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塚本虎二イエス伝研究第205講 

    ピラト手を洗う

マタイ27章19,24−25節

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塚本訳 マタ 27:19

27:19 ピラトが裁判席に着いているとき、その妻が彼の所に人をやって、「その正しい人に関係しないでください。その人のおかげで、昨夜夢で散々な目にあいましたから」と言わせた。

 

塚本訳 マタ 27:24-25

27:24 ピラトは(自分のすることが)なんの甲斐もないばかりか、かえって騒動が起りそうなのを見て、水を取り寄せ、群衆の前で手を洗って言った、「わたしはこの人の血(を流すこと)に責任をもたない。お前たちが自分で始末しろ。」

27:25 民衆全体が答えた、「その男の血のことなら、われわれが孫子の代まで引き受けた。」

 

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●塚本虎二先生の見解

 

その後二千年のユダヤ人の歴史はこの自己預言の不断の実現に過ぎない。ユダヤ人モンテフィオーレはその註解において、25節の民の叫びをもってマタイの「戦慄すべき発明」であるとし、この恐ろしい一節は

「人の血の大洋と、苦悩と荒廃の止むことなき流れに対して責任がある」と言っている。しかしこれがマタイの発明であるとしても、ただ事実を言ったまでであってユダヤ人がその救世主を殺すことにより自分で自分の運命を呪ったことに変りはない。

 

 

塚本訳 使  5:28

5:28 「あの(男の)名を使って教えてはならぬと(あれほど)堅く申し付けておいたのに、こんなにエルサレム(中)をお前たちの教義で一ぱいにしてしまった。お前たちはあの男の(流した)血(に対する罰)をわれわれに負わせようと思っているのだろう。」

 

塚本訳 使  18:6

18:6 しかしユダヤ人にはこれに反対して(イエスを)冒涜するので、パウロは(絶縁のしるしに)上着の塵を払いおとして彼らに言った、「(最後の裁きの日に流す)あなた達の血の責任は、あなた達自身に負わされる!わたしは良心の咎めなく(あなた達をすてて、)今からのち異教人へ(伝道に)行く。」

 

塚本訳 Tテサ2:15-16

2:15 主イエスをも豫言者をも殺し、また私達(イエスの福音を伝える者)をも迫害した同胞! 神の御意に適わず、凡ての人に敵意をもち、

2:16 私達が異教人の救いのために伝道することを妨げて、いつも自分の“罪の枡目を充たしている”(あの同胞ユダヤ)人達! しかし(神の)御怒りは(今や)遂に彼らに臨んでいる!

 

 

 

●感想(高橋トミ子)

 

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