220208-2
塚本虎二イエス伝研究第203講
ピラトとヘロデ
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塚本訳 ルカ 23:6-16
23:6 これを聞くとピラトは、この人は(たしかに)ガリラヤ人かと尋ね、 23:7 ヘロデ(王)の領内(ガリラヤ)の者だと知ると、イエスをヘロデの所に送りとどけた。ヘロデもそのころ、(祭のためピラトと)同様にエルサレムにきていたのである。
23:8 ヘロデはイエスを見ると非常に喜んだ。というのは、イエスの噂を聞いて、だいぶ前から会ってみたいと思っており、また何か奇蹟をするのを見たいと望んでいたからである。
23:9 それで言葉をつくして問いかけたが、イエスは何もお答えにならなかった。
23:10 大祭司連と聖書学者たちは(わきに)立って、必死になってイエスを訴えた。
23:11 (埒(らち)があかないのに業を煮やした)ヘロデは兵隊と一しょになって、イエスに侮辱を加えたり、なぶったりしたあげく、派手な着物をきせてピラトに送りかえした。
23:12 ヘロデとピラトは以前には犬と猿の仲であったが、この日(この事件によって)互に仲良しになった。
23:13 ピラトは大祭司連をはじめ、(最高法院の)役人たち、および民衆を呼びあつめて、
23:14 言った、「お前たちはこの人を民衆をあやまらせる者だと言って引いてきたので、このわたしがお前たちの目の前で取り調べたが、訴えの廉では、この人に何の罪も認められなかった。
23:15 ヘロデでもそうらしい。送りかえしたのだから。たしかにこの人は、何一つ死罪に当ることをしていない。
23:16 だから鞭うった上、赦すことにする。」
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●塚本虎二先生の見解。結論。
ベンゲルはピラトとヘロデがイエスなる共同の敵に対して一つに結ばれたことを評して、「ユダヤ教と異教がキリスト教の誕生の時に提携し始めた」と言う。そしてそれは爾来二千年の間繰返されている。また永遠に繰返されるであろう。わが国においても犬と猿の間であった神道と仏教が、キリスト教攻撃については仲よくスクラムを組む事実を見よ。
塚本訳 ルカ 2:34
2:34 シメオンは両親を祝福し、母マリヤに言った、「驚きなさるなよ、この幼児はイスラエルの多くの人を、(この方に対する態度によって)倒させたり立たせたりする、また、一つの目印となって(この世の烈しい)反対をうける、使命を負わされているのです。──
キリスト教が健全である徴候の第一は、この世の勢力から反抗されること、第二はその反抗勢力がこの反抗においてみな合流することである。前者はこの世が悪であることを示し、後者は善に対する悪の力の劣弱なることを暴露する。
健全である限りキリスト教は反抗される。わが世の春を謳(うた)う時、それはもはやキリスト教ではない。
●感話(高橋トミ子)
毎月の感話を書くことによって、生活を正されるような気持ちです。塚本虎二先生に感謝です。
コロナが落ち着いたら、皆さまとお会いできますことを楽しみにしております。