221113-2     

さかなまーく ΙΧΘΥΣ イクスス()    

イエスス(イエス)クリス(キリスト)、セオス()、ヒュオス()、ソテル(救い主)

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預言の成就としての神の子イエスの生涯

・・・マタイの編集方針・・・

      高橋照男

 

昨日は、妻の友人から私たちに「クリスマス家庭礼拝」の依頼があった。この時思った。「依頼は啓示だ」と。今朝は「預言の成就としての神の子イエスの生涯・・・マタイの編集方針」と題してマタイ福音書の「成就」という言葉を全部見てみよう。パソコンソフト「Jバイブル」駆使。

検索 成就 [塚本訳] 福音書

塚本訳 マタ 1:20-25

1:20 しかし(なおも)そのことを思案していると、主の使いが夢でヨセフに現われて言った、「ダビデの末なるヨセフよ、心配せずにあなたの妻マリヤを(家に)迎えよ。胎内にやどっている者は、聖霊によるのである。

1:21 男の子が生まれるから、その名をイエス(訳すると、神はお救いになる)とつけよ。この方がその民を罪からお救いになるのだから。」

1:22 これはみな、主が預言者(イザヤ)をもって言われた言葉が成就するためにおこったのである。──

1:23 “見よ、乙女が身重になって男の子を産み、人はその(子の)名をインマヌエルと呼ぶであろう。インマヌエルを訳すると神はわれらと共なりである。

1:24 ヨセフは眠りから覚めると、主の使いに命じられたとおりにして、その妻を(家に)迎えた。

1:25 しかし、子が生まれるまでは、一緒にならなかった。そして(子が生まれると、)その名をイエスとつけた。

 

塚本訳 マタ 2:13-15

2:13 博士たちが帰ってゆくと、見よ、主の使いが(また)夢でヨセフに現われて言った、「起きて幼児とその母とを連れてエジプトに逃げ、わたしが言うまでそこにおれ。ヘロデがその幼児をさがして殺そうともくろんでいるから。」

2:14 そこでヨセフは起きて、夜のあいだに幼児とその母とを連れてエジプトに立ちのき、

2:15 ヘロデが死ぬまでそこにいた。主が預言者(ホセア)をもて

わたしはエジプトからわが子を呼び出したと言われた言葉が成就するためであった。


塚本訳 マタ 2:16-18

2:16 あとでヘロデは、博士たちに出し抜かれたことを知って非常に怒り、ベツレヘムをはじめ、その地方全体にいる男の子のうち、(前に)博士たちに確かめておいた時間で計算して、二歳以下の者を、一人のこらず殺させた。

2:17 その時、預言者エレミヤをもって言われた言葉が成就したのである。──

2:18  “声がラマに聞えた、──(ラケルの)はげしいわめきと、なげきの声である。ラケルはその子らのために泣くばかりで、慰められようとしない、子らがもういないので。


塚本訳 マタ 2:22-23

2:22 しかしアケラオが父ヘロデに代わってユダヤを治めていると聞き、恐ろしくなってユダヤへ行かずにいると、また夢でお告げを受けたので、(ユダヤをやめて)ガリラヤ地方に引っ込み、

2:23 ナザレという町に行って住んだ。「彼はナザレ人と言われる」と、預言者たちをもって言われた言葉が成就するためであった。


塚本訳 マタ 4:12-17

4:12 イエスは(洗礼者)ヨハネが牢に入れられたと聞くと、(郷里)ガリラヤ(のナザレ)に引っ込まれた。

4:13 それから(間もなく)ナザレを去って、(昔)ゼブルン(族)とナフタリ(族)との(領地であった)地方にある、(ガリラヤ)湖畔の(町)カペナウムに行って住まれた。

4:14 預言者イザヤをもって言われた言葉が成就するためであった。──

4:15 “(ガリラヤの)湖に向かった、ゼブルン(族)の地とナフタリ(族)の地、ヨルダン川の向こう(のペレヤ)、異教人の(住む)ガリラヤ──

4:16 暗闇に住まう(これらの地方の)民は大いなる光を見、死の陰の地に住まうこの人々に光がのぼった、“

4:17 この時から、イエスは「悔改よ、天の国は近づいた」と言って、教えを説き始められた。


マタ  5: 17

わたしが律法や預言書[聖書]を廃止するために来たと思ってはならない。廃止するどころか、成就するために来たのである。

 

塚本訳 マタ 8:16-17

8:16 夕方になると、人々は悪鬼につかれた者を大勢イエスのところにつれて来た。イエスは言葉をもって霊どもを追い出し、また一人のこらず病人をなおされた。

8:17 “彼はわたし達の煩いを除き、病気を取り去るであろうと、預言者イザヤをもって言われた言葉が成就するためであった。


塚本訳 マタ 12:15-21

12:15 イエスはそれと知って、そこを立ちのかれた。すると大勢の者がついて来たので、一人のこらずその病気をなおして、

12:16 自分のことを世間に知らせるなと戒められた。

12:17 預言者イザヤをもって言われた言葉が成就するためであった。── 

12:18 “これがわたしの選んだ僕、心にかなったわたしの最愛の者。わたしは彼にわたしの霊を与え、彼は異教人に(わたしの)正義を告げる。

12:19 彼は争わず、叫ばず、大通りにその声を聞く者もあるまい。

12:20 傷ついた葦を彼は折らず、くすぶる燈心を消さない、(わたしの)正義に勝利を得させるまでは。

12:21 異教人は彼に望みをかけるであろう。


塚本訳 マタ 13:10-15

13:10 弟子たちが進み寄って、「あの人たちにはなぜ譬をもって話をされますか」とたずねると、

13:11 答えられた、「あなた達(内輪の者)には、天の国の秘密をさとる力が授けられている(のでありのままに話す)が、あの(外の)人たちには授けられていないのだ。

13:12 だれでも持っている人は(さらに)与えられてあり余るが、持たぬ人は、持っているものまでも取り上げられるのである。

13:13 だから、あの人たちには譬をもって話すのである。“見ても見えず、聞いても聞えず、また悟らないからだ。

13:14 こうしてイザヤの預言はあの人たちに成就した。──“あなた達は聞いても聞いても、決して悟るまい、見ても見ても、決してわかるまい。

13:15 この民の心は鈍くなり、耳は遠くなり、その目は閉じてしまっているのだから。そうでないと、彼らは目で見、耳で聞き、心で悟り、心を入れかえて(わたし[神]に帰り)、わたしに直されるかも知れない。

 

塚本訳 マタ 13:33-35

13:33 またほかの譬を彼らに語られた、「天の国はパン種に似ている。女がそれを三サトン(二斗)の粉の中に混ぜたところ、ついに全体が発酵した。」

13:34 イエスはこれらのことを皆譬をもって群衆に語り、譬を使わずには何も語られなかった。

13:35 “わたしは口を開いて譬にて語り、世の始めから隠されていたことを打ち明けよう。”と、預言者をもって言われた言葉が成就するためであった。

 

塚本訳 マタ 21:1-5

21:1 一同がエルサレムに近づき、オリーブ山の中腹のベテパゲに来ると、その時イエスはこう言って二人の弟子を使いにやられた、

21:2 「あの向かいの村まで行ってきなさい。(村に入ると)すぐ、子をつれた驢馬がつないであるのが見える。解いてわたしのところに引いてきてもらいたい。

21:3 もしなんとか言う者があったら、『主がお入用です』と言えばよろしい。すぐ渡してくれるから。」

21:4 これは、預言者(ゼカリヤ)をもって言われた言葉が成就するためにおこったのである。──

21:5 “シオンの娘に告げよ、“見よ、心のやさしいあなたの王が、来られる、驢馬にのって、驢馬の子の子驢馬にのってと。

 

塚本訳 マタ 26:47-54

26:47 イエスの言葉がまだ終らぬうちに、見よ、十二人の一人のユダが来た。大祭司連、国の長老から派遣された大勢の人の群が、剣や棍棒を持ってついて来た。

26:48 イエスを売る者は、「わたしが接吻するのがその人だ。それを捕えよ」と、(あらかじめ)合図をきめておいた。

26:49 そこでいきなりイエスに近寄って、「先生、御機嫌よう」と言って接吻した。

26:50 イエスはユダに言われた、「友よ、そのために来たのではあるまいが!」その時人々が進み寄って、イエスに手をかけて捕えた。

26:51 すると、見よ、イエスと一しょにいた一人の人が手をのばして剣を抜き、大祭司の下男に切りかかって片耳をそぎ落してしまった。

26:52 その時イエスが言われる、「剣を鞘におさめよ。剣による者は皆、剣によって滅びる。

26:53 それとも、父上にお願いして十二軍団以上の天使を今すぐ送っていただくことが、わたしに出来ないと思うのか。

26:54 しかしそれでは、かならずこうなる、とある聖書の言葉は、どうして成就するのか。」

26:55 その時イエスは群の人々に言われた、「強盗にでも向かうように、剣や棍棒を持ってつかまえに来たのか。わたしは毎日宮で坐って教えていたのに、捕えずにおいて、(どうして今、こんな真夜中に来たのか。)

26: 56しかしこれはみな、(救世主は罪人のようにあつかわれるという)預言者たちの聖書の言葉が成就するためにおこったのである。」その時弟子たちは皆イエスをすてて逃げた。

 

塚本訳 マタ 27:6-10

27:6 大祭司連は銀貨を取りのけながら言った、「人殺しの代金だから、賽銭箱に入れるのはよろしくない。」

27:7 そこで決議の上、その金で「瀬戸物屋の畑」(と言われた土地)を買って無縁墓地をつくった。

27:8 そのため、この畑は今日まで「血の畑」と呼ばれる。

27:9 その時、預言者エレミヤをもって言われた言葉が成就した。──“わたしは、値ぶみされた人、すなわちイスラエルの子孫たちが値ぶみした人の代金、銀貨三十枚を取って、

27:10 主がわたしに“命じられたように、それを瀬戸物屋の畑の代金として渡した。


●結論

マタイは、イエスの生涯を「預言の成就」という観点から編集した。20世紀の新約聖書神学は「編集史」で、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ、それぞれの編集神学の探求であった。しかし21世紀は以上のようにパソコンを駆使して素人読みの読み方をすれば、編集神学によらずにマタイの心が見えてくる。。

 

 

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