B−2)塚本訳 ヨハ 12:24
12:24 アーメン、アーメン、わたしは言う、一粒の麦は、地に落ちて死なねば、いつまでもただの一粒である。しかし死ねば、多くの実を結ぶ。(だからわたしは命をすてる。)
B−3)塚本訳 マコ 14:32-36
14:32 やがて(オリブ山の麓の)ゲッセマネと呼ばれる地所に着いた。イエスは弟子たちに言われる、「わたしの祈りがすむまで、ここに坐って(待って)おれ。」
14:33 そしてペテロとヤコブとヨハネ(だけ)を連れて(奥の方へ)ゆかれると、(急に)おびえ出し、おののきながら
14:34 彼らに言われる、「“心がめいって、”“死にたいぐらいだ。”ここをはなれずに、目を覚ましていてくれ。」
14:35 そしてなお少し(奥に)進んでいって、地にひれ伏し、出来ることなら、この時が自分の前を通りすぎるようにと祈って
14:36 言われた、「アバ、お父様、あなたはなんでもお出来になります。どうかこの杯をわたしに差さないでください。しかし、わたしの願いでなく、お心がなればよいのです。」
C(あなた達も戦いの準備をするがよい。)・・・状況は変わった。いよいよ御心の時が来た。あなた達も主を真似て死ぬ覚悟をせよ。
C−1)塚本訳 マコ 14:41-42
14:41 三度目に来て、(また眠っているのを見ると)言われる、「もっと眠りたいのか。休みたいのか。もうそのくらいでよかろう。時が来た。そら、人の子は罪人どもの手に渡。れるのだ。
14:42 立て。行こう。見よ、わたしを売る者が近づいてきた!」
Dイエスが(笑いながら)言われた、・・・弟子たちの無理解。世を剣で切るな。義憤でなく十字架の死に向かえ。
D−1)塚本訳 ルカ 9:53-56
9:53 村人たちはイエスが顔をエルサレムへ向けて進んでおられるので、承知しなかった。
9:54 弟子のヤコブとヨハネとはそれを見て(憤慨して)言った、「主よ、(エリヤのように)“天から火を”呼び“下して、”あの奴らを“焼き殺してしまい”ましょうか。」
9:55 イエスは振り返って二人を叱り、
9:56 みなとほかの村へ行かれた。
D−2)塚本訳 マコ 8:32-33
8:32 しかもおおっぴらにこのことを話された。するとペテロはイエスをわきへ引っ張っていって、忠告を始めた。(救世主(キリスト)が死ぬなどとは考えられなかったのである。)
8:33 イエスは振り返って、弟子たちの見ている前でペテロを叱りつけられた、「引っ込んでろ、悪魔!お前は神様のことを考えずに、人間のことを考えている!」
D−3)塚本訳 マタ 26:50-54
26:50 イエスはユダに言われた、「友よ、そのために来たのではあるまいが!」その時人々が進み寄って、イエスに手をかけて捕えた。
26:51 すると、見よ、イエスと一しょにいた一人の人が手をのばして剣を抜き、大祭司の下男に切りかかって片耳をそぎ落してしまった。
26:52
その時イエスが言われる、「剣(けん)を鞘におさめよ。剣による者は皆、剣によって滅びる。
26:53 それとも、父上にお願いして十二軍団以上の天使を今すぐ送っていただくことが、わたしに出来ないと思うのか。
26:54 しかしそれでは、かならずこうなる、とある聖書の言葉は、どうして成就するのか。」
D−4)塚本訳
ルカ 22:49-51
22:49 弟子たちはこと。の迫ったのを見て言った、「主よ、剣で切りまくりましょうか。」
22:50
そのうちのひとりの人が大祭司の下男に切りかかり、右の耳をそぎ落してしまった。
22:51
イエスは、「もうそれでよし」と言って、耳にさわってお直しになった。
D−5)塚本訳
マタ 5:39-42
5:39 しかしわたしはあなた達に言う、悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打ったら、左をも向けよ。
5:40 (裁判所に)訴えて下着を取ろうとする者には、上着をも取らせてやれ。
5:41 だれかが無理に一ミリオン[一キロ半]行かせようとするなら、一しょに二ミリオン行ってやれ。
5:42 求める者には与えよ、借りようとする者を断るな。
D−6)塚本訳 マコ 8:35
8:35 (十字架を避けてこの世の)命を救おうと思う者は(永遠の)命を失い、わたしと福音とのために(この世の)命を失う者は、(永遠の)命を救うのだから。
E 剣とは霊の剣、すなわち神の言葉・・・エペソ人へ6:17の各種翻訳並読
E−1)文語訳1917
"490617","また救の冑および御靈の劍(つるぎ)、すなはち神の言(ことば)を執れ。"
E−2)口語訳1955
6:17
また、救のかぶとをかぶり、御霊の剣、すなわち、神の言(ことば)を取りなさい。
E−3)塚本訳1963
6:17
また”救いの兜”と、”神の言”なる”御霊の剣”を取れ。
E−4)新改訳1970
6:17
救いのかぶとをかぶり、また御霊の与える剣である、神のことばを受け取りなさい。
E−5)前田訳1978
6:17
救いのかぶとをとり、霊の剣、すなわち神のことばをおとりなさい。
E−6)新共同訳1987
6:17
また、救いを兜としてかぶり、霊の剣、すなわち神の言葉を取りなさい。
E−7)岩波翻訳委員会訳1995 490617さらに、救いの被り物を取〔って被〕りなさい。そして霊の剣、すなわち神の言葉をも〔取りなさい〕、
E−8)フランシスコ会聖書研究所訳2011
6:17 救いの兜を頭に戴き、神の言葉である霊の剣を取りなさい。
E−9)聖書協会共同訳2018
6:17 また救いの兜をかぶり、霊の剣、すなわち神の言葉を取りなさい。
F 霊の剣、すなわち神の言葉は戦いをもたらし、「苦難の盃」を飲まされる
F−1)(シメオンの預言)
塚本訳 ルカ 2:34-35
2:34 シメオンは両親を祝福し、母マリヤに言った、「驚きなさるなよ、この幼児はイスラエルの多くの人を、(この方に対する態度によって)倒されたり立たせたりする、また、一つの目印となって(この世の烈しい)反対をうける、使命を負わされているのです。──
2:35 (母人(ははびと)よ、)あなたも剣(けん)で胸を刺しつらぬかれ(る苦しみをせ)ねばなりますまい。──これは多くの人の心の(隠れた)考えを外に出させるためなのです。」
F−2)(わたしは剣をもたらすために来た)
塚本訳 マタ 10:34-35
10:34 地上に平和をもたらすためにわたしが来た、などと考えてはならない。平和ではない、剣(けん)を、(戦いを)もたらすために来たのである。
10:35 わたしは子を“その父と、娘を母と、嫁を姑(しゅうとめ)と”仲違いさせるために来たのだから。
Gパウロによる解説・・・エペソ人へ6:10-20(神の武具で完全武装せよ)
G−1)塚本訳
エペ 6:10-20
6:10 最後に言うが、強くなれ、主にあって、またその強力な力にあって。
6:11 悪魔(サタン)のたくらみに踏み堪(こた)えることが出来るように、神からの完全武装を身につけよ。
6:12 わたし達の格闘は血肉(人間)に対するものでなく、支配(の霊)どもに対するもの、権威(の霊)どもに対するもの、この暗の世界の主権者(なる悪霊)どもに対するもの、天上の悪霊どもに対するものだからである。
6:13 このゆえに神からの完全武装に訴えよ。(悪魔が力をふるう)悪の時節において、抵抗し、すべてを征服して踏み堪(こた)えることが出来るためである。
6:14 だから踏み堪(こた)えよ、“真理を帯として腰に締めるのである、義の鎧(よろい)を身につけ、
6:15 平和の福音をおくる用意を(靴として)足に“履くのである。
6:16 その上になお信仰の盾を執るのである。これで悪い者[悪魔]の投げるすべての火矢を消すことが出来よう。
6:17 また“救いの兜(かぶと)”と、“御霊(みたま)の剣(つるぎ)”すなわち“神の言葉”を執れ、
6:18 (これらをすべて)あらゆる祈りと願いをもってである。すなわち常に御霊に満たされて祈るのである。そしてそのためには目を覚ましているのである。あらん限りの根気をもってである、また聖徒一同達のための祈りをもってである。
6:19 また私のための祈りをもってである。すなわち、わたしが口を開く時わたしに(然るべき)御言葉が授けられ、忌憚なく福音の秘密を知らせることができるように祈ってもらいたい。
6:20 この秘密のためにわたしは鎖に繋がれながら(神の)使者として働いている。またこの秘密についてわたしが語らねばならぬままを忌憚なく語ることができるように祈ってもらいたい。
H福音の説かれる所・・・神の子イエスの死が記念される
H−1)塚本訳
マタ 26:6-13
26:6 イエスがベタニヤで癩病人シモンの家におられるとき、
26:7 一人の女が非常に価の高い香油のはいった石膏の壷を持って近寄り、食卓についておられるイエスの頭に(香油をすっかり)注ぎかけた。
26:8 弟子たちはこれを見て、憤慨して言った、「なぜこんなもったいないことをするのだろう。
26:9 これは高く売れて、貧乏な人に施しが出来たのに。」
26:10 それと知ってイエスは言われた、「なぜこの婦人をいじめるのか。わたしに良いことをしてくれたではないか。
26:11 貧乏な人はいつもあなた達と一しょにいるが、わたしはいつも(一しょに)いるわけではない。
26:12 この婦人がわたしの体に香油をかけてくれたのは、わたしを葬るためである。
26:13 アーメン、わたしは言う、世界中どこでも(今後)この福音の説かれる所では、この婦人のしたことも、その記念のために一しょに語りつたえられるであろう。」
H−2)塚本訳 マタ 18:19-20
18:19 なお、アーメン、わたしは言う、何事によらず、もしあなた達のうちの二人が心を一つにして地上で祈るならば、わたしの天の父上は(きっとその願いを)かなえてくださるだろう。
18:20 二人、三人、わたしの名によって集まっている所には、わたしがいつもその真中にいるのだから。」