210606-1
塚本虎二イエス伝研究第195講 裁判
マタイ26章57節―27章31節
ルカ 22章54節―23章26節イ
ヨハネ18章12節―19章17節
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本講の中心的な主題は、イエスはこの世の法律では「罪あり」として裁かれなかった。つまりイエスは罪なくして殺されたことである。それは上記のうち次の部分が揃って言うことである
マルコ15章9−15節
マタイ27章22―26節
ルカ 23章14―15節
ヨハネ18章29−31節
塚本訳 マコ 15:9-15
15:9 ピラトは答えて言った、「あのユダヤ人の王を赦してもらいたいのか。」
15:10 ピラトは大祭司連が妬みからイエスを引き渡したことを知っていたのである。
15:11 しかし大祭司連は、(彼よりは)バラバの方を赦してもらえと群衆を煽動した。
15:12 ピラトはまた彼らに言った、「では、お前たちがユダヤ人の王と言っているあの人を、どうしようか。」
15:13 「それを十字架につけろ」とまた人々が叫んだ。
15:14 ピラトは言った、「いったいどんな悪事をはたらいたというのか。」しかし人々はいよいよ激しく、「それを十字架につけろ」と叫んだ。
15:15 ピラトは群衆の機嫌を取ろうと思ってバラバを赦してやり、イエスを鞭打ったのち、十字架につけるため(兵卒)に引き渡した。
塚本訳 マタ 27:22-26
27:22 ピラトが言う、「では、救世主と言われるイエスをどうしようか。」みんなが、「十字架につけるのだ」と言う。
27:23 ピラトは言った、「いったいどんな悪事をはたらいたというのか。」しかし人々はいよいよ激しく、「十字架につけるのだ」と叫びつづけた。
27:24 ピラトは(自分のすることが)なんの甲斐もないばかりか、かえって騒動が起りそうなのを見て、水を取り寄せ、群衆の前で手を洗って言った、「わたしはこの人の血(を流すこと)に責任をもたない。お前たちが自分で始末しろ。」
27:25 民衆全体が答えた、「その男の血のことなら、われわれが孫子の代まで引き受けた。」
27:26 そこでピラトはバラバを赦してやり、イエスの方は鞭打ったのち、十字架につけるため(兵卒)に引き渡した。
塚本訳 ルカ 23:14-15
23:14 言った、「お前たちはこの人を民衆をあやまらせる者だと言って引いてきたので、このわたしがお前たちの目の前で取り調べたが、訴えの廉では、この人に何の罪も認められなかった。
23:15 ヘロデでもそうらしい。送りかえしたのだから。たしかにこの人は、何一つ死罪に当ることをしていない。
塚本訳 ヨハ 18:29-31
18:29 そこで、(総督)ピラトが彼らの所に出ていって言う、「いかなる廉でこの男を訴えるのか。」
18:30 彼らが答えて言った、「これが悪事をはたらいた男でなかったら、あなたに引き渡しはしません。(調べてください。)」
18:31 ピラトが言った、「(はっきりした罪名のないところを見ると、わたしが手を下すほどの事件ではなさそうだ。)お前たちがあれを引き取って、自分の法律で裁判するがよい。」ユダヤ人が(とうとう本音を吐いて)言った、「われわれには人を死刑に処する権限がありません。」
●塚本虎二先生の解説
(イエスが)死罪に処せられた理由が神の子なりとの主張であること。これは政治的には意味をなさないため、ローマ政府の官吏たるピラトは、イエスを釈放したが、群衆の声に負け自分の責任問題を惹起することを恐れて、ついに心ならずもイエスを死罪に処した。すなわちイエスは罪なくして死んだことを示さんとするのが四つ(の福音書)に共通である。
●感想(高橋トミ子)
コロナ禍がまだまだ世の中を混乱させております。こんな時に、私たちはどう歩んだらよいかを思います時に、塚本先生の多くの講演の中で、「世の中の歩みと反対の道が良い」と話されたことを思い出しました。
具体的にはコロナコロナに振り回されることなく、神様だけを信じて、神様に向かって歩み続けたく思います。