211017-1      

さかなまーく ΙΧΘΥΣ イクスス()    

イエスス(イエス)クリス(キリスト)、セオス()、ヒュオス()、ソテル(救い主)

聖書で聖書を読む 

 

キリスト者の政治に対する態度

・・・肉では世に仕え、霊では神に仕える・・・

2021年 10月 17日 家庭集会 高橋照男

 

 

キリスト者の皆様お早うございます。衆議院は去る10月14日に解散され、31日に投票日となった。今朝は「キリスト者の政治に対する態度・・・肉では世に仕え、霊では神に仕える」と題して、神の子イエスの政治に対する態度を学ぼう。

塚本訳 ルカ 20:22-26

20:22 (それでお尋ねしますが、わたし達は異教人である)皇帝(カイザル)に、貢を納めてよろしいでしょうか、よろしくないでしょうか。」

20:23 彼らの悪賢い考えを見破って言われた、

20:24 「デナリ銀貨を見せなさい。そこにはだれの肖像と銘があるか。」「皇帝(カイザル)のがあります」と彼らが言った。

20:25 イエスは彼らに言われた、「それなら皇帝(カイザル)のものは皇帝(カイザル)に、神のものは神に返せ。

20:26 彼らは民衆の前でイエスの言葉質をとることができず、そのうけこたえぶりに驚きながら黙ってしまった。

このうち、「
皇帝(カイザル)のものは皇帝(カイザル)に、神のものは神に返せ。」が難解である。しかし、ルカの編集になる20章を読むとなんとなく意味が見えてくる。権威問題(20:1−8)、悪い小作人(20:9−19)、納税問答(20:29−26)、復活問答(20:27−40)を読むと、これらに共通なのは、「人間常識の水平思考ではなく、何事も神相手の垂直思考に生きよ」と言うことなのだ。いつものように「聖書で聖書を読む」方法でこの難解な言葉の意味探求に挑戦してみよう。

まず、ルカ20章25節の邦語100年間の各種翻訳並読。

聖書協会共同訳2018

ルカ 20:25 イエスは言われた。「それならば、皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」

フランシスコ会訳2013

025イエスは仰せになった、「では、皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい」。

 

岩波翻訳委員会訳

422025すると彼は彼らに対して言った、「そこで、カエサルのものはカエサルに与えよ、そして神のものは神に〔与えよ〕」。


新共同訳1987

20:25 イエスは言われた。「それならば、皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」


前田訳1978

20:25 彼はいわれた、「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返せ」と。


新改訳1970

20:25 すると彼らに言われた。「では、カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい。」

 

塚本訳1963

20:25 イエスは彼らに言われた、「それなら皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返せ。」


口語訳1955

20:25 するとイエスは彼らに言われた、「それなら、カイザルのものはカイザルに、神のものは神に返しなさい」。


文語訳1917

"422025"," イエス言ひ給ふ『さらばカイザルの物はカイザルに、神の物は神に納めよ』"



次に、ルカ20章25節をルター以後500年間の主要国聖書の引照で心に響くものを抜粋。拙ホームページ利用

塚本訳 マタ 17:25-27                   17:25 ペテロが「もちろん、納められる」と言う。そして(イエスの)家に行くと、イエスの方から言い出された、「シモン、どう思うか、この世の王たちは官税や税をだれから取るだろうか。自分の子供たちだろうか、それとも余所の人からだろうか。」      17:26 「余所の人から」と答える。イエスは言われた、「それでは(神の)子供たちには(納める)義務はない。        17:27 しかし人々をつまずかせないため、湖に出かけていって釣針を垂れよ。最初に釣れた魚を取って口をあけるとスタテル銀貨(二千円)が一つあるから、それを取って、わたしとあなたの分として取立て人に渡しなさい。」

塚本訳 ルカ 16:15                     16:15 そこで彼らに言われた、「あなた達は人の前では信心深そうな顔をしているが、神はあなた達の心を見抜いておられる。人の中で尊ばれるものは、神の前では嫌われるものである。          

塚本訳 ロマ 13:6-7                     13:6 それゆえに(同じ理由で、)あなた達は貢をも納めねばならない。官憲は神につかえる者であり、いま言った職務に全力をそそいでいるからである。                      13:7 (彼らに対して、信ずる者には普通の人以上の、言わば借りがある。)すべての役人にこの借りを返しなさい。貢取りには貢を、官税取りには官税を、恐るべき者には恐れを、尊敬すべき者には尊敬を。

塚本訳 使  17:7

17:7 このヤソンが(家に)かくまっています。あの人たちは皆(ローマの皇帝のほかに)イエスという別の王があると言って、帝国の勅令にそむいた行動をしているのです。」

 

塚本訳 使  25:8

25:8 パウロの方では、「わたしはユダヤ人の律法に対しても、宮に対しても、皇帝に対しても、何も罪を犯したことはありません」と弁明した。



次に、ルカ20章25節を、「聖書知識の宝庫 TSK」を見て心に響くものをピックアップしてみよう。拙ホームページ。

 

塚本訳 Tペテ2:13-17

2:13 主の(立て給うたものであるが)故に、人間の凡ての制度に服従せよ。あるいは主権者として王に、

2:14 あるいは悪人を罰し善人を褒めるため王から遣わされた者としての総督達に(服従せよ)。

2:15 (君達の)善行によって、(君達を危険人物のように考えている)無理解な人達の無知(な非難)を沈黙させることは、神の御旨であるからである。

2:16 (しかし君達は自由の人であるから、)自由の人としてこれをせよ。ただその自由を悪の覆いとせず、かえって神の奴隷としてこれをせよ。

2:17 凡ての者を敬え、すなわち教友を愛し、“神を畏れ、王を”敬え。

塚本訳 使  5:29

5:29 ペテロを始め使徒たちが答えて言った、「人は人間(の命令)よりも神(の命令)の方に従うべきであります(から、神の命令にわたし達は従っているのです)。

 

塚本訳 マタ 4:10

4:10 そこでイエスは言われる、「引っ込んでいろ、悪魔(サタン)!(聖書に)“あなたの神なる主をおがめ、”“主に”のみ“奉仕せよ”と書いてあるのだ。」

 

塚本訳 マタ 22:37

22:37 イエスは言われた、「“心のかぎり、精神のかぎり、”思いの“かぎり、あなたの神なる主を愛せよ。”

塚本訳 マコ 8:32-33

8:32 しかもおおぴっらにこのことを話された。するとペテロはイエスをわきへ引っ張っていって、忠告を始めた。(救世主が死ぬなどとは考えられなかったのである。)

8:33 イエスは振り返って、弟子たちの見ている前でペテロを叱りつけられた、「引っ込んでろ、悪魔(サタン)!お前は神様のことを考えずに、人間のことを考えている!」

 

次に、ベンゲルのグノーモン(新約聖書注解の古典。1755年)を見る。拙ホームページに搭載。

すべてのものは神のものである。天と地、すべての人、従ってカイザル自身も神のものである。しかし、神はそれらをそれぞれ、適切に分与しておられる。



●結論

アーソーカ。皇帝(カイザル)も人間、それは神のもの。世に生きている間は上に立つ官憲に従え。官憲は善を行うために世を支配するように神に立てられている。キリスト者は世に生きている間は官憲を「躓かせないために」、官憲に従え。しかし、それはあくまで肉のこの世のこと。キリスト者の本質である霊は神に仕える。この板挟みの苦痛が、キリスト者の十字架の生涯だ。

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