実のならない木から命の木の実にさせられる
東京聖書読者会 高橋照男 2011年2月6日
【聖書の中の「実のなる木とならない木」の対比 】
*流れのほとりに植えられた木は実を結ぶ
*芽が出ない、成長しない、すくすく伸びる。この違いの原因は何か。
*木はその実によって知られる
*霊の実と肉の実は明白である。
【実がならないのは悪魔のしわざ。悪魔に対する神の怒り】
*この世に良い実を結ばない毒麦があるのは宿命。
*毒麦は抜くな、裁くな。そのままにしておけ。悪いものは神が引き抜かれる。
*イスラエルは実のならない木であった。神の怒りの激しさ。
【神は人に実をならせようならせようとしておられる】
*だから神の力に頼るときに実は結ぶ。すると神が働かれる
*神ご自身が実をならせようと努力されておられる。人生の苦難と不幸の意味
*実のならない木にこそ神は目をかけて下さる
*復活は死人の中から神が起こされること。その初穂がキリスト。我々の希望*全被造物は呻いている。神は最後の日には全被造物を復活させる
【実を結ぶために命の木につながり続ける努力とは】
*「聖書(それ自身)読者」であり続けること。聖書を読む生活であれ。
*集会を休んではいけない
*復活を信じない信者とは交際しないこと。これが来るべき世への準備
*この世に調子を合わせてはいけない
【独り子の犠牲によって命の木の実にさせられる】
*パウロの悩み―――同胞イスラエル人の不信仰
*失敗と涙の人生は無駄には終わらない。信者の犠牲の苦は神に知られている
*神の独り子の犠牲によって命の木の実にさせられる
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【聖書の中の「実のなる木とならない木」の対比 】
*流れのほとりに植えられた木は実を結ぶ
口語訳 詩 1:1-6
1:1 悪しき者のはかりごとに歩まず、罪びとの道に立たず、あざける者の座にすわらぬ人はさいわいである。
1:2 このような人は主のおきてをよろこび、昼も夜もそのおきてを思う。
1:3 このような人は流れのほとりに植えられた木の/時が来ると実を結び、その葉もしぼまないように、そのなすところは皆栄える。
1:4 悪しき者はそうでない、風の吹き去るもみがらのようだ。
1:5 それゆえ、悪しき者はさばきに耐えない。罪びとは正しい者のつどいに立つことができない。
1:6 主は正しい者の道を知られる。しかし、悪しき者の道は滅びる。
*芽が出ない、成長しない、すくすく伸びる。この違いの原因は何か。
塚本訳マタ 13:18-23
13:18 だからあなた達には種まく人の譬を説明してあげよう。──
13:19 だれでも御国の言葉を聞いて悟らないと、悪者[悪魔]が来て、心の中にまかれたものを奪ってゆく。これは道ばたにまかれた人である。
13:20 岩地にまかれたもの、これは御言葉を聞いてすぐ喜んで受けいれるが、
13:21 自分の中に(しっかりした信仰)の根がなく、ただその当座だけであるから、御言葉のために苦難や迫害がおこると、すぐ信仰から離れおちる人である。
13:22 茨の中にまかれたもの、これは御言葉を聞くが、(しばらく信じているうちに、)この世の心配や富の惑わしが御言葉を押えつけて、みのらない人である。
13:23 しかし良い地にまかれたもの、これは御言葉を聞いて悟る人で、きっと実を結び、あるいは百倍、あるいは六十倍、あるいは三十倍になるのである。」
塚本訳 マタ 13:31-32
13:31 またほかの譬を彼らに示して言われた、「天の国は芥子粒に似ている。ある人がそれを畑にまいた。
13:32 これはあらゆる種の中で一番小さいが、育つと、野菜の中で一番大きくなり、(大きな)木になって、『空の鳥が』来て『その枝に巣を作る』ようになるのである。」
*木はその実によって知られる
塚本訳 マタ 12:32-34
12:32 人の子(わたし)を冒涜する者ですら赦していただけるが、聖霊を冒涜する者は、この世でも来るべき世でも(決して)赦されない。
12:33 木を良いとするなら、その実をも良いとせよ。また、木を悪いとするなら、その実をも悪いとせよ。木(の良し悪し)は実で知られるのである。
12:34 蝮の末よ、あなた達(自身)が悪いのに、どうして善いことが言えよう。心にあふれて口に出るのだから。
塚本訳マタ 7:15-21
7:15 偽預言者に用心せよ。(やさしい)羊の皮をかぶって来るが、内側は強盗の狼である。
7:16 (結ぶ)実で偽預言者はわかる。茨から葡萄が、薊から無花果がとれようか。
7:17 (そのように、)善い木は皆良い実を結び、わるい木は悪い実を結ぶ。
7:18 善い木に悪い実がなることは出来ず、わるい木に良い実がなることも出来ない。
7:19 良い実を結ばない木はどんな木でも、切られて火の中に投げ込まれる。
7:20 それだから、(結ぶ)実で、偽預言者はわかるのである。
*霊の実と肉の実は明白である。
塚本訳 ガラ 5:19-22
5:19 肉の行いは明らかである。──それは不品行、汚れ、放蕩、
5:20 偶像礼拝、魔術、敵意、争い、嫉妬、激怒、我利、仲違い、党派心、
5:21 そねみ、酩酊、酒宴等々である。前もって言ったことであるが、(今もう一度)あらかじめ言っておく、こんなことをする者は、神の国を相続することがないであろう。
5:22 しかし霊の実は愛、喜び、平和、寛容、親切、善良、忠実、
【実がならないのは悪魔のしわざ。悪魔に対する神の怒り】
*この世に良い実を結ばない毒麦があるのは宿命。
塚本訳マタ 13:24-26
13:24 またほかの譬を群衆に示して言われた、「天の国は畑に良い種をまく人にたとえられる。
13:25 人々が(夜)眠っている間に敵が来て、麦の中に毒麦をまいて行った。
13:26 苗が芽生えて実を結ぶと、その時毒麦も現われた。
塚本訳 マタ 18:6-7
18:6 しかしわたしを信ずるこの小さな者を一人でも罪にいざなう者は、大きな挽臼を頚にかけられて深い海に沈められる方が得である。
18:7 この世は罪のいざないがあるから禍だ、罪のいざないの来るのを避けることができないからである。しかしいざないを来させる人は禍だ。
*毒麦は抜くな、裁くな。そのままにしておけ。悪いものは神が引き抜かれる。
塚本訳マタ 13:27-29
13:27 使用人たちが来て家の主人に言った、『ご主人、畑には良い種をまかれたのではないですか。すると毒麦はどこから来たのでしょうか。』
13:28 主人がこたえた、『敵のしわざだ。』使用人たちが言う、『では、行って抜き取りましょうか。』
13:29 主人が言う、『いや、毒麦を抜き取ろうとして、麦まで一しょに引き抜くかも知れない。
13:30 両方とも刈入れまで育つままにしておけ。刈入れの時、わたしが刈入れ人たちに言いつける、まず毒麦を抜き取り、束にしばって焼きすてよ、麦の方は集めて倉に入れよ、と。』」
塚本訳マタ 15:13-14
15:13 イエスは答えられた、「わたしの天の父上がお植えにならないものは皆、引き抜かれる。
15:14 あの人たちを放っておけ。盲人の手引をする盲人だ。盲人が盲人の手引をすれば、二人とも穴に落ちよう。」
塚本訳 使 5:38-39
5:38 だから今のところ、わたしは諸君に言う。あの人たちから手を引いて、(そっと)放っておきなさい。それは、もしあの企てやすることが人間(の考え)から出たものならば、(手を下すまでもなくひとりでに)ほろびるであろうし、
5:39 神から出たものなら、(どんなにしても)彼らをほろぼすことは出来ないのだから。そうでないと、諸君は神に手向かう者にならぬとはかぎらない。」そこで彼らはその勧告に従って、
*イスラエルは実のならない木であった。神の怒りの激しさ。
塚本訳 マタ 21:18-19
21:18 (次の)朝早く都に帰られるとき、イエスは空腹であった。
21:19 それで道ばたに一本の無花果の木があるのを見て、そこに行かれた。が見ると、ただ葉ばかりで何もなかった。イエスはその木に言われる、「もはやいつまでも、お前には実がなってはならない!」無花果の木は見る間に枯れてしまった。
塚本訳 マタ 21:12-13
21:12 イエスは宮に入って、宮(の庭)で物を売る者や買う者を皆追い出し、両替屋の台や、鳩を売る者の腰掛けを倒された。
21:13 それからこう言われた、「『わたしの家は祈りの家と呼ばれるべきである』と(聖書に)書いてあるのに、あなた達はそれを『強盗の巣』にしている。」
新共同 黙 3:1
3:1 サルディスにある教会の天使にこう書き送れ。『神の七つの霊と七つの星とを持っている方が、次のように言われる。「わたしはあなたの行いを知っている。あなたが生きているとは名ばかりで、実は死んでいる。
【神は人に実をならせようならせようとしておられる】
*だから神の力に頼るときに実は結ぶ。すると神が働かれる
塚本訳マコ 4:26-29
4:26 また言われた、「神の国はこんなものだ。──ある人が地に種を蒔き、
4:27 夜昼、寝起きしていると、種は芽生えて育ってゆくが、本人はその訳を(すら)知らない。
4:28 (すなわち)地はひとりでに実を結ぶので、初めに茎、次に穂、次に穂の中に熟しきった粒ができる。
4:29 実が熟すると、すぐに『鎌を入れる。刈入れ時が来たのである。』」
塚本訳マタ 25:25-27
25:26 主人が答えた、『怠け者の、悪い僕よ、わたしがまかない所で刈り取り、まき散らさない所で集めることを知っていたのか。
25:27 それなら、わたしの金を銀行に入れておくべきであった。そうすればかえって来たとき、(元金に)利子をつけてもどしてもらえたのに。
*神ご自身が実をならせようと努力されておられる。人生の苦難と不幸の意味
塚本訳 ヨハ 15:1-4
15:1 わたしがまことの葡萄の木、父上は栽培人である。
15:2 わたしについている蔓で実を結ばないものは、父上が皆それを切り取ってしまわれる。また実を結ぶものは、より多く実を結ぶように、皆それを奇麗に刈り込まれる。
15:3 あなた達はわたしが語った言葉(を受け入れること)によって(汚れを除かれ)、すでに奇麗になっている。
*実のならない木にこそ神は目をかけて下さる
塚本訳ルカ 13:6-9
13:6 そこでこの譬を話された、「ある人が葡萄畑に一本の無花果の木を植えておいた。(ある日)実をさがしに来たが、見つからないので、
13:7 葡萄畑の作男に言った、『もう三年この方、この無花果の木に実をさがしに来ているのに、まだ実がならない。切ってくれ。(ならないばかりか、)なんで土地までくたびれさせることがあろう。』
13:8 答えて言う、『ご主人、今年もう一年だけ勘弁してやってください。今度は回りを掘って、肥料をやってみますから。
13:9 それで来年実を結べばよし、それでもだめなら、切ってください。』」
*復活は死人の中から神が起こされること。その初穂がキリスト。我々の希望
新共同 Tコリ15:20
15:20 しかし、実際、キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました。
*全被造物は呻いている。神は最後の日には全被造物を復活させる
塚本訳ロマ 8:20-22
8:20 なぜであるか。創造物は自分から(今のような)はかない運命に屈伏したのでなく、それは屈伏させたお方([神]の御心)によるからである。(彼らはアダムの罪の責任を負わされたのである。)しかし(この屈伏には)望みがある。
8:21 創造物自身も、滅亡の奴隷になっている(現在の)状態から自由にされて、神の子供たちがうける栄光と自由とにあずかるのだから。
8:22 わたし達が知っているように、全創造物は(かの日から)今まで、一しょになって呻き、一しょになって産みの苦しみをしている。(父なる神がこの 呻きに耳を傾けられないことがあろうか。)
口語訳 イザ 65:17,25
65:17 見よ、わたしは新しい天と、新しい地とを創造する。さきの事はおぼえられることなく、心に思い起すことはない。
65:25 おおかみと小羊とは共に食らい、ししは牛のようにわらを食らい、へびはちりを食物とする。彼らはわが聖なる山のどこでもそこなうことなく、やぶることはない」と主は言われる。
【実を結ぶために命の木につながり続ける努力とは】
塚本訳 ヨハ 15:5-6
15:5 わたしが葡萄の木、あなた達は蔓である。わたしに留っており、わたしもその人に留っている人だけが、多くの実を結ぶのである。あなた達はわたしを離れては、何一つすることは出来ないのだから。
*「聖書(それ自身)読者」であり続けること。聖書を読む生活であれ。
塚本訳 ルカ 16:28-29
16:28 わたしに五人の兄弟があります。彼らまでがこの苦しみの場所に来ないように、よく言って聞かせてください。』
16:29 しかしアブラハムは言う、『(その必要はない。)彼らにはモーセ(律法)と預言書と[聖書]がある。その教えに従えばよろしい。』
*集会を休んではいけない
塚本訳ヘブ 10:25
10:25 (また、)ある人々がするように、集会を怠けず、むしろ互に勧め(合って出席す)るようにしなくてはいけない。その日が近づいていることをあなた達は知っているから、いよいよそうしなくては!
*復活を信じない信者とは交際しないこと。これが来るべき世への準備
塚本訳 Tコリ15:33
15:33 迷わされてはならない。(復活の信仰のない人との交際に注意せよ。)悪い交際は良い習慣をこわす。(と詩人も言っている。)
*この世に調子を合わせてはいけない
塚本訳 マタ 19:30
19:30 しかし(決して油断をしてはならない。)一番の者が最後になり、最後の者が一番になることが多い。
塚本訳 ロマ 12:2
12:2 また、この世に調子を合わせてはならない。むしろ反対に、何が神の御心であるか、何が善であり、お気に入るものであり、また完全であるかを見分け得るために、(御霊によって)心を一新されて自分を造りかえていただけ。(そうすれば来るべき世への準備ができる。)
【神の独り子の犠牲によって命の木の実にさせられる】
*パウロの悩み―――同胞イスラエル人の不信仰
塚本訳 ロマ 9:3
9:3 ほんとうに、兄弟すなわち血を分けた同胞の(救われる)ためならば、このわたしは呪われて、救世主(の救い)から離れ落ちてもよいと、幾たび(神に)願ったことであろう。
*失敗と涙の人生は無駄には終わらない。信者の犠牲の苦は神に知られている
塚本訳Tコリ15:58
15:58 だから、わたしの愛する兄弟たちよ、しっかりしておれ、動かずにおれ、いつも主の仕事にぬきんでよ。骨折りが主にあってむだにならないことを、あなた達は知っているのだから。
*神の独り子の犠牲によって命の木の実にさせられる
塚本訳ヨハ 12:24
12:24 アーメン、アーメン、わたしは言う、一粒の麦は、地に落ちて死なねば、いつまでもただの一粒である。しかし死ねば、多くの実を結ぶ。(だからわたしは命をすてる。)
塚本訳 黙 22:2
22:2 都の大通りの真中と河の此方彼方に生命の樹があって、(一年に)十二度実を結ぶ、すなわち月毎に実が生るのである。そしてその樹の葉は諸国の民(の凡ての病と傷と)を医す。
塚本訳 黙 2:7
2:7 耳を有っている者は、御霊が(全)教会に言い給うことの何であるかを聴け。勝利者には、神の楽園にある生命の樹からその実を食うことを許すであろう。
塚本訳 黙 22:17
22:17 すると御霊と新婦とが(答えて)言う、「来たり給え」と。聞く者も(また)「来たり給え」と言え。渇く者は来い。望む者は無代で生命の水を受けよ。