200402-1
ΙΧΘΥΣ イクスス(魚)
イエスス(イエス)クリストス(キリスト)、セオス(神)、ヒュオス(子)、ソテル(救い主)
聖書で聖書を読む
罪の女香油を塗る(ルカ7:36−50)
・・エクレシヤが伝承すべきことは、神による罪の赦し・・
2020年4月5日 東京聖書読者会 高橋照男
塚本訳 ルカ 7:36-50
7:36 (シモンという)ひとりのパリサイ人が一しょにお食事をと願ったので、そのパリサイ人の家に入って食卓に着かれた。
7:37 すると、その町に一人の@罪の女がいた。イエスがパリサイ人の家で食卓についておられることを知ると、香油のはいった石膏の壷を持ってきて、
7:38 泣きながら後ろからイエスの足下に進み寄り、しばし涙で御足をぬらしていたが、やがて髪の毛でそれをふき、御足に接吻して香油を塗った。
7:39 イエスを招待したパリサイ人が見て、ひそかに思った、「もしもこの人が(ほんとうの)預言者だったら、自分にさわっている者がだれだか、どんな女だか、──罪の女だと分るはずであるのに!」
7:40 イエスが言われた、「シモン、あなたに言わねばならぬことがある。」彼が言う、「先生、言ってください。」イエスが言われる、
7:41 「ある金貸しに二人の債務者があった。一人は五百デナリ(二十五万円)、一人は五十デナリ(二万五千円)を借りていた。
7:42 返すことができないので、金貸しは二人(の借金)をゆるしてやった。とすると、二人のうち、どちらが余計に金貸しを愛するだろうか。」
7:43 シモンが答えた、「余計にゆるしてもらった方だと思います。」イエスは「あなたの判断は正しい」と言って、
7:44 女の方に振り向き、シモンに言われた、「この婦人を見たか。わたしがこの家に来たとき、あなたは足の水もくれないのに、この婦人は涙でわたしの足をぬらし、髪の毛でふいてくれた。
7:45 あなたは接吻一つしてくれないのに、この婦人はわたしが(この家に)来たときから、わたしの足に接吻のしつづけである。
7:46 あなたは(普通の)油をすら頭に塗ってくれないのに、この婦人は(高価な)香油を足に塗ってくれた。
7:47 だから、わたしは言う、Aこの婦人の多くの罪は赦されている。(いま)多くわたしを愛したのがその証拠である。赦され方の少ない者は、愛し方も少ない。」
7:48 そしてその女に言われた、「あなたの罪は赦されている。」
7:49 同席の者が(憤慨して)ひそかに考えた、「B罪さえ赦す(という)この人はいったい何人だろう。」
7:50 しかしイエスは女に言われた、「Cあなたの信仰があなたを救った。『さよなら、平安あれ。』」
@「罪の女」とは、諸説あるがマグダラのマリヤのことらしい。
塚本訳 ルカ 8:1-3
8:1 その後、イエスは町から町、村から村へと回りながら、神の国を説き、その福音を伝えられた。十二人(の弟子)がお供をした。
8:2 また悪霊や病気をなおしていただいた数名の女たち、すなわち、七つの悪鬼を追い出されたマグダラの女と呼ばれたマリヤと、
塚本訳 マコ 15:40
15:40 また遠くの方から眺めていた女たちもいた。そのうちにはマグダラのマリヤ、小男ヤコブとヨセとの母マリヤ、およびサロメもいた。
塚本訳 マコ 16:9-11
16:9 【さて週の第一日の朝早く復活して、まずマグダラのマリヤに自分を現わされた。以前に七つの悪鬼を追い出していただいた女である。
16:10 この女は、(御在世中)おそばにいた人たちが泣き悲しんでいるところに行って知らせたが、
16:11 この人たちは、(今)生きておられること、彼女がそれを見たことを聞いても、信じなかった。
塚本訳 ヨハ 20:16-18
20:15 イエスが言われる、「女の人、なぜ泣くのか。だれをさがしているのか。」マリヤはそれを園丁だと思って言う、「あなた、もしあなたがあの方を持っていったのだったら、どこに置いたか教えてください。わたしが引き取りますから。」
20:16 (こう言って、また墓の方を向いていると、)イエスが「マリヤ!」と言われる。マリヤが振り向いて彼に、ヘブライ語で「ラボニ!(すなわち「先生!」)と言う。(そしてイエスに抱きつこうとした。)
20:17 イエスが言われる、「わたしにすがりつくな。まだ父上の所に上っていないのだから。わたしの兄弟たち(弟子たち)の所に行って、『わたしは、わたしの父上、すなわちあなた達の父上、わたしの神、すなわちあなた達の神の所に上る』と言いなさい。」
20:18 マグダラのマリヤは行って弟子たちに、「わたしは主にお目にかかった」、また、主がこのことを彼女に言われた、と報告した。
Aこの婦人のした行為は救いの結果であるという解釈にもとづく翻訳
塚本訳1963
7:47 だから、わたしは言う、この婦人の多くの罪は赦されている。(いま)多くわたしを愛したのがその証拠である。赦され方の少ない者は、愛し方も少ない。」
新共同訳1987
7:47 だから、言っておく。この人が多くの罪を赦されたことは、わたしに示した愛の大きさで分かる。赦されることの少ない者は、愛することも少ない。」
岩波翻訳委員会訳1995
420747このために、私はあなたに言う、この女の罪は〔たとえ〕多く〔とも〕赦されている。〔それは、〕この女が多く愛したことから〔わかる〕。少ししか赦されない者は、少ししか愛さないものだ」。
フランシスコ会聖書研究所訳2011
だから、あなたに言っておく。彼女の多くの罪が赦されたのは、彼女が多くの愛を示したことでわかる。少しだけ赦される者は、少ししか愛さない」。
聖書協会共同訳2018
7:47
だから、言っておく。この人が多くの罪を赦されたことは、わたしに示した愛の大きさで分かる。赦されることの少ない者は、愛することも少ない。」
B 4福音書が揃ってこの事件を取り上げている理由。 神による罪の赦しが福音の本質で、これを伝承することがエクレシヤの義務。
塚本訳 マタ
20:28
20:28 人の子(わたし)が来たのも仕えさせるためではない。仕えるため、多くの人のあがない金としてその命を与えるためである。」
塚本訳 マコ
14:8-9
14:7
貧乏な人はいつもあなた達と一しょにいるから、したい時に慈善をすることが出来る。だがわたしはいつも一しょにいるわけではない。
14:8 この婦人はできるかぎりのことをした。──前もってわたしの体に油をぬって、葬る準備をしてくれたのである。
14:9 アーメン、わたしは言う、世界中どこででも(今後)福音の説かれる所では、この婦人のしたことも、その記念のために(一しょに)語りつたえられるであろう。」
塚本訳 マタ
26:12-13
26:12 この婦人がわたしの体に香油をかけてくれたのは、わたしを葬るためである。
26:13 アーメン、わたしは言う、世界中どこでも(今後)この福音の説かれる所では、この婦人のしたことも、その記念のために一しょに語りつたえられるであろう。」
塚本訳 ヨハ 12:7
12:7 イエスは言われた、「構わずに、わたしの埋葬の日のためにそうさせておきなさい。
塚本訳 Tコリ15:3-4
15:3 まえにわたしが(福音の)一番大切な事としてあなた達に伝えたのは、わたし自身(エルサレム集会から)受けついだのであるが、キリストが聖書(の預言)どおりにわたし達の罪のために死なれたこと、
15:4 葬られたこと、聖書どおりに三日目に復活しておられること、
C 初代教会は、神が先に人類を愛したという福音を認識した。
塚本訳 ルカ
5:20-21
5:20 イエスはその人たちの信仰を見て(驚き、中風の者に)言われた、「君、あなたの罪は赦されている。」
5:21 聖書学者とパリサイ人は考え始めた、「冒涜を言うこの人はいったい何者だろう。ただ神のほか、だれが罪を赦せよう。」
塚本訳 Tヨハ4:10
4:10 わたし達が神を愛したことではなく、彼がわたし達を愛し、その子をわたし達の罪のための宥め(の供物)として遣わされたそのことに、愛があるのである。
塚本訳 Tヨハ4:19
4:19 わたし達は(神を)愛しよう。彼が先にわたし達を愛されたのだから。
塚本訳 ロマ 3:24
3:24 (さりとて失った栄光を回復する力はないので、何一つ)代価を払わず、(ただ)神の恩恵によって、キリスト・イエスによるあがないの力で、(神に)義とされる(道が設けられた)のである。
塚本訳 エペ 2:8
2:8 然り、君達は恩恵の故に、信仰によって救われた者である。これは君達の力によるのでなく、神の賜物である。