220102-2

塚本虎二イエス伝研究第202講 

    ピラトの審問 

マルコ15章2−5節 

マタイ27章11―14節

ル カ23章2−5節

ヨハネ18章33−38節

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塚本訳 マコ 15:2-5

15:2 ピラトはイエスに問うた、「お前が、ユダヤ人の王か。(お前はその廉で訴えられているが。)」答えて言われる、「(そう言われるならば)御意見にまかせる。」

15:3 大祭司連が(いろいろ罪状をあげて、)しきりにイエスを訴えた。

15:4 そこで、またピラトが問うた、「何も答えないのか。そら、あんなにお前を訴えているではないか。」

15:5 しかしイエスはもはや何もお答えにならなかったので、ピラトは不思議に思った。

 

塚本訳 マタ 27:11-14

27:11 さて、イエスが総督の前に立たれると、総督はイエスに問うた、「お前が、ユダヤ人の王か。(お前はその廉で訴えられているが。)」イエスは言われた、「(そう言われるなら)御意見にまかせる。」

27:12 大祭司連、長老たちから(いろいろと)訴えられたが、何もお答えにならなかった。

27:13 するとピラトが言った、「あんなにお前に不利益な証言をしているのが聞えないのか。」

27:14 イエスはただの一言もお答えにならなかったので、総督は不思議でならなかった。

 

塚本訳 ルカ 23:2-5

23:2 「われわれはこの男が国民を惑わし、皇帝に貢を納めることを禁じ、かつ、自分が救世主、すなわち王だと言っていることを確かめた」と言って訴え始めた。

23:3 ピラトがイエスに問うた、「お前が、ユダヤ人の王か。」答えて言われた、「(そう言われるなら)御意見にまかせる。」

23:4 ピラトが大祭司連と群衆に向かって、「この人にはなんの罪も認められない」と言うと、

23:5 彼らはますます強く言い張った、「この男はユダヤ人(の国)全体に(自分の)教えを説いて民衆を煽動し、ガリラヤから始めてここまで来ている。」

 

塚本訳 ヨハ 18:33-38

18:33 そこでピラトはまた総督官舎に入り、イエスを呼びよせて言った、「お前が、ユダヤ人の王か。」

18:34 イエスが答えられた、「あなたは自分の考えでそう言われるのか、それともだれかほかの人たちが、わたしのことをそうあなたに言ったのか。」

18:35 ピラトが答えた、「このわたしを、ユダヤ人とでも思っているのか。お前の国の人たち、ことに(その代表者の)大祭司連が、(その廉で)お前をわたしに引き渡したのだ。いったい何をしでかしたのか。」

18:36 イエスが答えられた、「わたしの国はこの世のものではない。もしわたしの国がこの世のものであったら、わたしの手下の者たちが、わたしをユダヤ人に渡すまいとして戦ったはずである。しかし実際のところ、わたしの国はこの世のものではない。」

18:37 そこでピラトが言った、「では、やっぱりお前は王ではないか。」イエスが答えられた、「王だと言われるなら、御意見にまかせる。わたしは真理について証明するために生まれ、またそのためにこの世に来たのである。真理から出た者はだれでも、わたしの声に耳をかたむける。」

18:38 ピラトがたずねる、「真理とは何か。」、ピラトはこう言ったのち、またユダヤ人の所に出ていって言う、「あの人にはなんらの罪も認められない。

 

 

 

●塚本虎二先生の結論

 

この部分に表れた総督ピラトの態度はほとんど無色である。あるいは無責任とも言うべきほどに事務的である。後の記事、殊にマタイ、ルカ等から見ると彼はイエスの無罪を信じ、出来れば釈放しようと努力したように見えるが、これとても後に説明するように決してイエスを理解し、彼のために一肌脱ごうとしたのでないことはもちろんである。殊に彼の人物から想像出来るように結局自分の地位、利害が問題であって、正義と真理のためにこれを犠牲にしようなどという心は毛頭なかったに違いない。(付「ポンテオ・ピラト」参照)

 かくして彼はついにローマ帝国をして救世主イエスを十字架につける大罪を犯さしめた。そしてローマ帝国がしたことは全人類がしたことである。

 

 

●高橋トミ子 感想

 

神は、ピラトを用いてイエスを十字架に付けて救いの道を開きました。

これは、神の深い御計画であったのだと思います。

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