永遠の命を得るにはどうしたらよいのか
東京聖書読者会 高橋照男 2007.2.4
●「永遠の命を得るにはどうしたらよいのか」との質問
塚本訳 ルカ
10:25
10:25
するとそこに、ひとりの律法学者があらわれて、イエスを試そうとして言った、「先生、何をすれば永遠の命がいただけるのでしょうか。」
塚本訳 マタ
19:16-26
19:16
するとそこに、ひとりの人がイエスの所に来て言った、「先生、永遠の命を得るには、どんなよいことをすればよいでしょうか。」
●イエスの答えは人間に実行不可能なこと。イエスは律法主義者だったのか。
塚本訳 ルカ
10:26-28
10:26
イエスは言われた、「律法[聖書]に何と書いてあるか。解釈はいかに。」
10:27
学者が答えた、「『心のかぎり、精神のかぎり、力のかぎり、』思いのかぎり、『あなたの神なる主を愛せよ。』また」隣の人を自分のように愛せよ」です。」
10:28
彼に言われた、「その答は正しい。『それを実行しなさい。そうすれば(永遠に)生きられる。』」
塚本訳 ルカ
10:36-37
10:36
(それで尋ねるが、)この三人のうち、だれが強盗にあった人の隣の人であったとあなたは考えるか。(同国人の祭司か、レビ人か、それとも異教のサマリヤ人か。)」
10:37
学者はこたえた、「その人に親切をした(サマリヤの)人です。」イエスが言われた、「行って、あなたも同じようにしなさい。(そうすれば永遠の命をいただくことが出来る。)」
塚本訳 マタ
19:17-21
19:17
イエスは言われた、「なぜ善いことについってわたしに尋ねるのか。善いお方はただ一人(神)である。(永遠の)命に入りたければ、(神の)掟を守りなさい。」
19:18
「どの掟を」と彼が言う。イエスはこたえられた、「『殺してはならない、姦淫をしてはならない、盗んではならない、偽りの証言をしてはならない、
19:19
父と母とを敬え、』また『隣の人を自分のように愛せよ。』」
19:20
青年が言う、「それならみんな守っております。まだ何か足りないでしょうか。」
19:21
イエスは言われた、「完全になりたければ、家に帰って持ち物を売って、(その金を)貧乏な人に施しなさい。そうすれば天に宝を積むことができる。それから来て、わたしの弟子になりなさい。」
塚本訳 ヨハ
12:24-25
12:24
アーメン、アーメン、わたしは言う、一粒の麦は、地に落ちて死なねば、いつまでもただの一粒である。しかし死ねば、多くの実を結ぶ。(だからわたしは命をすてる。)
12:25
[(この世の)命をかわいがる者は(永遠の)命を失い、この世で命を憎む者は、命を守って永遠の命にはいるであろう。
●実行不可能なことを言われた場合、人間は理屈を言って逃げる。
塚本訳 ルカ
10:29
10:29
すると学者は照れかくしにイエスに言った、「では、わたしの隣り人とはいったいだれのことですか。」
塚本訳 マタ
19:22
19:22
青年はこの言葉を聞き、悲しそうにして立ち去った。大資産家であったのである。
塚本訳 マタ
19:23-25
19:23
イエスは弟子たちに言われた、「アーメン、わたしは言う、金持が天の国に入ることはむずかしい。
19:24
かさねて言う、金持が天の国に入るよりは、駱駝が針のめどを通る方がたやすい。」
19:25
これを聞いて、弟子たちは非常に驚いて言った、「ではいったい、だれが救われることが出来るのだろう。」
●人間に実行できないことをイエスは自らが成し遂げてくださった。
塚本訳 ルカ
10:33-35
10:33
ところが旅行をしていたひとりのサマリヤ人は、この人のところに来ると、見て不憫に思い、
10:34
近寄って傷にオリブ油と葡萄酒を注いで包帯した上、自分の驢馬に乗せて旅籠屋につれていって介抱した。
10:35
そればかりか、次の日、デナリ銀貨[五百円]を二つ出して旅篭の主人に渡し、『この方を介抱してくれ。費用がかさんだら、わたしが帰りに払うから』と言った(という話)。
塚本訳 マタ
20:28
20:28
人の子(わたし)が来たのも仕えさせるためではない。仕えるため、多くの人のあがない金としてその命を与えるためである。」
塚本訳 マタ
19:26
19:26
イエスは彼らをじっと見て言われた、「これは人間には出来ないが、『神にはなんでも出来る。』」
●では永遠の命とは何なのか。それは神の命との交わり
塚本訳 ヨハ
17:3
17:3
永遠の命とは、ただひとりのまことの神なるあなたと、あなたが遣わされた(子)イエス・キリストとを知ることであります。
塚本訳 Tヨハ5:20
5:20
しかしわたし達は知っている、神の子が来て、(唯一の)まことの者(なる神)を知る知識力をわたし達に与えられたことを。そしてわたし達はこのまことの者の中に、(然り、)御子イエス・キリストの中に、あるのである。この方はまことの神であり、また永遠の命である。
塚本訳 ヨハ
12:49-50
12:49
わたしは自分勝手に話したのではない。わたしを遣わされた父上が、何を言い、何を話すべきかを命じられたのである。
12:50
わたしは父上のこの命令が永遠の命であることを知っている。だからわたしが話していることは、父上の言われたことと寸分ちがわないのである。」
塚本訳 Tヨハ1:3-4
1:3
わたし達が見たもの、また聞いたものを、あなた達にも告げる。あなた達もわたし達と(霊の)交わりを持つためである。しかしわたし達のこの交わりは、(他方においては)父(なる神)とその子イエス・キリストとの交わりである。
1:4
わたし達が(この手紙を)書くのは、(あなた達がわたし達との交わりに入り、)わたし達(が父と子と)の(交わりにおいてもっている)喜びが、完全なものとなるためである。
●永遠の命は求めれば頂ける。人間が求めずとも神は与えようとしておられる。
塚本訳 ルカ
11:11-13
11:11
あなた達のうちのどんなお父さんでも、子が魚を求めるのに、魚の代りに蛇をやるだろうか。
11:12
また卵を求めるのに、蝎をやるだろうか。
11:13
してみると、あなた達は悪い人間でありながらも、自分の子に善い物をやることを知っている。まして天の父上が、求める者に聖霊(という善いもの)を下さらないことがあるだろうか。」
塚本訳 ルカ
12:31-32
12:31
あなた達はむしろ御国を求めよ。そうすれば(食べ物や着物など)こんなものは、(求めずとも)つけたして与えられるであろう。
12:32
小さな群よ、恐れることはない。あなた達の父上は御国をあなた達に下さるつもりだから。
塚本訳 ヨハ
14:22-24
14:22
イスカリオテでない方のユダが言う、「主よ、いったいどういうわけで、わたし達だけに御自分を現わし、この世(の人)にはそうしようとされないのですか。」
14:23
イエスは答えられた、「わたしを愛する者は、わたしの言葉を守る。するとわたしの父上はその人を愛され、わたし達は(父上もわたしも)、その人のところに行って、同居するであろう。
●永遠の命は勝ち取るものでなく、神が常に与えようとされつつあるのだから、信じて受ければよい
塚本訳 ヨハ
3:16
3:16
そのゆえは、神はその独り子を賜わったほどにこの世を愛されたのである。これはその独り子を信ずる者が一人も滅びず、永遠の命を持つことができるためである。
塚本訳 マタ
22:8-14
22:8
それから家来たちに言う、『宴会の用意はできているが、招いた人は(客たる)資格のない者(ばかり)だ。
22:9
だから町の出口の所に行って、出会った者をだれでもよいから宴会に呼んでこい。』
22:10
家来たちは道に出ていって、出会った者を悪人でも善人でも皆集めてきたので、宴会場は客で一ぱいになった。
22:11
王は客を見ようとして入ってきたが、そこに礼服を着けていない者が一人いるのを見て
22:12
その人に言った、『君、礼服も着ずに、なんでここに入ってきたのか。』その人が黙っていると、
22:13
王は家来たちに言った、『あの者の手足を縛って、外の真暗闇に放り出せ。そこでわめき、歯ぎしりするであろう。』
●永遠の命の証拠は? それはイエスの復活。その史実。使徒伝承を信じ受け入れることが大切。教会(集会)の実在連鎖。罪の赦し。胸が熱くなること。
塚本訳 Tコリ15:3-5
15:3
まえにわたしが(福音の)一番大切な事としてあなた達に伝えたのは、わたし自身(エルサレム集会から)受けついだのであるが、キリストが聖書(の預言)どおりにわたし達の罪のために死なれたこと、
15:4
葬られたこと、聖書どおりに三日目に復活しておられること、
15:5
またケパに、それから十二人(の弟子)に、御自分を現わされたことである。
塚本訳 ルカ
24:22-24
24:22
ところがまた、仲間の女たちがわたし達をびっくりさせました。──この女たちは朝早く墓に行ったが、
24:23
お体が見つからずにかえって来て、天使たちがあらわれ、あの方は生きておられる、と告げたと言うのです。
24:24
そこで仲間の男が二三人墓に行って見ると、はたして女たちの言うとおり(墓は空っぽ)だったが、(生きておられるという)その方は見えなかったのです。」
塚本訳 ルカ
24:31-32
24:31
(その時)二人の目が開けて、その方とはっきりわかった。すると(また)その姿が見えなくなった。
24:32
二人は語り合うのであった、「(そう言えば、)道々わたし達に話をされたり、聖書を説き明かされたりした時に、胸の中が熱くなったではないか」と。
使徒信条(讃美歌566番)
・・・・・・・・・・主は聖霊によりて処女(おとめ)マリヤより生まれ、ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ、陰府(よみ)にくだり、三日目に死人のうちよりよみがえり、・・・・・・・・・・・我は聖霊を信ず、聖なる公同の教会、聖徒の交わり、罪の赦し、永遠(とこしえ)の生命(いのち)を信ず。
塚本訳 ルカ
10:16
10:16
(七十二人の者に言っておく。──)あなた達の言うことを聞く者は、わたしの言うことを聞くのであり、あなた達を排斥する者は、わたしを排斥するのである。わたしを排斥する者は、わたしを遣わされた方を排斥するのである。」
●キリストが永遠の命への門。しかしこれが難しい。ユダヤ人の疑問は当然
塚本訳 ヨハ
8:52
8:52
ユダヤ人が言った、「今こそ悪鬼につかれていることが(はっきり)わかった。アブラハムも死に、預言者たちも死んだのに、君は『わたしの言葉を守る者は永遠に死なない』と言う。
文語訳 ヨハ
14:6
14:6
イエス彼に言ひ給ふ『われは道なり、眞理なり、生命なり、我に由らでは誰にても父の御許にいたる者なし。
塚本訳 ヨハ
5:24
5:24
アーメン、アーメン、わたしは言う、わたしの言葉を聞き、わたしを遣わされた方を信ずる者は、(今すでに)永遠の命を持っていて、(最後の日に)罰を受けない。その人はもはや死から命に移っているのである。
●パウロの全書簡は救いの説明。頭はすっきりするが平面的。理性の限界。人間は頭での理解でなく霊の命をいただかなければならない。
塚本訳 ロマ
5:20-21
5:20
(それなら律法は人を義として永遠の命を与えるためには役立たないのか。その通り。)律法は、過ちを増し強めるために第二義的に来たのである。しかし(神に感謝する、人の犯す)罪が増し強まれば、恩恵は豊かにあふれる。
5:21
これは罪が死を持って支配したように、恩恵も義をもって支配し、わたし達の主イエス・キリストによって、(わたし達を)永遠の命に入れるためである。
●死は一時の眠り。復活のときはこの肉体とは違う霊の体が新しく与えられる
塚本訳 Tコリ15:35
15:35
しかし、ある人は言うかも知れない、(かりに復活があるとしても、)どんな風にして死人が復活するのか、どんな体で来るのかと。
塚本訳 Tコリ15:42-44
15:42
死人の復活もこのようである。(一つの体が死んで別の体が生まれる。)死滅の姿でまかれて不滅の姿に復活する。
15:43
恥辱の姿でまかれて栄光の姿に復活する。弱さの姿でまかれて力の姿に復活する。
15:44
(神の霊を持たない)魂だけの体がまかれて霊の体が復活する。魂だけの体がある以上は霊の体もあるわけである。
塚本訳Tコリ15:38
15:38
しかし神は御心のままにそれに体をお与えになる、しかもそれぞれの種に独得の体を。