キリスト教が分かりにくい理由

「あなたの御力によってあの人に霊を降し、心の目を開いてください」

                   東京聖書読者会 高橋照男 2008.12.7

 

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1・キリスト教はわかりにくいものである。その歴史的事実。

2・分からない原因は「霊」のことだから。大脳皮質ではどうしても理解不能。

3・救いは神の絶対的意志の一存による。人間の側からの手だてはない。

4・しかし救いの決定は祈りで変更してくださる。補欠で救っていただきたい。

5・「あなたの御力によってあの人に霊を降し、心の目を開いてください」

6・救われた者はキリストの患難の不足を補う。その宿命の労苦に意味がある。

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1・キリスト教はわかりにくいものである。その歴史的事実。

 

塚本訳 ヨハ 7:12-15

7:12 イエスについて群衆の中にひそひそ話が盛んであった。「善い人だ」と言う者があり、「いや、民衆をまどわす者だ」と言う者があった。

7:13 それでもユダヤ人を恐れて、だれ一人おおぴらに彼のことを話す者はなかった。

7:14 祭がすでに半ばになったとき、(すなわち祭の四日目に、)イエスが宮に上って教えておられると、

7:15 ユダヤ人は驚いて言った、「この人は学校に行ったこともないのに、どうして聖書を知っているのだろうか。」

 

塚本訳 ヨハ 6:52

6:52 するとユダヤ人は、「この人は、どうして自分の肉をわたし達に食べさせることができようか」と言って互に議論をはじめた

 

塚本訳 ヨハ 6:60

6:60 するとこれを聞いて、弟子のうちに、「(自分の肉を食えとは、)これはひどい言葉だ。誰が聞いておられよう」と言う者が大勢あった。

 

塚本訳 Tコリ2:3

2:3 [アテネではこの世の知恵で福音を説こうとしたので失敗した。]それでわたしは、弱く、恐れて、またひどく震えて、あなた達の所にいたのである。

塚本訳 Tコリ2:8

2:8 この世の支配者のだれ一人、これのわかっていた者はなかった。もしわかったならば、栄光の主(キリスト)を十字架につけなかったはずであるから。

 

塚本訳 マタ 13:15

13:15 この民の心は鈍くなり、耳は遠くなり、その目は閉じてしまっているのだから。そうでないと、彼らは目で見、耳で聞き、心で悟り、心を入れかえて(わたし[神]に帰り)、わたしに直されるかも知れない。』

 

塚本訳 使  26:24

26:24 彼がこのように弁明したとき、フェストが大声で(それをさえぎって)言う、「パウロ、お前は気が狂っている。博学がお前を狂わせたのだ。」

 

新共同 Tコリ1:18

1:18 十字架の言葉は、滅んでいく者にとっては愚かなものですが、わたしたち救われる者には神の力です。

 

塚本訳 Tコリ1:21

1:21 なぜなら、(この)世(の人)が自分の知恵により(判断し)、神の知恵(の現われである御業)において神を認めることをしないので、神は馬鹿な(ことと見える十字架の)説教によって信ずる者(だけ)を救おうと、お決めになったからである。

 

塚本訳 Tコリ1:23-24

1:23 わたし達は十字架につけられたキリストのこと(だけ)を説く。すなわち、ユダヤ人にはつまづき、異教人には馬鹿なことであるけれども、

1:24 (神に)召された者だけには、ユダヤ人、異教人の別なく、(これこそ)神の力、また神の知恵なるキリストを(説くのである)。

 

 

2・分からない原因は「霊」のことだから。大脳皮質ではどうしても理解不能。

 

塚本訳 Tコリ2:9

2:9 しかし(聖書に)書いてあるとおり(に実現したの)である。『目も見ず耳も聞かず』、人の『心に起こらなかった』もの、『これを神は御自分を愛する者たちのために』用意された。

 

塚本訳 ヨハ 6:63

6:63 霊が命を与える肉はなんの役にも立たない。いまわたしがあなた達に話した言葉は、霊である。だから、命である。

 

塚本訳 Tコリ2:14

2:14 しかし(御霊を持たない)生まれながらの人間は、神の霊から出てくることを受け入れない。彼にはそれが馬鹿なことなのである。またそれを理解することも出来ない。(霊のことは)霊的に判断されねばならないからである。

 

塚本訳 ヨハ 7:38-39

7:38 わたしを信ずる者は、聖書が言っているように、『そのお腹から、清水が川となって流れ出るであろう。』」

7:39 これは、彼を信ずる者が受けるべき御霊のことを言われたのである。イエスは(その時)まだ栄光を受けておられなかったため、御霊がまだ下っていなかったからである。(「であろう」と言われたのはそのためである。)

 

塚本訳 ヨハ 14:15-17

14:15 あなた達は(皆別れを悲しんでいるが、本当に)わたしを愛するなら、わたしの掟を守り(互に愛し)なさい。

14:16 そうすればわたしも父上に願って、(わたしに代わる)ほかの弁護者をおくっていただき、いつまでもあなた達と一しょにおるようにしてあげる。

14:17 これは真理の霊である。この世(の人)には見えもせず、わかりもしないから、これを受けいれることが出来ない。(しかし)あなた達にはこの霊がわかる。いつもあなた達のところをはなれず、また、あなた達の中におるのだから。

 

 

3・救いは神の絶対的意志の一存による。人間の側からの手だてはない。

 

塚本訳 ヨハ 5:21

5:21 それは、父上が(心のままに)死人を生き返らせて命を与えられるように、子も自分の欲する者に命を与えるからである。

 

塚本訳 ヨハ 6:44

6:44 (わたしを信じないのは、父上が引っ張ってくださらないからだ。)わたしを遣わされた父上が引っ張ってくださらなければ、だれもわたしの所に来ることはできない。(しかし来れば、)わたしはその人をきっと最後の日に復活させる。

 

塚本訳 ヨハ 6:65

6:65 そして言われた、「だから『父上に許された者でなければ、だれもわたしの所に来ることは出来ない』と言ったのだ。」

 

塚本訳 使  16:14

16:14 するとテアテラ町の紫毛織物の商人で、敬信家のルデヤという婦人が聞いていたが、主はその心を開いてパウロの話に耳を傾けさせられた。

 

塚本訳 ルカ 24:45-46

24:45 それから聖書をわからせるために彼らの心を開いて

24:46 言われた、「救世主は苦しみをうけて、三日目に死人の中から復活する。

 

新共同 Uコリ4:6

4:6 「闇から光が輝き出よ」と命じられた神は、わたしたちの心の内に輝いて、イエス・キリストの御顔に輝く神の栄光を悟る光を与えてくださいました

 

塚本訳 Tコリ2:10

2:10 しかしわたし達には、神が御霊によって(すべてを)あらわしてくださった。(わたし達に住ませてくださる)その御霊は、すべてのことを、神の(御心の)深いところまでも、見抜かれるからである。

 

塚本訳マタ 16:16-17

16:16 シモン・ペテロが答えて言った、「あなたは救世主、生ける神の子であります!」

16:17 するとイエスは(喜んで)ペテロに答えられた、「バルヨナ・シモン、あなたは幸いだ。これをあなたに示したのは血肉([人間]の知恵)でなく、わたしの天の父上だから。

 

塚本訳 コロ 1:13-14

1:13 父は暗闇の権力から私達を救い出して、その愛の御子の王国に移し給うた。

1:14 私達は彼において贖罪すなわち罪の赦しを持っているのである。

 

新共同 エペ 1:7

1:7 わたしたちはこの御子において、その血によって贖われ、罪を赦されました。これは、神の豊かな恵みによるものです。

 

塚本訳 ピリ 2:13

2:13 (しかしもちろんこれは君達の力では出来ない。)何故なら、(救いに関わる)御旨を成し遂ぐるため、君達のうちに働いて、(救いの)願望を起こさせ、これを成就せしめ給う者は、神であるからである

 

塚本訳 ヨハ 14:22-23

14:22 イスカリオテでない方のユダが言う、「主よ、いったいどういうわけで、わたし達だけに御自分を現わし、この世(の人)にはそうしようとされないのですか。」

14:23 イエスは答えられた、「わたしを愛する者は、わたしの言葉を守る。するとわたしの父上はその人を愛され、わたし達は(父上もわたしも)、その人のところに行って、同居するであろう。

 

塚本訳 Tヨハ2:27

2:27 しかしあなた達は、キリストから戴いた油(すなわち聖霊)が留っているのだから、だれからも教えてもらう必要はない。彼の油が万事についてあなた達に教えるように、またそれはまことであって、嘘ではない。そしてその油があなた達に教えたとおり、(つねに)キリストに留っておれ。

 

塚本訳 ヨハ 6:64

6:64 しかしあなた達のうちには、信じていない者がすこしある。」イエスには、だれだれは信じない、だれは自分を敵に売ると、始めからわかっていたのである。

 

 

4・しかし救いの決定は祈りで変更してくださる。補欠で救っていただきたい。

 

塚本訳 マタ 15:27-28

15:27 しかし女は言った、「主よ、是非どうぞ!小犬どもも、御主人の食卓から落ちるパン屑をいただくのですから。」

15:28 そこでイエスは答えられた、「ああ、女の人、りっぱな信仰だ。願いどおりに成れ。」すると、ちょうどその時から、娘は直った。

 

塚本訳 マコ 9:20-23

9:20 人々がイエスの所につれて来ると、霊はイエスを見るや否や、その子をひどくひきつけさせたので、子は地に倒れ、泡をふきながらころげまわった。

9:21 イエスが父親に尋ねられた、「こうなってから、どのくらいになるか。」父親がこたえた、「子供の時からです。

9:22 霊はこの子を殺そうとして、幾たびか、火の中、水の中に投げ込みました。それでも、もしなんとかお出来になるなら、わたしども(親子)を不憫と思って、お助けください。」

9:23 イエスは言われた、「もしお出来になるなら(と言うの)か。信ずる者にはなんでも出来る。」

 

塚本訳 ルカ 18:1-5

18:1 なお、気を落さずに常に祈るべきことについて、一つの譬をひいて弟子たちに話された、

18:2 「ある町に、神を恐れず、人を人とも思わない裁判官があった。

18:3 またその町に一人の寡婦がいた。いつもその裁判官の所に来ては、『(早く裁判をして)わたしのため敵に仕返しをしてください』と言っていた。

18:4 裁判官はしばらくの間は取り合おうとしなかったが、あとでひそかに考えた、『わたしは神を恐れず、人を人とも思わないが、

18:5 この寡婦はどうもうるさくて、やりきれないから、(裁判をして、)この女のために仕返しをしてやろう。そうしないと最後にはやって来て、わたしをどんなひどい目にあわせるか知れない。』」

 

塚本訳 ルカ 23:42-43

23:42 それから(イエスに)言った、「イエス様、こんどあなたのお国と共にお出でになる時には、どうかわたしのことを思い出してください

23:43 「イエスが言われた、「アーメン、わたしは言う、(その時を待たずとも、)あなたはきょう、わたしと一しょに極楽にはいることができる。」

 

 

5・「あなたの御力によってあの人に霊を降し、心の目を開いてください」

 

新共同 エペ 1:17-18

1:17 どうか、わたしたちの主イエス・キリストの神、栄光の源である御父が、あなたがたに知恵と啓示との霊を与え、神を深く知ることができるようにし、

1:18 心の目を開いてくださるように。そして、神の招きによってどのような希望が与えられているか、聖なる者たちの受け継ぐものがどれほど豊かな栄光に輝いているか悟らせてくださるように。

 

* 心の目=オフサルス・ホ・カロア   開いて、はっきり見える=フォティゾー

 

塚本訳 使  26:16-18

26:16 さあ、起きて、『自分の足で立て。』わたしが(今)現われたのは、君を選んで、わたしを見たことと、(今からも)君に現われて示すこととの証人として、わたしに仕えさせるためである。

26:17 (かずかずの迫害や危険がのぞむが心配するな。)わたしは君をこの(イスラエルの)民(の手)から、また』異教人(の手)から』『(かならず)救い出してやる。』『彼らの中にわたしが君を遣わすのは、』

26:18 彼らの“目をあけて”彼らが『暗闇から光に、』悪魔の権力から神に帰るため、そうして彼らがわたしに対する信仰によって罪の赦しを得、きよめられた人たちの仲間に入れていただくためである』と。

 

新共同 コロ 1:9-10

1:9 こういうわけで、そのことを聞いたときから、わたしたちは、絶えずあなたがたのために祈り、願っています。どうか、"霊"によるあらゆる知恵と理解によって、神の御心を十分悟り

1:10 すべての点で主に喜ばれるように主に従って歩み、あらゆる善い業を行って実を結び、神をますます深く知るように。

 

塚本訳 コロ 1:9

1:9 それ故私達もそのことを聞いた日から絶えず(神に)祈って、君達が御霊による凡ての知恵と聡明とを与えられて、神の御意を知る知識に満たされんことを求めている。

 

塚本訳 ルカ 11:13

11:13 してみると、あなた達は悪い人間でありながらも、自分の子に善い物をやることを知っている。まして天の父上が、求める者に聖霊(という善いもの)を下さらないことがあるだろうか。」

 

 

6・救われた者はキリストの患難の不足を補う。その宿命の労苦に意味がある。

 

塚本訳 マタ 10:21-22

10:21 また兄弟は兄弟を、父は子を、殺すために(裁判所に)引き渡し、『子は親にさからい立って』これを殺すであろう

10:22 あなた達はわたしの弟子であるために皆から憎まれる。しかし最後まで耐え忍ぶ者は救われる。

 

塚本訳 マタ 10:28

10:28 体を殺しても、魂を殺すことの出来ない者を恐れることはない。ただ、魂も体も地獄で滅ぼすことの出来るお方を恐れよ。

 

文語訳 ヨハ 15:13

15:13 人その友のために己の生命を棄つる、之より大なる愛はなし

 

塚本訳 コロ 1:24

1:24 今私は君達のために苦しむことを喜びとし、またキリスト・イエスの体なる教会のために私の体でキリストの患難の不足を補っている

 

塚本訳 Tコリ15:58

15:58 だから、わたしの愛する兄弟たちよ、しっかりしておれ、動かずにおれ、いつも主の仕事にぬきんでよ。骨折りが主にあってむだにならないことを、あなた達は知っているのだから。

 

塚本訳 ヤコ 1:2

1:2 わが兄弟達よ、種々な試練に遭った時には、(それを)無上の喜びと思え

 

塚本訳 Uテサ1:5

1:5 (実はかく)君達が苦しんでいることが(とりも直さず)神の正しい(最後の)審判の(既に切迫している)兆であり、(またそれにより)君達が神の国に相応しい者とされるためであって、君達は(今)その御国のために苦しんでいるので、

 

塚本訳 Uコリ7:10

7:10 なぜなら、神の御心に沿った悲しみは、(人を)救いに入れる悔いのない悔改めをもたらすけれども、この世(的)の悲しみは、(絶望と)死をもたらすからである。

 

塚本訳ロマ 8:24-25

8:24 なぜなら、わたし達は(最後の日に救いが完成されるという)望みをもって、救われているからである。目に見ることのできる望みは望みではない。人はいま現に見ているものを、なんでその上望む必要があろうか。

8:25 しかしわたし達が見ていないものを望むとすれば、忍耐をもって待たねばならない。

 

塚本訳  ガラ 5:5

5:5 (キリストを信ずる)わたし達は、御霊によって、信仰により、(最後の日に)義とされる希望をもって待っているからである。

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