霊魂の救いは終末(来世)で決定される
マタイ22:1−14「王子の結婚披露宴の譬」
東京聖書読者会 2011.3.6 高橋照男
【第一幕(1〜8節)。神の救いをイスラエル人は拒否した】
*神はまずイスラエル全体を救おうとされた
*イスラエルは神の招きを拒否した
*神の腹いせの怒りと救いの対象の変更
【第二幕(9〜10節)。神の救いはこの世で気の毒な人に変わった】
*神の心はイスラエルの気の毒な人の方に目をかけるように変わった
*神は異教人の救いにも目を向けるようになった
【第三幕(11〜14節)。霊魂の救いは終末(来世)で決定される】
*第一幕と二幕は歴史的事実。ユダヤ人のイエス殺害とエルサレム陥落
*「死は眠り」。救い、復活、永遠の命は終末(来世)での神の絶対主権による
*第三幕は来世の様相。神の国には地上で不幸だった人が招かれる
*宴会に招かれても貸し出される礼服を着ない人はまた神の怒りの対象となる
*神が貸し出される礼服を着るとはどういうことか。神に無理に着せられる事
*黙示録の「第二の死」という霊魂の永遠の死
*「救われる者は少ないか」に対するイエスの謎の答え
*人間はどうしても救いの徴(保証、証拠、権威)を求める。教会の洗礼等
*生きているうちに終末(来世)での霊魂の救いの保証(証拠)は「聖霊」
*生きて十字架の救いと有体的復活を信じられる時、それは聖霊を賜ったこと
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【第一幕(1〜8節)。神の救いをイスラエル人は拒否した】
*神はまずイスラエル全体を救おうとされた
口語訳 イザ
49:3
49:3 また、わたしに言われた、「あなたはわがしもべ、わが栄光をあらわすべきイスラエルである」と。
塚本訳 マタ
10:5-6
10:5
イエスはこの十二人に次のように命じて(伝道に)派遣された。──「(国を離れてはいけない。)異教人の所へ行くな、またサマリヤ人の町に入るな。
10:6
ただ、イスラエルの家のいなくなった羊(だけ)に行け。
*イスラエルは神の招きを拒否した
塚本訳 ヨハ
7:44-48
7:44
なかには彼を捕えようと思う者もあったが、手をかける者はなかった。
7:45
やがて下役らが(手ぶらで)かえって来ると、大祭司連とパリサイ人とが言った、「なぜあれを引いてこなかったか。」
7:46
下役らが答えた、「あの人が話すように話した人は、いまだかつてありません。」
7:47
パリサイ人が答えた、「君たちまでが迷わされたのではあるまいね。
7:48
(最高法院の)役人かパリサイ人のうちに、あれを信じた者がひとりでもあるというのか。
塚本訳マタ
23:37
23:37
ああエルサレム、エルサレム、預言者を殺し、(神から)遣わされた者を石で打ち殺して(ばかり)いる者よ、雌鳥がその雛を翼の下に集めるように、何度わたしはお前の子供たちを(わたしの所に)集めようとしたことか。だがお前たち(エルサレムの者)はそれを好まなかった。
*神の腹いせの怒りと救いの対象の変更
塚本訳 ルカ
14:21
14:21
僕がかえって来てそのことを主人に報告すると、主人は怒って僕に言った、『大急ぎで町の大通りや路地へ行って、貧乏人や片輪や盲人や足なえをここにつれて来なさい。』
塚本訳マタ
21:32
21:32
そのわけは、(洗礼者)ヨハネが義の道を示しに来たのに、あなた達は彼を信ぜず、税金取りや遊女の方がかえって信じたからだ。しかしあなた達は(あの人たちが悔改めるのを)見たあとでも、後悔して彼を信じようとしなかった。
【第二幕(9〜10節)。神の救いはこの世で気の毒な人に変わった】
*イエスはイスラエルの気の毒な人の方に目をかけるように変わった
塚本訳 ルカ
5:29-32
5:29
レビがイエスのために家で大宴会を催すと、税金取り、その他の人々が大勢、(イエスや弟子たちと)共に食卓についていた。
5:30
パリサイ人とパリサイ派の聖書学者が弟子たちに向かってつぶやいた、「なぜあなた達は税金取りや罪人と一しょに飲み食いするのか。」
5:31
イエスはその人たちに答えられた、「健康な者に医者はいらない、医者のいるのは病人である。
5:32
わたしは正しい人を招きに来たのではない、罪人を招いて悔改めさせるために来たのである。」
塚本訳 マタ
11:3-5
11:3
「来るべき方(救世主)はあなたですか、それともほかの人を待つべきでしょうか」とたずねさせた。
11:4
イエスは答えられた、「行って、(今ここで)聞いていること見ていることをヨハネに報告しなさい。
11:5
──『盲人は見えるようになり、』足なえは歩きまわり、癩病人は清まり、聾は聞き、死人は生きかえり、『貧しい人は福音を聞かされている』と。
塚本訳 マタ
15:31
15:31
群衆は唖が物を言い、片輪が直り、足なえが歩きまわり、盲人が目が見えるようになったのを見て驚き、イスラエルの神を讃美した。
塚本訳 マタ
21:13-14
21:13
それからこう言われた、「『わたしの家は祈りの家と呼ばれるべきである』と(聖書に)書いてあるのに、あなた達はそれを『強盗の巣』にしている。」
21:14
宮(の庭)で盲人や足なえが寄ってきたので、イエスはそれをなおしてやられた。
新共同 申
7:7-8
7:7 主が心引かれてあなたたちを選ばれたのは、あなたたちが他のどの民よりも数が多かったからではない。あなたたちは他のどの民よりも貧弱であった。
7:8 ただ、あなたに対する主の愛のゆえに、あなたたちの先祖に誓われた誓いを守られたゆえに、主は力ある御手をもってあなたたちを導き出し、エジプトの王、ファラオが支配する奴隷の家から救い出されたのである。
*神は異教人の救いにも目を向けるようになった
塚本訳 使 13:46
13:46
そこでパウロとバルナバとは公然こう宣言した、「神の言葉は(お約束どおり)まず第一に、君たち(ユダヤ人)に語られねばならなかった。(だから、そうしたのだ。)しかし君たちがそれをはねつけ、自分で自分を永遠の命にふさわしからぬ者とするので、それでは、よし、異教人(の伝道)へ方向をかえる。
【第三幕(11〜14節)。霊魂の救いは終末(来世)で決定される】
*第一幕と二幕は歴史的事実。ユダヤ人のイエス殺害と70年エルサレム陥落
塚本訳 ルカ
19:43-44
19:43
やがて時が来て、敵はお前のまわりに塁を築き、お前を取り巻いて四方から攻め立て、
19:44
お前と、そこにいる『お前の子供たちを地べたに叩きつけ、』お前の中に、そのまま重なっている石が一つもないようにするであろう。恩恵の時を知らなかった罰である。」
*「死は眠り」。救い、復活、永遠の命は終末(来世)での神の絶対主権による
塚本訳 ヘブ
9:27
9:27
そして、ただ一度死ぬことと、そのあとで(神の前に出て)裁きを受けることとが人間にきまっていると同様、
塚本訳 ヨハ
11:11-14
11:11
こう話して、またそのあとで言われる、「わたし達の友人ラザロが眠った。目をさましに行ってやろう。」
11:12
弟子たちが言った、「主よ、眠ったなら(きっと)助かりましょう。(眠る病人はなおると言います。起さない方がよいでしょう。)」
11:13
イエスはラザロが死んだことを言われたのに、弟子たちは安眠していることを言われるものと思ったのである。
11:14
そこでイエスが今度ははっきり言われた、「ラザロは死んだのだ。
塚本訳 ヨハ
11:43-44
11:43
こう言ったのち、大声で、「ラザロ、出て来い」と叫ばれた。
11:44
死人が手足を包帯で巻かれたまま、(墓から)出てきた。顔は手拭で包まれていた。イエスは「解いてやって(家に)帰らせなさい」と人々に言われた。
*第三幕は来世の様相。神の国には地上で不幸だった人が招かれる
塚本訳 ルカ
16:25-26
16:25
しかしアブラハムは言った、『子よ、考えてごらん、あなたは生きていた時に善いものを貰い、ラザロは反対に悪いものを貰ったではないか。だから今ここで、彼は慰められ、あなたはもだえ苦しむのだ。
16:26
そればかりではない、わたし達とあなた達との間には大きな(深い)裂け目があって、ここからあなた達の所へ渡ろうと思っても出来ず、そこからわたし達の所へ越えてくることもない。』
塚本訳 マタ
5:3-8
5:3 ああ幸いだ、神に寄りすがる『貧しい人たち、』天の国はその人たちのものとなるのだから。
5:4 ああ幸いだ、『悲しんでいる人たち、』、(かの日に)『慰めていただく』のはその人たちだから。
*宴会に招かれても貸し出される礼服を着ない人はまた神の怒りの対象となる
塚本訳 マタ
22:9-13
22:9
だから町の出口の所に行って、出会った者をだれでもよいから宴会に呼んでこい。』
22:10
家来たちは道に出ていって、出会った者を悪人でも善人でも皆集めてきたので、宴会場は客で一ぱいになった。
22:11
王は客を見ようとして入ってきたが、そこに礼服を着けていない者が一人いるのを見て
22:12
その人に言った、『君、礼服も着ずに、なんでここに入ってきたのか。』その人が黙っていると、
22:13
王は家来たちに言った、『あの者の手足を縛って、外の真暗闇に放り出せ。そこでわめき、歯ぎしりするであろう。』
*神が貸し出される礼服を着るとはどういうことか。神に無理に着せられる事
塚本訳 ルカ
15:21-24
15:21
息子は父に言った、『お父さん、わたしは天(の神様)にも、あなたにも、罪を犯しました。もうあなたの息子と言われる資格はありません。……』
15:22
しかし父は(皆まで聞かず)召使たちに言った、『急いで、一番上等の着物をもって来て着せなさい。手に指輪を、足にお靴をはかせなさい。
15:23
それから肥えた小牛を引いてきて料理しなさい。みんなで食べてお祝いをしようではないか。
15:24
このわたしの息子は死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったのだから。』そこで祝賀会が始まった。
塚本訳 ルカ
14:22-23
14:22
やがて僕が(かえって来て)言った、『御主人、仰せのとおりにしましたが、まだ席があります。』
14:23
主人が僕に言った、『田舎道や垣根のところに行き、(そこにいるひとたちに)無理にも来てもらって、家をいっぱいにしなさい。』
塚本訳 ロマ
13:13-14
13:13
昼間にふさわしく、きちんとして生活しようではないか、酒宴と酩酊でなく、淫楽と放蕩でなく、喧嘩と嫉妬でなく。
13:14
主イエス・キリストを着なさい。肉をいたわるのはよいが、情欲に陥らないように。
塚本訳コロ
3:10-12
3:10
新しい人間を着よ。この新しい人間はいよいよ新しくされて、彼を創造(つく)り給うた御方の『像(かたち)に肖(あやか)って』(遂に完全なる)知識に達するのである。
3:11
そして其処──(この新しい人間の住む世界)──には(最早)ギリシヤ人とユダヤ人、割礼(の者)と無割礼(の者、また)野蛮人(バルバロス)、スキテン人、奴隷、自由人(の別)がなく、ただ凡てがキリスト、凡てにキリストである。
3:12
(斯く君達は新しい人間に創造られたの)だから、神に選ばれた者、聖い者、また(神に)愛される者として、心からなる同情、親切、謙遜、柔和、寛容を着よ。
3:13
互いに我慢して、たとい誰かに対して不平があっても、互いに赦し合え。主が君達を赦し給うたように、君達も赦せ。
*黙示録の「第二の死」という霊魂の永遠の死
塚本訳 ルカ
12:4-5
12:4
あなた達、わたしの友人に言う、体を殺しても、そのあと、それ以上には何もできない者を恐れるな。
12:5
恐るべき者はだれか、おしえてあげよう。殺したあとで、地獄に投げ込む権力を持っておられるお方を恐れよ。ほんとうに、わたしは言う、そのお方(だけ)を恐れよ。
塚本訳 黙 20:14
20:14
そして死と陰府とは火の池に放り込まれた。これが第二の死、(最後の)火の池の死である。
塚本訳 黙 21:8
21:8
しかし臆病者、不信の者、嫌悪むべき者、(また)殺人者、淫行の者、魔術を行う者、(また)偶像礼拝者、凡ての虚偽者──彼らの運命は、火と硫黄の燃えている池に投げ込まれることである。これは第二の死、(すなわち最後の死)である。」
*「救われる者は少ないか」に対するイエスの謎の答え
塚本訳 ルカ
13:23-24
13:23
するとある人が「主よ、救われる者は少ないでしょうか」と尋ねた。人々に言われた、
13:24
「全力を尽くして(今すぐ)狭い戸口から入りなさい。あなた達に言う、(あとになって)入ろうとしても、入れない者が多いのだから。
塚本訳 ルカ
18:1、
18:1
なお、気を落さずに常に祈るべきことについて、一つの譬をひいて弟子たちに話された、
*人間はどうしても救いの徴(保証、証拠、権威)を求める。教会の洗礼等
塚本訳マタ
16:4
16:4
この悪い、神を忘れた時代の人は、徴をほしがる。しかしこの人たちには、ヨナの徴以外の徴は与えられない。」イエスは彼らをすてて立ち去られた。
塚本訳 Tコリ1:22-23a
1:22
実際、ユダヤ人は(信ずるための証拠に神からの不思議な)徴を乞い、異教人は(真理を知るために)知恵を求めるが、
1:23a
わたし達は十字架につけられたキリストのこと(だけ)を説く。
*生きているうちに終末(来世)での霊魂の救いの保証(証拠)は「聖霊」
口語訳 エペ 1:13-14
1:13 あなたがたもまた、キリストにあって、真理の言葉、すなわち、あなたがたの救の福音を聞き、また、彼を信じた結果、約束された聖霊の証印をおされたのである。
1:14 この聖霊は、わたしたちが神の国をつぐことの保証であって、やがて神につける者が全くあがなわれ、神の栄光をほめたたえるに至るためである。
口語訳 Uコリ1:22
1:22 神はまた、わたしたちに証印をおし、その保証として、わたしたちの心に御霊を賜わったのである。
*生きて十字架の救いと有体的復活を信じられる時、それは聖霊を賜ったこと
塚本訳ルカ
24:31-32
24:31
(その時)二人の目が開けて、その方とはっきりわかった。すると(また)その姿が見えなくなった。
24:32
二人は語り合うのであった、「(そう言えば、)道々わたし達に話をされたり、聖書を説き明かされたりした時に、胸の中が熱くなったではないか」と。
口語訳 黙
19:12-13
19:12 その目は燃える炎であり、その頭には多くの冠があった。また、彼以外にはだれも知らない名がその身にしるされていた。
19:13 彼は血染めの衣をまとい、その名は「神の言」と呼ばれた。
塚本訳ヨハ
3:16
3:16
そのゆえは、神はその独り子を賜わったほどにこの世を愛されたのである。これはその独り子を信ずる者が一人も滅びず、永遠の命を持つことができるためである。